名前を教えてね!
3章
名前変更
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月明かりが照らす夜……
うちの庭のしだれ桜だ–––
おかしいな–––
春は……
もうとっくに過ぎたはずだけど…
木から見下ろす影が二つ…
リクオ「誰?そこにいるのは誰?」
ジリリリリィ
『ん~~~……』
目覚ましを止めて背伸びをした後ゆっくり起き上がる。
名前「名前起きた?」
名前の声が聞こえたので障子を開けた。
『ふぁ~、どうしたのぉ?』
名前「なんかあっちで盛り上がってるみたい」
名前の手を引いて歩き出した。
カラス「ねぇ若……ってアレーー!?」
リクオ「知らないよそんなの…全っ然おぼえてないし」
制服のボタンをとめながらブツブツ言う。
それにしても–––
変な夢だったなぁ
誰だろ?
あの人たち……
女の人が何か話してた……ような…?
『リクオ君…?』
名前「あいつ、ふらついてるな」
ふらつきながら学校へ行くリクオの姿を二人で眺めていた。
*****
そして、相変わらず、
『あの…普通に学校行けないのかな?』
名前「ん…無理だな」
屋根をひとっ飛びで登校中なのであった。
学校に着いて、二人は別れた名前の場合、教室に入って早々、
「おい名前!英語の宿題やった?」
「やってたら見せろ」
名前「はいはい。」
この感じリクオに似てるな、と名前は思った。
そして、
千春「名前ちゃん、おはよう」
『あ、千春ちゃん!おはよう』
教室に入ると、友達である千春が花瓶に花を生けていた。
放課後になって名前が千春を連れて、名前の教室に行こうとしたらリクオに声をかけられた。
『清継くんが?』
リクオ「うん、来て欲しいんだって」
『名前行くって言うかなぁ』
とりあえず名前の教室に行って、名前と千春は廊下で待つことにした。
名前「別にいいけど…どしたの?」
リクオ「清継くんが勝手に団体作っちゃって、それにぜひ名前くんたちもって…」
名前「あ、そう。その団体に一人増えるからな」
一人増えるというのは、千春のことだった。
リクオ「増えた方が清継くんにとっては、喜ばしいことだと思うよ」
名前「んじゃ、決まりね」
ということで、清継宅–––
清継「やあ…来てくれてありがとうございます!!」
清継は名前と名前の手を取り、大きく上下に振る。
そして、プライベート資料室に入れば資料がズラリと並んでいた。
珍しいものがたくさんあって夢中になっているところを邪魔したのは誰かの助けを呼ぶ声だった。
名前「(ん?今声が…)」
千春「あ、みんな先行ってる…」
追いかけるとそこには清継が言っていた"呪いの人形"らしき日本人形があった。
“助けて…”
名前「(また…)」
清継が日本人形の持ち主の日記を読みだした。
2月22日…引っ越しまであと7日。昨日、これを機に祖母からもらった日本人形をすてることにした。(少々省略)
雨がふっていたが思いきって捨てた…
“いやだ…ひとりいや…”
すると今日なぜか捨てたはずの人形が玄関においてあり、目から血のような黒っぽい…
名前「ん?…ちょ、リクオ!?」
リクオが日本人形にタックルをかましていた。
リクオ「うう…もしかしてこれ、やっぱ本物なのか…?」
清継「ちょっと…見せてみろ!!」
清継が見た時には人形はなんともなっていなかった。
引き続き日記を読むと、今度は髪が伸びてきた。
『名前…』
名前「わかってる…」
千春も名前を見つめた。
そして次の日記を読んだその時、
“かえりたいよ…”
人形が刀を持って襲いかかって来たが、名前の背後から何か飛んで来て人形は破壊された。
名前「(あ、花開院…)」
ゆら「浮世絵町…やはりおった。陰陽師花開院家の名において、
人形を見ればピクリともしない。
そして清継はゆらが陰陽師と知って上機嫌だった。
名前(どうしよ…)
名前(まだ完全に破壊されてないな)
カタカタと人形が動き始めたので名前は優しく撫でた。
名前(大丈夫…)
人形の動きは止まる。
破片を集めるだけ集めて誰にも気づかれないように三人は出て行って神社に向かった。
名前「
ボロボロになった日本人形に手をかざすと、ポワァと淡い光を放って人形を治した。
千春「すごい…」
名前「ほら、出ておいで」
すると、女の子の幽霊が現れた。
「ありがとう…これで、やっと帰れるよ…」
三人は少女に目線を合わせてしゃがんだ。
名前「早く帰ってやんな?きっと心配してるよ」
「うん!ありがとう…お兄ちゃん……お姉ちゃん……」
少女はにっこり笑い、無事成仏した。
名前「よし……あ、自己紹介が遅れたな。名前の兄で苗字 名前です」
にっこり笑った。
千春「桜井千春です」
千春も真似して笑った。
笑った顔も悪くない、と名前は思った。
『勝手に抜け出して大丈夫だったかな…』
名前「大丈夫!オレたちには分身がいますんで!」
ドヤ顔で言った名前に名前と千春は苦笑いした。
名前「よし!帰るか!」
三人は神社を後にした。
神社のご神木に隠れて三人を見つめていた影が一つあった。
?「え…あ、あれ…!?」
帰り際に名前は千春に色々教えた。
妖怪だということは除いて。
千春と別れて、今は奴良家の前にいた。
名前「……って、何これ」
『賑やかだね…』
奴良家は只今飲めや歌えやと、どんちゃん騒ぎ。
「おーい!」
こちらに走って来るのは名前たちの分身。
「やっと帰ってきた。日曜日に清継たちが来るんだって」
名前「おう、お疲れさん!」
パチンと指を鳴らすと分身が消えて紙がひらりと舞う。
それを掴んで内ポケットに入れた。
『あ、リクオ君の声』
名前「日曜日に人間来るからね」
リクオの慌てた声が奴良家中に響く。
*****
浮世絵町東口–––
とある繁華街では夜になると大人たちで賑やかになる。
そして–––
?「–––相変わらず…"猫"を喰らうのが好きなネズミだな……旧鼠」
旧鼠「ボス~…そんな言い方はナイでしょ…それがボクの…"悪行"なんだから……」
妖たちも動き出すことも忘れてはいけない–––
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