初陣
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ユキ、エレン、アルミンは中衛部。
ミカサは腕を買われ精鋭率いる後衛部に配属された。
「…ユキ大丈夫?」
ミーナが下を向いたままのユキの顔を覗き込んだ。
『(…大丈夫…ありがとうミーナ。)』
「!…今のは私も分かったわ!!」
「無茶しないでくれよ…?」
『(アルミン、さっきはありがとね。もう大丈夫…)』
震えてる己より自分を心配してくれるアルミンに微笑み、その隣にいるエレンには真剣な眼差しを向けた。
『(…エレン、調査兵団に行くなら此処で立ち止まれないよ。)』
「(…そうだな。)…アルミン、こりゃあ良い機会だと思わねぇか?調査兵団に入団する前によ、この初陣で活躍しとけば俺達は新兵にして…スピード昇格間違いなしだ!!」
「…!!あぁ、間違いない。」
「言っとくけど2人共、今期の調査兵団志願者はいっぱいいるんだから!!」
エレン率いる34班は多少なりとも緊張が解れたのか、誰が巨人を多く仕留めるか勝負だ。などと話していた。
ユキは、口元に笑みを浮かべエレンの肩を叩いた。
トンッ
「ユキ?」
『(私は声が出ない。)』
「分かってる。だから…」
『(だから、私は私なりの伝え方で皆に伝えるわ。)』
「…お前…。」
『(いつまでも頼ってばかりもいられないしね。)』
そんなユキを見ながらアルミンは5年前、避難してきたばかりの時を思い出した。
5年前ー
「良かった!目が覚めたんだね!!」
『……っ?』
「どうしたの?喉痛い?」
『……!』
一生懸命に口を動かすが、声にはならない。
現状に気付いたアルミンの両親が駆け寄ってきた。
「ユキちゃん?声は聞こえる?」
『…コクン』
「……声が出ないのか…!」
「…え……?」
「アルミン……彼女はきっと酷く辛い体験をしたんだ、その精神的ショックで声が出ないのかもしれない。」
「だって……逃げる時までは出てたんだよ?」
声が出ない本人よりもアルミンの方が泣きそうになっている。
『(アルミン……ごめんね、話せなくなっちゃった……ごめん………ごめんね。)』
いつも聞いていた柔らかい声は聞こえない。
あの時、奴が現れなければ由紀の声は出ていたのに…。
そんな思いから見ていられなくなり背を向けた。
「アルミン!ユキ目が覚めたのか?」
「エレン……ミカサ…」
「……アルミン?」
「…ユキは……ソニアさんを失ったショックで声が出ないんだ!」
ソニアが死んだのとユキの状態に、エレンとミカサも目を見開いた。
困ったように笑うユキの肩をエレンは強く掴んだ。
「……俺達が、お前の言葉を伝えてやる。」
『!?』
「…エレンの言うとおり……私達がいる。アルミン…あなたがそんな調子じゃ…ユキが不安になる。」
ミカサに叱咤され、唇を噛み涙を拭ってユキに向き直った。
「僕が………」
ーーーーーーー
ーーーーー
ーー
「伝えられないことは僕が声となって伝える。」
あの日の言葉をもう一度口に出した。
ユキは目を細め頷いた。
『(伝える事が難しい時はアルミンにお願いします。)』
全員が決意を固め、前へ踏み出した。
「34班前進!!行くぞ!!」
「おおぉぉぉ!」
屋根を蹴り、立体機動を使って移動する。
見えたのは沢山の巨人。
「俺達、中衛まで前衛に駆り出されてる!?」
「巨人がもうあんなに…」
「何やってんだ、普段威張り散らしている前衛の先輩方は…」
「まだ殆ど時間が経ってないのに…」
「前衛部隊が総崩れじゃないか。」
ユキが何かに気付きエレンに合図を送った。
『(エレン!!)』
「奇行種だ!!」
「「!!?」」
「避けろっっ!!」
身体を捻り、別の屋根へ飛び移る。
奇行種が建物にぶつかり顔をあげると……
「!!」
「うっ……!?」
『(トーマス!!)』
「ト…トーマス!!」
奇行種の口に捕らわれていたトーマスは喰われてしまった。
その奇行種は踵を返し移動。
「待ちやがれ!!」
「エレン!!」
「よせ!単騎行動はー」
『(下にもう1体いるわ!!)』
エレンの真下に別の巨人が口を開け向かってきている。
間一髪避けたと思われたが、無惨にもエレンの左足は膝から下が喰われていた。
「そんな…エレンが……」
「足が……」
「お……おい…ヤバいぞ、立ち止まってる場合か!!」
『(アルミン立って!!)』
エレンの足を喰った巨人は此方へ向かってくる。
ミーナ達は屋根から飛び上がり巨人へ向かっていった。
それを見て、アルミンの腕を引っ張っていたユキもアルミンから手を離し向かう。
「かかれっ!!」
『(!!)』
巨人の行動にいち早く気付いたユキは他の屋根に飛び移り辺りを見回す。
『(ナック!ミリウス、ミーナ!!)』
仲間が次々喰われていく。
ハッとしてアルミンを見ると、彼の近くにも巨人が迫っていた。
