序章
今、この世界は二つに分かれている。
一つはここブリタニア。現皇帝であるシャルル・ジ・ブリタニアの手腕により巨大な大国となったブリタニアは、現在エリアを増やし続けている。
そしてもう一つ。
その勢力は、『超合集国』。7年前のブリタニアとの戦いで一度は敗れた日本を中心に中華連邦等の各国が超合集国に加入している。
現在はブリタニアですら安易に手を出せないほどの成長と勢いを見せており、その中心となっているのが、KMFである。
今まで、KMFに関してはブリタニアが一番優れた技術を有していた。しかし、ここ数年、日本や超合集国が使っているKMFが、ブリタニアより力をつけているのだ。
技術が劣っているわけではない。超合集国のKMFよりブリタニアのKMFの方が数段先の技術が使われているのは検証済だ。だが、実戦においてはブリタニアと互角。場合によっては超合集国の方が先手を行っているのだ。
明らかな異常と言っていいだろう。超合集国のKMFに隠されているであろう秘密、それを解明し、ブリタニアの力にする為日々解析等が行われているが、めざましい進展はない。
そもそも、現在日本は一切の国同士の関わりを持っていない。つまりは鎖国状態にある。戦争を仕掛けようにも、日本の領地に近づくと、日本の傭兵団、『黒の騎士団』が守っていて近づくことすらできていない。
その為、現在超合集国に、日本に全世界が目を向けている。
「枢木卿、今時間は空いているかな?」
「シュナイゼル殿下!?」
ナナリーに誘われたお茶会に向かっている最中、スザクは、ブリタニアの第二皇子シュナイゼルに声をかけられた。
「一体何の御用でしょうか」
「そこまで固くならないでおくれ、少し君に聞きたいことがあってね」
そう言ってシュナイゼルは周りを少し見渡した後、スザクに小さい声で本題を出した。
「君の故郷である日本が、ブリタニアへ招待状を出したんだ」
「招待状…ですか?」
「そう。なんでも、世界各国の国々と交流を深める為のパーティー、だそうだ」
おかしい。今まで鎖国状態であった日本が、交流の為のパーティーだと?
「君の意見を聞きたくてね。枢木スザク、君はこれをどう取る?」
「………罠…だと、」
明らかに罠だろう。何か仕掛けがあるとしか思えない。
「なるほど。枢木卿もそう思うかい」
「はい……シュナイゼル殿下はどう思われているのですか?」
「私も君と同意見だよ。だけれども、私はこの誘いに乗ってみようと思う」
シュナイゼルが言ったその言葉にスザクは驚く。シュナイゼルと言えばブリタニアで若いながらも宰相を務める優秀な人物だ。そんな人物が、見え透いた罠にわざわざかかるだと?
スザクの考えが顔に出ていたのか、シュナイゼルは少し笑いながら、スザクを見る。
「君が心配するのもわかる。これは我がブリタニアに対する罠だ。だが、同時にブリタニアにとっては、チャンスでもある」
「どういうことですか?」
「今現在、日本が関わっているのは、超合集国に加入している国のみ。それ以外には、日本の現状は全くと言っていい程わかっていない。それはブリタニアも同じだ」
だが、
「今回日本は各国にこの招待状を出している。これは日本からの挑発であると同時に日本の現状を知ることができるチャンスだ」
「ですが、それは些かリスクが高すぎるのでは?」
「確かにそうだろうね。だけれど、これだけが理由ではないよ」
シュナイゼルはスザクの瞳を見ながら続ける。
「ルルーシュ」
「っ…!!!」
その名前にスザクは動揺すると共に、シュナイゼルの考えがわかった。
「ルルーシュが消えたのは日本。生存しているかは怪しいけれど、それでも手掛かりはあるはず」
「それは…………」
ブリタニアより日本の方がルルーシュの行方の手掛かりが多いだろう。生きているかは別だが。
「今回日本に行くのは、私、クロヴィス、コーネリア、ユーフェミア、ナナリー、護衛や騎士たち、そして……」
騎士としてではなく、枢木スザクとして君に来てほしい。
「僕自身として…」
「君がルルーシュの親友なのはナナリーから聞いている。だから君がいた方がルルーシュも喜ぶと思ったからね」
既にルルーシュを亡き者扱いしているシュナイゼルに少し不快感が湧いたが、ルルーシュが生きていると信じている者の方が少ない。ナナリーでさえ、ルルーシュの生存を諦めてしまっているのだから。
だけど、スザクは諦めていなかった。あのナナリー大好きで負けず嫌いのルルーシュが、死んでいるだなんて信じられない。彼が諦めが悪いのは、親友である自分が一番知っている。きっと、ルルーシュは生きている。
だけど、もう諦めている周囲にそれを言うと、まるで自分がおかしいという目で見られる。スザクはそれが嫌だった。ルルーシュの家族が諦めても、自分は決して諦めない。
「自分も行きます」
スザクはシュナイゼルの言葉に返答した。ルルーシュの為に。そもそもスザクが、ブリタニアに来た理由は、ルルーシュにナナリーを託されたからだ。彼の望みの為に祖国を捨て、敵国であったブリタニアにやってきた。そのぐらいスザクはルルーシュのことを思っているのだ。
シュナイゼルは満足気に頷いた後、止めてしまってすまないと言った後、スザクの元を去って行った。
「ルルーシュ」
スザクの中で、未だあの日の姿の少年は、困ったように微笑んでいた。
