かなわない
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ー靱帯断裂、最低でも1年はリハビリしないと復帰は出来ない。
「(嘘……。夏にも間に合わないの……?)」
「…莉愛、大丈夫かい?」
「…おじさん……優兄は……」
「……。」
「……っ!」
おじさんの辛そうな顔を見てられなくて私は病院から飛び出した。
トボトボ歩いてれば、携帯が鳴っている事に気付く。
「…もしもし。」
“あ、莉愛?悠里だけど元気?”
「…悠里…ちゃん…!!」
優兄の様に肩を痛めて野球を断念した親友からの電話に私は堪えていた涙が溢れた。
“え!?ちょっ、どうしたの?”
「…優兄が……!」
“クリス先輩に何かあったの? ”
「…靱帯断裂だって……!!リハビリしても夏に間に合わないかもしれない……。」
“……そんな…。”
「どうしよう……わた……私…ずっと一緒にいたのに気付けなかった!!」
“…莉愛のせいじゃないよ。”
違う……悔しいんだ。
一緒にいた私より先に奏ちゃんが気付いた事が悔しくて仕方ないんだ……。
最低だ…私。
奏ちゃんが気付いてくれてたからまだ良かったのに……それを悔しいなんて…。
これ以上、悠里ちゃんと話していられる自信が無くなって電話を切った。
家に帰って私はただひたすら泣いて、次の日学校を休んだ。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
ピンポーン
「はぁーい。」
…ママの声だ。誰か来たのかな?
「あら!久し振りね、いつこっちに?良ければ上がって。」
…本当に誰が来たの?
ベッドで丸まってれば足音が聞こえる。
…3人?
コンコン
「…はい? 」
『…莉愛?』
奏ちゃん!?
「城崎、大丈夫か?」
「ノートとプリント持ってきたよ。」
え、御幸君に川上君も!?
急いで開ければ、3人して目を丸くしている。
……勢い良く開け過ぎちゃった。
「…何で?部活は??」
「監督から許可もらったから大丈夫。」
「これ今日の授業のノート、あとプリント。」
「あ、ありがとう。」
御幸君と川上君にお礼を言っても奏ちゃんの顔は見れなかった。
まだ自分の感情を整理出来てないから、今見たら酷い事言っちゃうそう…。
『莉愛。』
「な、何?」
『こっち向いて莉愛。』
「…今、酷い顔だから無理だよ。」
『…ごめんね、入学式の日にクリス先輩とばったり会ったの。その時に少しおかしいなって思ってた。でも本人が気のせいだって言ったから気にしないでいた。』
思わず肩を掴む。
「お、おい!」
「城崎!?」
「…何で?何でもっと強く聞かなかったの?その時に奏ちゃんがもっと強く言ってれば夏にも間に合うかもしれなかったのに!!」
『…その時に言ったとしてもクリス先輩は誤魔化したよ。』
「城崎、奏を責めるのはお門違いだろ。」
『一也。』
厳しい目で私を見る御幸君を止める奏ちゃん。
…私だって分かってるんだよ。
奏ちゃんは何にも悪くない、優兄のオーバーワークが原因だって。
『…私が先に気付いてた事を莉愛が悔しいって思ってるのも分かってる。』
「…え…どうして?」
『私が莉愛の立場なら同じ事思うから。同じ様に責めてしまうから。』
奏ちゃんは軽く微笑んで私を抱き締めた。
『今はたくさん泣いて、泣いたら笑顔でクリス先輩を支えてあげよう?莉愛が辛い時は私や悠里、一也がいるからね。』
「…っ奏ちゃん…ごめんなさい…!!ひ…どいこと…言って…ごめんなさい…」
『ん?大丈夫だよ。』
…こんな私を許してくれる奏ちゃんには適わないよ…。
「…藤堂さんって凄いな。」
「アイツの良いとこであり悪いとこでもあるけどな。」
「ははっ……。」
「(でも、俺も奏のこういう所に助けられてんだよな…。)」
「うわあぁん!御幸君なんかにあげたくないよぉぉ!!」
「おい、なんかってなんだよ。」
「性悪眼鏡なんかやめて優兄と付き合ってよぉ!」
「…クリス先輩相手だと勝てる気しねぇんだけど……つか、性悪眼鏡とか酷くね?」
『…否定出来ないからノーコメントで。』
「ごめん御幸、俺も否定出来ないや。」
「はっはっはっ……俺が泣きそう。」
next
「(嘘……。夏にも間に合わないの……?)」
「…莉愛、大丈夫かい?」
「…おじさん……優兄は……」
「……。」
「……っ!」
おじさんの辛そうな顔を見てられなくて私は病院から飛び出した。
トボトボ歩いてれば、携帯が鳴っている事に気付く。
「…もしもし。」
“あ、莉愛?悠里だけど元気?”
