初めての感情
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葛西に連れて行かれる奏を見送ってから俺は先輩達に視線を戻した。
ホッと安心してる先輩達に俺自身でも分かるぐらいに冷たい視線だったと思う。
……安心してんじゃねぇよ。
俺がいなかったらアイツは…奏は今頃、頭にボールを受けてたんだ。
ふと先程の事を思い出す。
俺は葛西と一緒に奏を見ていたんだ。
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
「あ、奏ってば移動してる。」
「んー?あそこなら良く見えるからじゃね?」
「でも、あの位置危ないよ。あそこでキャッチボールしてる先輩達の1人はコントロールが破壊的だからね。」
「お前、案外ヒドいよな。」
「御幸程じゃないわ。一応声掛けてきたら?」
「そうする。」
そう言って俺は奏の方へ歩き出す。
だけど、視界に移ってきた先輩達の動きでそれは駆け足へと変わっていった。
「(…本気で投げんな!アイツがいる事に気付けよ!!)」
案の定、そのボールは相手の先輩からズレてスピードを出したまま奏に一直線。
気付いた先輩達が声を張り上げる。
アイツも気付いて、しゃがみ込んだのが見えたけどボールは軌道を変えた。
「(おいおい!フォークかよ!?)奏!!」
間に合え!
素早く体を抱き込み、向かってきたボールをミットに収めた。
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
「(少しは反省してもらわねぇとな。)先輩達、何してんすか。」
「…み、御幸……」
「俺らはただキャッチボールしてただけだろ!」
「キャッチボール?あらぬ方向に飛んでキャッチ出来ない上に一般人に当たりそうなのがキャッチボール?コントロール無いんですから違う場所でやってください。」
俺が言えば、先輩達は顔を真っ赤にして怒る。
「今、葛西が報告してますからね。」
そこへ監督の怒声が響く。
先輩達は顔色を赤から青に変えた。
監督の元へ駆けていく背を見て、俺も奏の元へ向かった。
「(アイツ大丈夫だと良いけど…。)」
奏を抱き締めた時の感触は柔らかかったなぁ。
…って俺もクラスの奴と変わらねぇか。
「御幸!」
「おー、無事か?」
「どこも怪我してないってよ。」
「なら良いよ。」
手を軽く引っ張られる。
奏は座ってるから必然的に俺が見下ろす形となってるので、出来るだけ優しく聞いた。
「どうした?」
『…あ、あのね…』
「ん?」
『…助けてくれて…有り難う』
初めて一緒に遊んだ時と同じ様に、フワリと微笑む奏。
胸がドキリとし、顔が赤くなる。
俺は誤魔化す様に奏の頭を撫でた。
…隣に葛西いるの忘れてた。
「…んだよ。」
「むふふ。」
ニヤニヤしてる葛西にイラッとしたのは言うまでもない。
ゴン!
「いったぁー!何すんのよ!!」
「悪い、手が滑った。」
「コノヤロウ…!!奏ー、あのね御幸がねーむぐっ」
「もう一発いくか?」ギロッ
「ご、ごめんなさい…(イケメンが睨むと怖っ…)」
『なぁに?どうしたの??』
「何でもねぇよ。ほら帰るぞ。」
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ホッと安心してる先輩達に俺自身でも分かるぐらいに冷たい視線だったと思う。
……安心してんじゃねぇよ。
俺がいなかったらアイツは…奏は今頃、頭にボールを受けてたんだ。
ふと先程の事を思い出す。
俺は葛西と一緒に奏を見ていたんだ。
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「あ、奏ってば移動してる。」
「んー?あそこなら良く見えるからじゃね?」
「でも、あの位置危ないよ。あそこでキャッチボールしてる先輩達の1人はコントロールが破壊的だからね。」
「お前、案外ヒドいよな。」
「御幸程じゃないわ。一応声掛けてきたら?」
「そうする。」
そう言って俺は奏の方へ歩き出す。
だけど、視界に移ってきた先輩達の動きでそれは駆け足へと変わっていった。
「(…本気で投げんな!アイツがいる事に気付けよ!!)」
案の定、そのボールは相手の先輩からズレてスピードを出したまま奏に一直線。
気付いた先輩達が声を張り上げる。
アイツも気付いて、しゃがみ込んだのが見えたけどボールは軌道を変えた。
「(おいおい!フォークかよ!?)奏!!」
間に合え!
素早く体を抱き込み、向かってきたボールをミットに収めた。
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「(少しは反省してもらわねぇとな。)先輩達、何してんすか。」
「…み、御幸……」
「俺らはただキャッチボールしてただけだろ!」
「キャッチボール?あらぬ方向に飛んでキャッチ出来ない上に一般人に当たりそうなのがキャッチボール?コントロール無いんですから違う場所でやってください。」
俺が言えば、先輩達は顔を真っ赤にして怒る。
「今、葛西が報告してますからね。」
そこへ監督の怒声が響く。
先輩達は顔色を赤から青に変えた。
監督の元へ駆けていく背を見て、俺も奏の元へ向かった。
「(アイツ大丈夫だと良いけど…。)」
奏を抱き締めた時の感触は柔らかかったなぁ。
…って俺もクラスの奴と変わらねぇか。
「御幸!」
「おー、無事か?」
「どこも怪我してないってよ。」
「なら良いよ。」
手を軽く引っ張られる。
奏は座ってるから必然的に俺が見下ろす形となってるので、出来るだけ優しく聞いた。
「どうした?」
『…あ、あのね…』
「ん?」
『…助けてくれて…有り難う』
初めて一緒に遊んだ時と同じ様に、フワリと微笑む奏。
胸がドキリとし、顔が赤くなる。
俺は誤魔化す様に奏の頭を撫でた。
…隣に葛西いるの忘れてた。
「…んだよ。」
「むふふ。」
ニヤニヤしてる葛西にイラッとしたのは言うまでもない。
ゴン!
「いったぁー!何すんのよ!!」
「悪い、手が滑った。」
「コノヤロウ…!!奏ー、あのね御幸がねーむぐっ」
「もう一発いくか?」ギロッ
「ご、ごめんなさい…(イケメンが睨むと怖っ…)」
『なぁに?どうしたの??』
「何でもねぇよ。ほら帰るぞ。」
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