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久々に実の父親である佐伯さんと会う事になった。
ちなみに今更お父さんとは呼べないから佐伯さんって呼んでる。
(本人は呼んで欲しかったらしい。)
「奏、久し振りだね。」
『うん。』
「何か…明るくなった?」
『そう…かも…』
「長野来て良かったのかもね。」
佐伯さんの言う通りかも。
こっち来てから、栄純や若菜達と知り合って毎日が楽しい。
もちろん一也達と一緒だった時も楽しかった。
『それで、今日はどうしたの?』
「奏も中3だから、高校どうするのかなと思って…決めてるのかい?」
『…うん。』
「そうか……私の母校を薦めたかったんだけど。」
『佐伯さんの母校?』
「そうだよ。青道高校って知ってるかい?」
『青道!?』
まさか、志望校が佐伯さんの母校だなんて…。
目を丸くしてれば佐伯さんが笑う。
「そんなに驚く?」
『だ、だって…青道なんて思わなくて…』
「ははっ。一也君ほどの捕手ではなかったけど、後輩が手の掛かる投手でね。いつも私は頭を抱えてたよ。」
『…そうなんだ。』
「奏の志望校はどこかな?」
『……青道。』
「え?」
『私、青道行きたいの。』
今度は佐伯さんが目を丸くした。
「…だから驚いたのか。」
『うん。』
「…青道か…。」
『…佐伯さん?』
佐伯さんは目を細めて何か噛み締める様に頷いた。
「…娘が自分の母校に通う……こんな嬉しい事ないな。」
『……ま、まだ通えると決まったわけじゃないし……。』
「君なら通えるよ。私の娘で藤堂さん達が育てた娘なんだから。」
『……佐伯さん、頭良さそうだもんね。』
「奏、本当の母親も頭良かったんだよ?」
『へぇ…』
「君は、外見が彼女に似て美人。中身はどちらかというと私に似てる。」
…佐伯さんと似てる?私が?
『…どこが?』
「自分の感情を押し殺すとこは似て欲しくなかったけど。温厚な性格は私にそっくりだよ。」
『…温厚って自分で言う?』
「ははっ、それもそうだね。…青道には私の後輩が教師をやっているから、何か困った事があったりしたら頼ると良い。話はしておくから。」
『…ん、ありがとう…。』
その後は色んな話をして別れた。
…家に帰ったら父さん達にも言おう。
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
「奏ったらもう志望校決めたの?」
『うん。』
「どこに決めたの?」
『青道。』
「青道って東京よ!?」
「…一人暮らしすると?」
『うん、そうじゃなきゃ通えないよ。』
私が苦笑しながら言えば、父さんは溜め息混じりに笑った。
「長野の高校にすれば良いじゃない!」
『…母さん、私はどうしても青道に行きたいの…ううん、青道じゃなきゃ駄目なんだよ。』
「…杏奈、奏が決めた事なんだ。良いじゃないか、初めての我が儘だよ。」
「東京なんて気軽に会える距離じゃないのよ?!何かあったらどうすんの!」
『ちゃんと連絡する。だから、お願い母さん。』
ジッと真っ直ぐ見つめれば、諦めた様に頷いてくれた。
父さんは、そんな母さんの肩を抱きながら真剣に言い聞かせた。
「良いかい?まず、約束して欲しい。」
『…』
「1つ、必ず連絡はする事。2つ、危ない事はしない。3つ、何があっても僕達はすぐに駆けつけられないから佐伯さんを頼る事。出来るね?」
『はい。』
「…よし。じゃあ今度、マンション見に行こうか。」
「ちょっ……あなた、いくらなんでも気が早いわ。まだ受かるか分からないのに…」
「何言ってるんだい杏奈。奏の成績なら心配ないさ。」
「…親バカだわ。」
くすりと笑って私は、背筋を伸ばし改めて両親にお礼をした。
『父さん、母さん…ありがとう。』
…一也も青道に行く…。
大丈夫。彼の傍に他の人がいても受け止められる。
もう、あの頃の私じゃない。
「え!?姉さん青道行くの?」
『うん、行くよ。』
「「…受かる気満々。」」
『これで受からなかったら笑って良いから。』
「指差して大爆笑してあげるね(笑)」
「志穂……容赦ねぇ。」
「お姉ちゃん頑張れ。」
