名前を教えてね!
4章
名前変更
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『う…ん…まぶし…』
目をゆっくり開けるとカゴの中にゆらとカナがいた。
『ゆらちゃん!カナちゃん!』
旧鼠「起きたか」
『どうして…?私の"血"が欲しいんじゃ……二人は、関係ない…のに……』
旧鼠は立ち上がり名前に近づいた。
『来ないでっ…!』
震えた声でそう言うと旧鼠がニヤリと笑う。
旧鼠「"いい匂い"だな…」
名前の腕を強く掴んだ。
『っい…!あ、血…』
旧鼠「うまそうだ…」
次の瞬間名前を引き寄せて首に噛みついた。
『うっ…く…』
ゴクリと喉の音が間近で聴こえて気持ち悪い。
血を吸われ過ぎて名前は気を失ってしまった。
その頃、奴良組では回状を廻す廻さないとリクオとぬらりひょんたちが言い争っていた。
名前「こんな回状なんか必要ねぇよ!」
そう言ってリクオから回状を乱暴に奪って燃やした。
リクオ「……!?」
名前「何ザコ相手に言いなりになってんだ!」
リクオの胸倉を掴み、金色の目で睨んだ。
リクオ「そんなことをボクに言われたって、ボクには力なんかないんだ!!」
名前の手を払ってから勢いよく障子を開けて外に出た。
名前「……」
その時ザァッと風が吹いて桜が散った。
──本当は知ってるはずだぜ
自分の本当の力を
桜の木に誰かが座ってリクオを見下ろす。
──もう時間だよ
その人はリクオと入れ替わるように木から降りた。
カラス「わ…若…?」
近くにいたカラス天狗が声をかける。
リクオ「夜明けまでのねずみ狩りだ」
その光景を見た名前はぬらりひょんに目配せをする。
それに察して布に厳重に包まれた刀を渡した。
ぬら「あまり使いすぎるなよ…?」
名前「んーどうだろねぇ」
と曖昧な返事だけした。
*****
そして、処刑時刻が近くなる。
旧鼠「どうだ…?ネオンの光の中…処刑される気分は…?」
旧鼠は豪華な椅子に座っていた。
ゆら「な…処刑…?…ちょ、そこにおるんは……!?」
旧鼠の腕の中に血だらけの名前がぐったりしていた。
旧鼠「あぁ…こいつか?こいつの血は"うまい"からな…」
ゆら「今すぐ名前さんから離れるんや!!」
旧鼠「もう遅い……そろそろ時間だな」
腕時計を見てニヤリと笑う。
カゴの中に旧鼠の部下が入って来て絶体絶命の時に、
名前「血の匂いがするな…」
旧鼠「な…お前は…苗字名前!!」
椅子から立ち上がって叫んだ。
名前「返せよ…!!」
スっと姿が消え見えた時には名前を抱えて離れた場所にいた。
そして後ろにはリクオ率いる百鬼夜行がいた。
良太猫「名前嬢!?」
血だらけの名前を見た良太猫が涙目で叫んだ。
名前「リクオ…名前を少しだけ預けるぞ」
と言ってリクオに渡した。
リクオ「血だらけじゃねぇか!」
名前「傷は癒えてる……はぁ…最悪…」
刀を抜いて不気味な笑みを浮かべて、
名前「–––ぬらりひょんから、使うなって言われたけど…」
強い妖気と殺気を込めてすごい速さで、旧鼠の部下を一人で倒していく。
雪女「つ、強い…」
雪女が呟いた。
旧鼠「ははっ…ねずみならいくらでも出せる…!!」
名前「ザコが……式神 "火龍"!!ねずみ全て燃やしてしまえ!!」
旧鼠が出したネズミを全て燃やした。
旧鼠「し、式神!?お前も術者か!!」
火龍をしまってリクオたちの所に戻った。
リクオ「名前、お前…」
名前「話は後だ!ほら、さっさとかかって来いよ!」
旧鼠にそう叫んで挑発した。
すると旧鼠の妖気が膨れ上がって巨大なネズミと化した。
あとはリクオに任せ、名前を取りあげた。
名前「(明鏡止水"桜"か…リクオにも出せたんだな)」
旧鼠「くふふ…これで勝ったと思うなよ…」
燃やしたはずの旧鼠が無傷で生きていた。
名前「くははっ血を飲んで多少は強くなったってかぁ?……へぇ、おもしれぇ」
急に笑いだし再び抜刀する。
旧鼠「何!?」
名前「いいぜ、かかって来いよ!殺してやっからさ!」
溢れ出す殺気に誰もが畏れた。
そして、髪と目の色が金色になった。
旧鼠「…っ、く、来るな!!」
名前に恐怖を抱きながらも襲いかかるが、
名前「"朱雀"!!」
今度は違う式神を召喚して旧鼠を火で囲み燃やし尽くした。
名前「朱雀の火は全てを燃やし尽くす…これで終りだ」
刀をブンっと一振りして鞘に収めた。
結局サポートではなく最後まで戦ったのだった。
名前「よし、終わった!」
朱雀「少々やりすぎでは…」
名前「ん、気にしない。怒らせた奴が悪い!」
朱雀「まぁ…良しとしましょう」
朱雀が消えた後に名前は急いで名前を治した。
名前「ふぅ~…」
リクオ「名前、説明しろ」
名前「やっぱり、ぬらりひょんから聞いてなかったのか–––」
名前は教えられる所まで全て説明した。
説明していたらリクオの腕の中で眠っていた名前が目を覚ました。
リ・名前「「名前!!」」
『名前…リクオ君……ごめんなさい』
リクオ「なんで謝るんだ?」
『だって…私…みんなに迷惑かけた…!』
名前は涙を流したがそれをリクオが拭った。
リクオ「泣くんじゃねぇよ」
『リクオ君…』
リクオ「名前が無事でよかった」
それからリクオは名前をそっと抱きしめた。
*****
名前「カナ、花開院!」
カナ「名前さん!?//」
カナは名前を見るなり頬を赤く染めた。
実は二人を予め眠らせて戦っていたのだった。
ゆら「名前さん…ごめんなさい。私の力不足のせいで名前さんが……」
名前「大丈夫…気にしなくていい」
と言ってゆらの頭にぽんと手を乗せた。
ちなみにゆらは名前が陰陽師ということを知っている。
ただし妖怪ということは知らない。
名前「花開院の制服破れてたよな。これやるよ」
ゆらに羽織をかけた。
ゆら「ありがとうございます…」
名前は右狐を召喚して二人が無事に帰宅出来るようについて行かせたのだった。
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