直球勝負
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あの試合の日から一転して、何故だか俺はまた奏に避けられ始めた。
前回と違うのは会話は普通にしてくれる。
だけど、今までみたく一緒に登校したり練習や試合を観に来てくれる事はなくなった。
「(無意識に何かしたか?)」
そんなこんなで気付けば俺達も中2。
浩輔と志穂が中学生になった。
2年生になって残念な事に奏とはクラスが離れた。
(葛西と城崎さんは同じクラスだったみたいだ。)
「……はぁ。」
「何だよ溜め息なんて一也らしくねぇじゃん。」
「あのなぁ、俺にだって悩みがあんだよ。」
「女の子選び放題ってか?」
「…何でそうなる。」
「だって、2年になってから身長一気に伸びてモテまくってるし?」
そう。
コイツの言う通りで、俺は身長が伸びた。
確実に奏を抜いたのは確かだ。
「ま、一也の場合は選ばなくても傍に藤堂さんいるしな。」
「は?」
「え?」
「最近、一緒にいないだろ?」
「あー…そういえば何で一緒じゃねぇの?」
「…そんな事俺が知りたいわ。」
授業中も考えるのは奏の事ばかり。
葛西に聞いてもニヤニヤ笑うだけだし、城崎さんに至っては鼻で笑われた。
……あの件以来から城崎さんの俺に対する態度が酷くなってるし。
昼休みになり、悩んでても仕方ないと思って直接聞きに行く事にする。
「あれ?奏は?」
「「あ、御幸/あれ?御幸君」」
「葛西と城崎さんだけ?」
「奏なら、お呼び出しされてるよー。」
「はあ?」
「御幸君がモタモタしてるから、次々と奏ちゃんを落とそうとしてる男子で絶えないの。」
「…マジかよ。」
顔を歪める俺を2人がニヤニヤ笑う。
…お前ら元々そんな仲良くなかっただろ。
「今回の男子は先輩でイケメンだから奏もOKするかもね。」
「どこ」
「え、もしかして邪魔しに行くの?」
「邪魔するも何も、俺は最初っから奏を探してんだよ。」
「うわぁ…御幸ってば焦って「良いから早く言えよ。」体育館裏です。」
俺はそれを聞いて急いで向かう。
背後で葛西と城崎さんの声が聞こえるが無視。
「教えるの早過ぎ。」
「…御幸の顔がマジで怖かったんだよ。」
「よしよし。…これでいい加減に進展してくれれば良いけど。」
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
「俺、藤堂さんの事がずっと好きだったんだ。」
『…え?』
聞こえてきた声に足を止める。
「その…たまに笑う顔とか可愛いし、声も聞いてて安心出来るから…」
『…可愛い…なんて……』
「お世辞なんかじゃないから!本気でそう思ったんだよ。それから気になってて……でも、藤堂さんの傍にほとんど御幸がいるから。」
『……ごめんなさい。』
「え、それは……」
『……好きな人……いるんです。』
先輩だけでなく俺も目を見開いた。
今まで一緒にいたのに、全然そんな事気付かなかったから。
「……そっか。」
『…先輩のお気持ちは嬉しかったです……でも、私はその人以外を好きになれないんです。』
「…正直に話してくれて有り難う。」
『……お礼を言うのは私の方ですよ。』
「…あのさ、ちなみに誰か教えてくれる?」
『……それはー』
これ以上聞きたくなくて俺はその場を逃げ出した。
…情けねぇな。
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
『…一也』
「!…どうした?」
『悠里達が昼休み一也が私を探してたって聞いたから…』
「あ……うん。」
『何かあったの?』
「…いや…今度の練習は観に来んのかなと思って。」
キョトンとする奏は可愛かった。
『うん、行こうかなって思ってる。莉愛からも誘われたし。』
「…城崎さんとかなり仲良くなったな。」
『うん。悠里も莉愛と仲良くなってくれたから嬉しい。』
「みたいだな。俺、もう練習行くけど気を付けて帰れよ。」
『大丈夫だよ。』
「……一緒に帰れる日があったら帰ろうな。」
『!……うん。』
柔らかい笑みを見て、好きだという言葉が出掛かった。
それをグッと堪えて俺は練習に向かう。
好きな奴いるって分かってても諦めきれない。
もう幼なじみじゃ物足りない。
