あれから２ヶ月が経った。
ユキは飲み込みが速いため、外出を許されたのだ。




「１人じゃ危ないから、近くに住んでるアルレルトさんの所行きましょう。」
『アルレルトさん？』
「ユキと同い年の子がいるの、その子と出掛けて欲しいのよ。」
『分かりました。』
「……敬語。」
『あ……分かった。』
「よし！」



ソニアと家族になる上での取り決めとして、敬語をなくす事を決められたがどうしても敬語が抜けない。




アルレルト家前ー



コンコン


「アルレルトさん、ソニアです。 」
「ソニアさん、どうしました？」
「アルミン君いますか？」
「ちょっと待ってて下さい。」



老人が呼んできたのは金髪碧眼の少年。



「ソニアさん、こんにちは。」
「こんにちは。良ければ、この子と遊んでくれ
ない？」



アルミンside



ソニアさんの後ろから出て来たのは、僕と同い年だろう女の子。
一言で表すなら綺麗な子だ。



『は、初めまして……ユキです。』
「初めまして、アルミン・アルレルトです。」
「ソニアさんによく似てるな。」
「あらー、目元は夫に似てるって言われますよ？」
『（……いや、似てるって言われたの今日初めて…というか、今まで外出てないし。）』



彼女の口元が引きつってるのが分かる。

とりあえず僕は本をもって、彼女の手を引いて外へ出た。
だって、２人共話長引きそうだし。




『ま、待って…何処へ行くの？』
「川の近くに行こう、そこで色々お話するんだ。」
『…お話？』
「うん！」



町並みを抜けて、目的の場所で座る。
ユキが僕の手元の本に気がついた。



『それ、なぁに？』
「これはね、外の事が書いてあるんだ！」
『……外？』



興味を示してくれたのが嬉しくて僕は、外の事をたくさん話した。



『……み……』
「？」
『アルミン…君が言ってるのって……』
「アルミンでいいよ。」
『ありがと………アルミンの話だと、それは海や砂漠の事だよね？』




僕は本当に驚いた。
ユキはまるで知ってるかの様に話してくれる。

それ以上に笑わないでいてくれる。




「…ユキは見たことあるの？」
『…ううん、ないよ…』



その時の彼女はとても悲しそうだった。




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