名前を教えてね!
5章
名前変更
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清継の別荘にある露天風呂から上がった名前は分身の名前がいないのに気づく。
『リクオ君もいない…!』
嫌な予感がして走って外へ出た。
朱雀「名前様、どちらへ?夜は危険です」
『朱雀!名前は一緒じゃないの?』
不安な表情で朱雀に言った。
朱雀「主人もこちらへ向かっております。ご安心を」
『じゃあ、朱雀も一緒に来て!リクオ君が危ないかもしれないの!』
だが、遅かった。
牛頭丸に襲われて雪女が負傷し、妖怪の姿になったリクオが抱えていた。
『あっ!つららちゃん!』
リクオ「名前…こいつを頼んだ」
『えっリクオ君…』
不安気な表情でリクオを見つめた。
リクオは薄く微笑んで名前の頭を撫でた。
リクオ「心配すんな。オレなら、大丈夫だ」
『う、うん…無茶しないでね…』
頷いたリクオは、山奥に消えていった。
リクオの姿が見えなくなった途端、名前は俯いた。
朱雀「…名前様、あなたもリクオ様のもとへ行きたいのでしょう?」
『うん…とても、心配…あと、嫌な予感がして…ね』
朱雀はふっと笑い、名前の肩に手を置いた。
朱雀「では、行きましょうか」
『朱雀、ありがとう…』
*****
一方、名前は自分自身を抱いてしゃがみ込んでいた。
名前「な、なんでっ……」
右狐は心配そうにすり寄っていた。
ガサガサと不気味に草が音を立てた。
名前「…っ!?」
?「あ…そ、そこにいるのは、誰ですか?」
名前「っ…ち、はる…」
思わず名前を呼んでしまった。
千春の目の前にいるのは、妖怪の名前である。
千春は驚いて目を見開いた。
千春「えっ?あ、あなた…もしかして…」
伸ばした手が名前の頬に触れそうになった途端に雷が鳴った。
千春「きゃっ!!」
勢いよく名前に抱きついた。
千春が離れようとしたら、名前は千春の背中に腕を回した。
名前「お願い…このまま…」
千春は黙って頷いた。
******
何かを察知した名前は胸騒ぎがして急いでリクオの所へ向かった。
雨が降り、雷が鳴り、風も強く吹いている。
捩眼山山頂の牛鬼の屋敷に、リクオがいた。
『リクオくん!?朱雀!早く名前を!!』
珍しく名前が慌てていた。
牛鬼「名前…」
『牛鬼さん!?』
牛鬼「丁度いい…名前も聞け。捩眼山は奴良組の最西端––ここから先、奴良組の
『え…』
三羽鴉が屋敷に入ってきた。
傷だらけのリクオの姿を見て牛鬼に襲いかかろうとしたが、リクオが止めた。
牛鬼「この地にいるからこそ、よくわかるぞリクオ…内からも…外からも…いずれこの組は壊れる」
だから私は動いたのだ
私の愛した奴良組を…つぶす
『牛鬼さん…』
牛鬼はゆっくり起き上がる。
その手には刀が握られていた。
三羽鴉はリクオが刺されると思い慌てていたが、刃先は牛鬼自身に向けられていた。
『だめ!牛鬼さん!!』
名前は慌てて止めようとした。
すると、牛鬼の腹に刀が刺さって見えたが、その刃は折れていて柱に刺さっていた。
折ったのはリクオだった。
リクオ「おめーの気持ちは痛ぇ程わかったぜ」
名前に近づいき、頭に手を置いたと思えばくしゃくしゃと撫でた。
『り、リクオくん…?//』
リクオ「心配かけたな」
リクオは薄く微笑んだ。
朱雀に呼ばれて名前が屋敷に来てリクオと牛鬼のケガを治した。
牛鬼「すまない…」
名前「気にすんなよ…オレもお前に死なれたくないからな」
牛鬼「そうか…」
安心したのか、牛鬼はゆっくりと目を閉じた。
*****
目を覚ますと朝だった。
そこには人間のリクオがいた。
牛鬼「リクオ………本当に…朝になると…変わってしまうのか…」
リクオ「…………今は、人間だよ」
実はリクオは妖怪の姿になった時のことを全て知っていた。
いつまでも目を閉じてられないとリクオは言う。
リクオ「だからボクは、そこまで
その姿が自分を認めてくれた若かりし頃のぬらりひょんと重なって見えた。
一方では、名前が鴆から怒られていた。
鴆「お前がいると仕事が無くなる!!」
名前「あはは」
牛鬼の一件が終わり、暫しの平和が訪れたのであった。
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