名前を教えてね!
4章
名前変更
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同時刻–––
名前は、千春と一緒に帰っていた。
名前「あ、そうだ」
と言うと風呂敷から饅頭を取り出して千春に渡した。
千春「あ!これ、限定饅頭?」
名前「朝早くから待って、やっと手に入れたんだ~」
無邪気に笑った。
名前と目が合うと、
千春「…っ!//」
すぐに目を逸らして俯いた。
その時、柔らかな風が吹いて、千春の髪を揺らした。
そして、どこか懐かしさを感じていた。
奴良家では疲れきった妖怪たちがたくさんいた。
リクオは名前がいないことに気づく。
リクオ「あれ?名前ちゃんは?」
毛倡妓「さっきまでいましたけどねぇ」
団扇でリクオを扇ぐ毛倡妓が言った。
*****
夜になっても賑わう浮世絵町一番街を通る女子三人。
『ゆらちゃん一人暮らしだったの?』
ゆら「はい…」
そう返事をしたゆらはなんだか元気がなかった。
カナ「どうしたの?」
ゆら「……私って…まだ修行が足りひんわ……本当にいると思ったのに…奴良くんに失礼なことしてもーた…」
ゆらは落ち込んだ様子だった。
それを狙って一人のホストが現れた。
『あ…』
気づけば囲まれていた。
?「つれなくすんなよ仔猫ちゃん」
みんなして憎たらしい笑みを浮かべる。
?「アンタら…三代目の知り合いだろ。夜は長いぜ。骨になるまで…しゃぶらせてくれよォォ」
人から化物へと変わる。
『(これ…夢で見たのと同じ!!)』
逃げなきゃ…!!
カナとゆらの手を取って路地裏へ走った。
ここを抜ければ逃げられると思っていたのも束の間、そこは行き止まりだった。
名前とカナはゆらの後ろに隠れる。
旧鼠「おとなしくしてりゃあ…痛い目見なくてすむぜぇー」
と言うが、ゆらは鼻で笑った。
ゆら「……ねずみ風情が粋がるんちゃうわ」
そう言ってゆらは何かを唱えて狼の式神を出した。
ゆら「貪狼あいつらネズミや食べてしもて」
貪狼と呼ばれた式神は次々とネズミを食べていった。
『すごい…』
ゆら「いい子やね貪狼」
「旧鼠さんこの女一体…」
『(旧鼠…)』
しかしゆらが旧鼠を怒らせてしまいカナが襲われた。
式神をしまえと言われて何も出来なくなったゆらは殴られて倒れた。
旧鼠「へぇ、まさか会えるとは…"不老不死"に。しかも妹だ…」
ニヤリと笑い名前に少しずつ近づいていく。
恐怖で震える足を力いっぱい動かして後退さる。
旧鼠「逃げてもむだだ…!」
『いやっ…来ないで…』
後ろには壁しかなかった。
とうとう名前は旧鼠に捕まってしまった。
*****
奴良家に帰って来た名前は違和感を覚えた。
メガネを外しながらぬらりひょんを探す。
ぬら「帰ったか」
名前「名前がいない。リクオもだ」
ぬら「リクオは知らんが、名前ちゃんなら人間の娘を送って行ったぞ」
それを聞いて名前は舌打ちをした。
ぬらりひょんから頼まれていた饅頭を投げて渡して部屋を出ようとしたら、
ぬら「数が足らんぞ?」
名前「オレが食った…」
ちらりとぬらりひょんを見てから、走って行った。
名前の背中を見送りながら、
ぬら「親父そっくりじゃ…」
そう言ってぬらりひょんは頭を掻いた。
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