「…悠里…ちゃん…!!」
優兄の様に肩を痛めて野球を断念した親友からの電話に私は堪えていた涙が溢れた。
“え!?ちょっ、どうしたの?”
「…優兄が……!」
“クリス先輩に何かあったの? ”
「…靱帯断裂だって……!!リハビリしても夏に間に合わないかもしれない……。」
“……そんな…。”
「どうしよう……わた……私…ずっと一緒にいたのに気付けなかった!!」
“…莉愛のせいじゃないよ。”
違う……悔しいんだ。
一緒にいた私より先に奏ちゃんが気付いた事が悔しくて仕方ないんだ……。
最低だ…私。
奏ちゃんが気付いてくれてたからまだ良かったのに……それを悔しいなんて…。
これ以上、悠里ちゃんと話していられる自信が無くなって電話を切った。
家に帰って私はただひたすら泣いて、次の日学校を休んだ。
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ピンポーン
「はぁーい。」
…ママの声だ。誰か来たのかな?
「あら!久し振りね、いつこっちに?良ければ上がって。」
…本当に誰が来たの?
ベッドで丸まってれば足音が聞こえる。
…3人?
コンコン
「…はい? 」
『…莉愛?』
奏ちゃん!?
「城崎、大丈夫か?」
「ノートとプリント持ってきたよ。」
え、御幸君に川上君も!?
急いで開ければ、3人して目を丸くしている。
……勢い良く開け過ぎちゃった。
「…何で?部活は??」
「監督から許可もらったから大丈夫。」
「これ今日の授業のノート、あとプリント。」
「あ、ありがとう。」
御幸君と川上君にお礼を言っても奏ちゃんの顔は見れなかった。
まだ自分の感情を整理出来てないから、今見たら酷い事言っちゃうそう…。
『莉愛。』
「な、何?」
『こっち向いて莉愛。』
「…今、酷い顔だから無理だよ。」
『…ごめんね、入学式の日にクリス先輩とばったり会ったの。その時に少しおかしいなって思ってた。でも本人が気のせいだって言ったから気にしないでいた。』
思わず肩を掴む。
「お、おい!」
「城崎!?」
「…何で?何でもっと強く聞かなかったの?その時に奏ちゃんがもっと強く言ってれば夏にも間に合うかもしれなかったのに!!」
『…その時に言ったとしてもクリス先輩は誤魔化したよ。』
「城崎、奏を責めるのはお門違いだろ。」
『一也。』
厳しい目で私を見る御幸君を止める奏ちゃん。
…私だって分かってるんだよ。
奏ちゃんは何にも悪くない、優兄のオーバーワークが原因だって。
『…私が先に気付いてた事を莉愛が悔しいって思ってるのも分かってる。』
「…え…どうして?」
『私が莉愛の立場なら同じ事思うから。同じ様に責めてしまうから。』
奏ちゃんは軽く微笑んで私を抱き締めた。
『今はたくさん泣いて、泣いたら笑顔でクリス先輩を支えてあげよう?莉愛が辛い時は私や悠里、一也がいるからね。』
「…っ奏ちゃん…ごめんなさい…!!ひ…どいこと…言って…ごめんなさい…」
『ん?大丈夫だよ。』
…こんな私を許してくれる奏ちゃんには適わないよ…。
「…藤堂さんって凄いな。」
「アイツの良いとこであり悪いとこでもあるけどな。」
「ははっ……。」
「(でも、俺も奏のこういう所に助けられてんだよな…。)」
「うわあぁん!御幸君なんかにあげたくないよぉぉ!!」
「おい、なんかってなんだよ。」
「性悪眼鏡なんかやめて優兄と付き合ってよぉ!」
「…クリス先輩相手だと勝てる気しねぇんだけど……つか、性悪眼鏡とか酷くね?」
『…否定出来ないからノーコメントで。』
「ごめん御幸、俺も否定出来ないや。」
「はっはっはっ……俺が泣きそう。」
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