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前回と違うのは会話は普通にしてくれる。
だけど、今までみたく一緒に登校したり練習や試合を観に来てくれる事はなくなった。
「(無意識に何かしたか?)」
そんなこんなで気付けば俺達も中2。
浩輔と志穂が中学生になった。
2年生になって残念な事に奏とはクラスが離れた。
(葛西と城崎さんは同じクラスだったみたいだ。)
「……はぁ。」
「何だよ溜め息なんて一也らしくねぇじゃん。」
「あのなぁ、俺にだって悩みがあんだよ。」
「女の子選び放題ってか?」
「…何でそうなる。」
「だって、2年になってから身長一気に伸びてモテまくってるし?」
そう。
コイツの言う通りで、俺は身長が伸びた。
確実に奏を抜いたのは確かだ。
「ま、一也の場合は選ばなくても傍に藤堂さんいるしな。」
「は?」
「え?」
「最近、一緒にいないだろ?」
「あー…そういえば何で一緒じゃねぇの?」
「…そんな事俺が知りたいわ。」
授業中も考えるのは奏の事ばかり。
葛西に聞いてもニヤニヤ笑うだけだし、城崎さんに至っては鼻で笑われた。
……あの件以来から城崎さんの俺に対する態度が酷くなってるし。
昼休みになり、悩んでても仕方ないと思って直接聞きに行く事にする。
「あれ?奏は?」
「「あ、御幸/あれ?御幸君」」
「葛西と城崎さんだけ?」
「奏なら、お呼び出しされてるよー。」
「はあ?」
「御幸君がモタモタしてるから、次々と奏ちゃんを落とそうとしてる男子で絶えないの。」
「…マジかよ。」
顔を歪める俺を2人がニヤニヤ笑う。
…お前ら元々そんな仲良くなかっただろ。
「今回の男子は先輩でイケメンだから奏もOKするかもね。」
「どこ」
「え、もしかして邪魔しに行くの?」
「邪魔するも何も、俺は最初っから奏を探してんだよ。」
「うわぁ…御幸ってば焦って「良いから早く言えよ。」体育館裏です。」
俺はそれを聞いて急いで向かう。
背後で葛西と城崎さんの声が聞こえるが無視。
「教えるの早過ぎ。」
「…御幸の顔がマジで怖かったんだよ。」
「よしよし。…これでいい加減に進展してくれれば良いけど。」
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「俺、藤堂さんの事がずっと好きだったんだ。」
『…え?』
聞こえてきた声に足を止める。
「その…たまに笑う顔とか可愛いし、声も聞いてて安心出来るから…」
『…可愛い…なんて……』
「お世辞なんかじゃないから!本気でそう思ったんだよ。それから気になってて……でも、藤堂さんの傍にほとんど御幸がいるから。」
『……ごめんなさい。』
「え、それは……」
『……好きな人……いるんです。』
先輩だけでなく俺も目を見開いた。
今まで一緒にいたのに、全然そんな事気付かなかったから。
「……そっか。」
『…先輩のお気持ちは嬉しかったです……でも、私はその人以外を好きになれないんです。』
「…正直に話してくれて有り難う。」
『……お礼を言うのは私の方ですよ。』
「…あのさ、ちなみに誰か教えてくれる?」
『……それはー』
これ以上聞きたくなくて俺はその場を逃げ出した。
…情けねぇな。
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『…一也』
「!…どうした?」
『悠里達が昼休み一也が私を探してたって聞いたから…』
「あ……うん。」
『何かあったの?』
「…いや…今度の練習は観に来んのかなと思って。」
キョトンとする奏は可愛かった。
『うん、行こうかなって思ってる。莉愛からも誘われたし。』
「…城崎さんとかなり仲良くなったな。」
『うん。悠里も莉愛と仲良くなってくれたから嬉しい。』
「みたいだな。俺、もう練習行くけど気を付けて帰れよ。」
『大丈夫だよ。』
「……一緒に帰れる日があったら帰ろうな。」
『!……うん。』
柔らかい笑みを見て、好きだという言葉が出掛かった。
それをグッと堪えて俺は練習に向かう。
好きな奴いるって分かってても諦めきれない。
もう幼なじみじゃ物足りない。
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