next
ミカサは腕を買われ精鋭率いる後衛部に配属された。
「…ユキ大丈夫?」
ミーナが下を向いたままのユキの顔を覗き込んだ。
『(…大丈夫…ありがとうミーナ。)』
「!…今のは私も分かったわ!!」
「無茶しないでくれよ…?」
『(アルミン、さっきはありがとね。もう大丈夫…)』
震えてる己より自分を心配してくれるアルミンに微笑み、その隣にいるエレンには真剣な眼差しを向けた。
『(…エレン、調査兵団に行くなら此処で立ち止まれないよ。)』
「(…そうだな。)…アルミン、こりゃあ良い機会だと思わねぇか?調査兵団に入団する前によ、この初陣で活躍しとけば俺達は新兵にして…スピード昇格間違いなしだ!!」
「…!!あぁ、間違いない。」
「言っとくけど2人共、今期の調査兵団志願者はいっぱいいるんだから!!」
エレン率いる34班は多少なりとも緊張が解れたのか、誰が巨人を多く仕留めるか勝負だ。などと話していた。
ユキは、口元に笑みを浮かべエレンの肩を叩いた。
トンッ
「ユキ?」
『(私は声が出ない。)』
「分かってる。だから…」
『(だから、私は私なりの伝え方で皆に伝えるわ。)』
「…お前…。」
『(いつまでも頼ってばかりもいられないしね。)』
そんなユキを見ながらアルミンは5年前、避難してきたばかりの時を思い出した。
5年前ー
「良かった!目が覚めたんだね!!」
『……っ?』
「どうしたの?喉痛い?」
『……!』
一生懸命に口を動かすが、声にはならない。
現状に気付いたアルミンの両親が駆け寄ってきた。
「ユキちゃん?声は聞こえる?」
『…コクン』
「……声が出ないのか…!」
「…え……?」
「アルミン……彼女はきっと酷く辛い体験をしたんだ、その精神的ショックで声が出ないのかもしれない。」
「だって……逃げる時までは出てたんだよ?」
声が出ない本人よりもアルミンの方が泣きそうになっている。
『(アルミン……ごめんね、話せなくなっちゃった……ごめん………ごめんね。)』
いつも聞いていた柔らかい声は聞こえない。
あの時、奴が現れなければ由紀の声は出ていたのに…。
そんな思いから見ていられなくなり背を向けた。
「アルミン!ユキ目が覚めたのか?」
「エレン……ミカサ…」
「……アルミン?」
「…ユキは……ソニアさんを失ったショックで声が出ないんだ!」
ソニアが死んだのとユキの状態に、エレンとミカサも目を見開いた。
困ったように笑うユキの肩をエレンは強く掴んだ。
「……俺達が、お前の言葉を伝えてやる。」
『!?』
「…エレンの言うとおり……私達がいる。アルミン…あなたがそんな調子じゃ…ユキが不安になる。」
ミカサに叱咤され、唇を噛み涙を拭ってユキに向き直った。
「僕が………」
ーーーーーーー
ーーーーー
ーー
「伝えられないことは僕が声となって伝える。」
あの日の言葉をもう一度口に出した。
ユキは目を細め頷いた。
『(伝える事が難しい時はアルミンにお願いします。)』
全員が決意を固め、前へ踏み出した。
「34班前進!!行くぞ!!」
「おおぉぉぉ!」
屋根を蹴り、立体機動を使って移動する。
見えたのは沢山の巨人。
「俺達、中衛まで前衛に駆り出されてる!?」
「巨人がもうあんなに…」
「何やってんだ、普段威張り散らしている前衛の先輩方は…」
「まだ殆ど時間が経ってないのに…」
「前衛部隊が総崩れじゃないか。」
ユキが何かに気付きエレンに合図を送った。
『(エレン!!)』
「奇行種だ!!」
「「!!?」」
「避けろっっ!!」
身体を捻り、別の屋根へ飛び移る。
奇行種が建物にぶつかり顔をあげると……
「!!」
「うっ……!?」
『(トーマス!!)』
「ト…トーマス!!」
奇行種の口に捕らわれていたトーマスは喰われてしまった。
その奇行種は踵を返し移動。
「待ちやがれ!!」
「エレン!!」
「よせ!単騎行動はー」
『(下にもう1体いるわ!!)』
エレンの真下に別の巨人が口を開け向かってきている。
間一髪避けたと思われたが、無惨にもエレンの左足は膝から下が喰われていた。
「そんな…エレンが……」
「足が……」
「お……おい…ヤバいぞ、立ち止まってる場合か!!」
『(アルミン立って!!)』
エレンの足を喰った巨人は此方へ向かってくる。
ミーナ達は屋根から飛び上がり巨人へ向かっていった。
それを見て、アルミンの腕を引っ張っていたユキもアルミンから手を離し向かう。
「かかれっ!!」
『(!!)』
巨人の行動にいち早く気付いたユキは他の屋根に飛び移り辺りを見回す。
『(ナック!ミリウス、ミーナ!!)』
仲間が次々喰われていく。
ハッとしてアルミンを見ると、彼の近くにも巨人が迫っていた。
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