ご挨拶
namechange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「はじめまして!おれ御幸一也!!」
『……』フイッ
「あ、あれ?」
それはある住宅街に越してきた家が挨拶にきた事が始まりだった。
「奏?」
『…お母さんなぁに?』
「一緒に出掛けようか。」
『…どこへ?』
「良いから良いから。」
母に手を引かれ歩く5歳の少女ー藤堂奏ーは、行き先も告げられず外に連れ出されるのを不満顔で黙っていた。
『…お母さん、なんでここに?』
奏の目の前にあるのは“御幸スチール”と書かれた工場。
此処に一体何の用があるのかと5歳ながらにして思考を巡らせていた。
「すみませーん」
「はい?」
「並びに越してきた藤堂と申します。今日はご挨拶に来ました。」
「あぁ、わざわざ有り難うございます。」
「お忙しいところすみません…。」
『…分かってるなら時間ずらせば良いのに。』
ボソリと呟くと御幸スチールの社長らしき人と目が合う。
「娘さんですか?」
「はい、ほらご挨拶は?」
『…初めまして藤堂奏です。』
「かなりしっかりした娘さんですね。」
「まだ5歳なんですけどね…。」
「うちの息子と同い年ですよ、おーい!一也降りてきなさい。」
工場に隣接されている家から出て来たのは眼鏡をかけた少年。
「ご挨拶に来てくれた藤堂さんだ、お前と同い年なんだから挨拶しなさい。」
少年ー御幸一也ーは奏と目が合うなり、人懐っこい笑顔を浮かべ近寄ってきた。
そして冒頭に至る。
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
「ごめんなさいね一也君、この子人見知りで…」
『…人見知りじゃないよ。』
「なら挨拶出来るでしょう?」
『…藤堂奏、宜しくね。』
「奏って呼んでもいい?おれも一也で良いからさ!」
『…うん、分かった。』
小さく笑みを浮かべて頷く奏に御幸親子は固まった。
「「(笑えるんだ…。)」」
かなり失礼な親子である。
だが、此処へ来て奏は一度も表情を変えなかったのだから仕方ない。
「一也君、良ければ奏と仲良くしてくれる?」
「うん!」
「良かったわね!初めてのお友達出来たじゃない。」
『……うん。』
「お父さん、遊んできても良い?」
「あまり遠くに行くなよ?」
「はぁい!奏行こう!」
一也に手を繋がれ、困惑した様に母へと顔を向ける。
「…遊んでらっしゃい」
そう優しく言われ、奏は表情をパァッと明るくし勢いよく頷いた。
走り行く小さな子供達を見送り、奏の母はホッと安心した。
「…一也君が仲良くしてくれて本当に助かります。」
「いやいや、うちも助かりますよ。」
「…あの子はーーーー」
告げられた言葉に一也の父は目を見開いた。
next
『……』フイッ
「あ、あれ?」
それはある住宅街に越してきた家が挨拶にきた事が始まりだった。
「奏?」
『…お母さんなぁに?』
「一緒に出掛けようか。」
『…どこへ?』
「良いから良いから。」
母に手を引かれ歩く5歳の少女ー藤堂奏ーは、行き先も告げられず外に連れ出されるのを不満顔で黙っていた。
『…お母さん、なんでここに?』
奏の目の前にあるのは“御幸スチール”と書かれた工場。
此処に一体何の用があるのかと5歳ながらにして思考を巡らせていた。
「すみませーん」
「はい?」
「並びに越してきた藤堂と申します。今日はご挨拶に来ました。」
「あぁ、わざわざ有り難うございます。」
「お忙しいところすみません…。」
『…分かってるなら時間ずらせば良いのに。』
ボソリと呟くと御幸スチールの社長らしき人と目が合う。
「娘さんですか?」
「はい、ほらご挨拶は?」
『…初めまして藤堂奏です。』
「かなりしっかりした娘さんですね。」
「まだ5歳なんですけどね…。」
「うちの息子と同い年ですよ、おーい!一也降りてきなさい。」
工場に隣接されている家から出て来たのは眼鏡をかけた少年。
「ご挨拶に来てくれた藤堂さんだ、お前と同い年なんだから挨拶しなさい。」
少年ー御幸一也ーは奏と目が合うなり、人懐っこい笑顔を浮かべ近寄ってきた。
そして冒頭に至る。
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
「ごめんなさいね一也君、この子人見知りで…」
『…人見知りじゃないよ。』
「なら挨拶出来るでしょう?」
『…藤堂奏、宜しくね。』
「奏って呼んでもいい?おれも一也で良いからさ!」
『…うん、分かった。』
小さく笑みを浮かべて頷く奏に御幸親子は固まった。
「「(笑えるんだ…。)」」
かなり失礼な親子である。
だが、此処へ来て奏は一度も表情を変えなかったのだから仕方ない。
「一也君、良ければ奏と仲良くしてくれる?」
「うん!」
「良かったわね!初めてのお友達出来たじゃない。」
『……うん。』
「お父さん、遊んできても良い?」
「あまり遠くに行くなよ?」
「はぁい!奏行こう!」
一也に手を繋がれ、困惑した様に母へと顔を向ける。
「…遊んでらっしゃい」
そう優しく言われ、奏は表情をパァッと明るくし勢いよく頷いた。
走り行く小さな子供達を見送り、奏の母はホッと安心した。
「…一也君が仲良くしてくれて本当に助かります。」
「いやいや、うちも助かりますよ。」
「…あの子はーーーー」
告げられた言葉に一也の父は目を見開いた。
next