一つはここブリタニア。現皇帝であるシャルル・ジ・ブリタニアの手腕により巨大な大国となったブリタニアは、現在エリアを増やし続けている。
そしてもう一つ。
その勢力は、『超合集国』。7年前のブリタニアとの戦いで一度は敗れた日本を中心に中華連邦等の各国が超合集国に加入している。
現在はブリタニアですら安易に手を出せないほどの成長と勢いを見せており、その中心となっているのが、KMFである。
今まで、KMFに関してはブリタニアが一番優れた技術を有していた。しかし、ここ数年、日本や超合集国が使っているKMFが、ブリタニアより力をつけているのだ。
技術が劣っているわけではない。超合集国のKMFよりブリタニアのKMFの方が数段先の技術が使われているのは検証済だ。だが、実戦においてはブリタニアと互角。場合によっては超合集国の方が先手を行っているのだ。
明らかな異常と言っていいだろう。超合集国のKMFに隠されているであろう秘密、それを解明し、ブリタニアの力にする為日々解析等が行われているが、めざましい進展はない。
そもそも、現在日本は一切の国同士の関わりを持っていない。つまりは鎖国状態にある。戦争を仕掛けようにも、日本の領地に近づくと、日本の傭兵団、『黒の騎士団』が守っていて近づくことすらできていない。
その為、現在超合集国に、日本に全世界が目を向けている。
「枢木卿、今時間は空いているかな?」
「シュナイゼル殿下!?」
ナナリーに誘われたお茶会に向かっている最中、スザクは、ブリタニアの第二皇子シュナイゼルに声をかけられた。
「一体何の御用でしょうか」
「そこまで固くならないでおくれ、少し君に聞きたいことがあってね」
そう言ってシュナイゼルは周りを少し見渡した後、スザクに小さい声で本題を出した。
「君の故郷である日本が、ブリタニアへ招待状を出したんだ」
「招待状…ですか?」
「そう。なんでも、世界各国の国々と交流を深める為のパーティー、だそうだ」
おかしい。今まで鎖国状態であった日本が、交流の為のパーティーだと?
「君の意見を聞きたくてね。枢木スザク、君はこれをどう取る?」
「………罠…だと、」
明らかに罠だろう。何か仕掛けがあるとしか思えない。
「なるほど。枢木卿もそう思うかい」
「はい……シュナイゼル殿下はどう思われているのですか?」
「私も君と同意見だよ。だけれども、私はこの誘いに乗ってみようと思う」
シュナイゼルが言ったその言葉にスザクは驚く。シュナイゼルと言えばブリタニアで若いながらも宰相を務める優秀な人物だ。そんな人物が、見え透いた罠にわざわざかかるだと?
スザクの考えが顔に出ていたのか、シュナイゼルは少し笑いながら、スザクを見る。
「君が心配するのもわかる。これは我がブリタニアに対する罠だ。だが、同時にブリタニアにとっては、チャンスでもある」
「どういうことですか?」
「今現在、日本が関わっているのは、超合集国に加入している国のみ。それ以外には、日本の現状は全くと言っていい程わかっていない。それはブリタニアも同じだ」
だが、
「今回日本は各国にこの招待状を出している。これは日本からの挑発であると同時に日本の現状を知ることができるチャンスだ」
「ですが、それは些かリスクが高すぎるのでは?」
「確かにそうだろうね。だけれど、これだけが理由ではないよ」
シュナイゼルはスザクの瞳を見ながら続ける。
「ルルーシュ」
「っ…!!!」
その名前にスザクは動揺すると共に、シュナイゼルの考えがわかった。
「ルルーシュが消えたのは日本。生存しているかは怪しいけれど、それでも手掛かりはあるはず」
「それは…………」
ブリタニアより日本の方がルルーシュの行方の手掛かりが多いだろう。生きているかは別だが。
「今回日本に行くのは、私、クロヴィス、コーネリア、ユーフェミア、ナナリー、護衛や騎士たち、そして……」
騎士としてではなく、枢木スザクとして君に来てほしい。
「僕自身として…」
「君がルルーシュの親友なのはナナリーから聞いている。だから君がいた方がルルーシュも喜ぶと思ったからね」
既にルルーシュを亡き者扱いしているシュナイゼルに少し不快感が湧いたが、ルルーシュが生きていると信じている者の方が少ない。ナナリーでさえ、ルルーシュの生存を諦めてしまっているのだから。
だけど、スザクは諦めていなかった。あのナナリー大好きで負けず嫌いのルルーシュが、死んでいるだなんて信じられない。彼が諦めが悪いのは、親友である自分が一番知っている。きっと、ルルーシュは生きている。
だけど、もう諦めている周囲にそれを言うと、まるで自分がおかしいという目で見られる。スザクはそれが嫌だった。ルルーシュの家族が諦めても、自分は決して諦めない。
「自分も行きます」
スザクはシュナイゼルの言葉に返答した。ルルーシュの為に。そもそもスザクが、ブリタニアに来た理由は、ルルーシュにナナリーを託されたからだ。彼の望みの為に祖国を捨て、敵国であったブリタニアにやってきた。そのぐらいスザクはルルーシュのことを思っているのだ。
シュナイゼルは満足気に頷いた後、止めてしまってすまないと言った後、スザクの元を去って行った。
「ルルーシュ」
スザクの中で、未だあの日の姿の少年は、困ったように微笑んでいた。
