名前を教えてね!
8章
名前変更
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『え!?夏実ちゃんが!?』
朱雀「早く、病院へ…!」
名前「ああ…でも、名前は帰れ…危ないから」
右狐を出して、名前を奴良家に帰らせた。
千羽「…私は、千羽…ずいぶん昔から…この病院の辺りで、暮らしております」
"あのほこらに千羽鶴を供え、祈ると病気が治る"それが小生
黒田坊「千羽鶴か。そーいうことなら、あの娘を治してやってくれんか?」
千羽「それは…出来ない––––あの娘は––––呪われている」
鳥居は即死は免れたが、夜明けまではもたない。
黒田坊「人間などどーでもいいが、この娘は………ちと困る」
呪いを解けばどうにかなるということで、黒田坊は袖モギを探しに行った。
千羽「……」
黒田坊の姿が見えなくなってから、千羽の元に近づく足音がした。
名前「あった…」
朱雀「だいぶ古くなってますね」
名前「千羽様…隠れてないで、出ておいで」
千羽「あ…あなたは……」
恐る恐る出てきて、口を開いた。
名前の姿は、妖へと変わる。
千羽「名前様…」
空良「今、綺麗にするから」
ボロボロになったお社を掃除し始めた。
千羽「雨……ん?」
雨の中、車椅子に乗ってこちらにやって来る人影があった。
朱雀「あ……」
ひばり「おや、先客がいたね」
その声に、名前の動きが止まった。
名前「……」
そして、ゆっくりと千羽のお社から離れた。
ひばり「綺麗にしてくれたんだね…ありがとう。千羽様はまだここにいるかい?」
名前「…いますよ……」
ひばりは千羽のお社の前に膝をついた。
朱雀(主…これは…)
名前(ん…オレにも、わからん)
ひばり「あの子が自分で折った千羽鶴だけど、あの娘を……助けて下さい」
名前がその場を離れようとしたら止められた。
ひばりが近づいてきて、頬に手を添えた。
名前「っ……」
ひばり「やっぱり、名前ちゃんだね」
手は微かに震えていた。
しゃがんで、ひばりを見つめた。
名前「オレが、怖くないですか…?」
添えられていた手が、頭に伸びた。
ひばり「名前ちゃんは名前ちゃんだよ」
くしゃくしゃと名前の頭を撫でた。
名前「夏実は、千羽様とオレに任せて下さい…!」
ひばり「頼んだよ」
*****
その頃袖モギはとある神社にいた。
苔姫がいる神社だ。
袖モギは苔姫が着ている着物をむしり取っていた。
袖モギ「ワシに殺されたくなかったら、ソデを置いてけ–––––!!」
袖に噛みつくと、刃が刺さった。
黒田坊「生憎だな。それは拙僧のソデだ」
袖モギ「で…でめーぇぇはァ…ッ!!」
黒田坊「そんなに欲しけりゃくれてやる」
と言って、武器をたくさん出して袖モギを刺した。
黒田坊「お主に味覚があるならば、そいつはまずかろう。拙僧の剣は、血の味しかせんからな」
お主が掴んだ最後の袖は、お主自身の死に装束だ。
雨が激しくなってきた。
黒田坊は袖モギの胸倉を掴んで、鳥居にかかった呪いについて問いかけていた。
袖モギ「ワシの呪いは命を毟る。呪いはとけてもあの娘自身どれだけ保つのかな…」
小さく不気味に笑いながら続けた。
袖モギ「一晩が明け…もう朝方じゃぞ……?間に合ったのかな……?」
黒田坊の側にいて話を聞いていたリクオが止めを刺した。
*****
鳥居の容態は悪化するばかりだった。
外ではひばりが、中では巻が祈っていた。
千羽「名前様…」
名前「ん?」
千羽「私に力を貸して下さい–––」
巻は鳥居の無事を祈ることしかできない。
そして急に鳥居がいる病室が光だした。
巻「光ってる…?夏実…?」
千羽が鳥居を呼ぶ。
人の想いの大きさが
私の力を強くする
私自身が強いわけじゃない
神だから
ほんの少し––––
後押しするだけだ
私は千羽鶴
人の想いの–––結晶だ
こうして鳥居の命は救われた。
清十字団メンバーがお見舞いに来て、鳥居の元気な姿を見て安心していた。
千羽「ありがとうございます」
名前「いや、あくまで力を貸したまでだよ」
千羽「助かりました」
名前に何度も頭を下げて礼をした。
名前「礼を言うなら、ひばりさんにしろよな。つーか、神様が頭下げちゃだめでしょ!」
千羽「名前様も"神様"みたいなものですよ」
名前「いやいやいや」
二人で笑い合っていると、名前が走ってやってきた。
千羽「お迎えも来たことですので…」
名前「ああ、またな」
千羽に一礼して名前と帰っていった。
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