『ありがと。』
next
ちなみに今更お父さんとは呼べないから佐伯さんって呼んでる。
(本人は呼んで欲しかったらしい。)
「奏、久し振りだね。」
『うん。』
「何か…明るくなった?」
『そう…かも…』
「長野来て良かったのかもね。」
佐伯さんの言う通りかも。
こっち来てから、栄純や若菜達と知り合って毎日が楽しい。
もちろん一也達と一緒だった時も楽しかった。
『それで、今日はどうしたの?』
「奏も中3だから、高校どうするのかなと思って…決めてるのかい?」
『…うん。』
「そうか……私の母校を薦めたかったんだけど。」
『佐伯さんの母校?』
「そうだよ。青道高校って知ってるかい?」
『青道!?』
まさか、志望校が佐伯さんの母校だなんて…。
目を丸くしてれば佐伯さんが笑う。
「そんなに驚く?」
『だ、だって…青道なんて思わなくて…』
「ははっ。一也君ほどの捕手ではなかったけど、後輩が手の掛かる投手でね。いつも私は頭を抱えてたよ。」
『…そうなんだ。』
「奏の志望校はどこかな?」
『……青道。』
「え?」
『私、青道行きたいの。』
今度は佐伯さんが目を丸くした。
「…だから驚いたのか。」
『うん。』
「…青道か…。」
『…佐伯さん?』
佐伯さんは目を細めて何か噛み締める様に頷いた。
「…娘が自分の母校に通う……こんな嬉しい事ないな。」
『……ま、まだ通えると決まったわけじゃないし……。』
「君なら通えるよ。私の娘で藤堂さん達が育てた娘なんだから。」
『……佐伯さん、頭良さそうだもんね。』
「奏、本当の母親も頭良かったんだよ?」
『へぇ…』
「君は、外見が彼女に似て美人。中身はどちらかというと私に似てる。」
…佐伯さんと似てる?私が?
『…どこが?』
「自分の感情を押し殺すとこは似て欲しくなかったけど。温厚な性格は私にそっくりだよ。」
『…温厚って自分で言う?』
「ははっ、それもそうだね。…青道には私の後輩が教師をやっているから、何か困った事があったりしたら頼ると良い。話はしておくから。」
『…ん、ありがとう…。』
その後は色んな話をして別れた。
…家に帰ったら父さん達にも言おう。
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「奏ったらもう志望校決めたの?」
『うん。』
「どこに決めたの?」
『青道。』
「青道って東京よ!?」
「…一人暮らしすると?」
『うん、そうじゃなきゃ通えないよ。』
私が苦笑しながら言えば、父さんは溜め息混じりに笑った。
「長野の高校にすれば良いじゃない!」
『…母さん、私はどうしても青道に行きたいの…ううん、青道じゃなきゃ駄目なんだよ。』
「…杏奈、奏が決めた事なんだ。良いじゃないか、初めての我が儘だよ。」
「東京なんて気軽に会える距離じゃないのよ?!何かあったらどうすんの!」
『ちゃんと連絡する。だから、お願い母さん。』
ジッと真っ直ぐ見つめれば、諦めた様に頷いてくれた。
父さんは、そんな母さんの肩を抱きながら真剣に言い聞かせた。
「良いかい?まず、約束して欲しい。」
『…』
「1つ、必ず連絡はする事。2つ、危ない事はしない。3つ、何があっても僕達はすぐに駆けつけられないから佐伯さんを頼る事。出来るね?」
『はい。』
「…よし。じゃあ今度、マンション見に行こうか。」
「ちょっ……あなた、いくらなんでも気が早いわ。まだ受かるか分からないのに…」
「何言ってるんだい杏奈。奏の成績なら心配ないさ。」
「…親バカだわ。」
くすりと笑って私は、背筋を伸ばし改めて両親にお礼をした。
『父さん、母さん…ありがとう。』
…一也も青道に行く…。
大丈夫。彼の傍に他の人がいても受け止められる。
もう、あの頃の私じゃない。
「え!?姉さん青道行くの?」
『うん、行くよ。』
「「…受かる気満々。」」
『これで受からなかったら笑って良いから。』
「指差して大爆笑してあげるね(笑)」
「志穂……容赦ねぇ。」
「お姉ちゃん頑張れ。」
『ありがと。』
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