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ユースタス・キッドに生まれ変わるモブの話(op)

始まり




こんにちは。
モブDです。
本当はもっといい感じの名前があった気がしますが、とんと忘れてしまった上、特に何かを成した人間ではなかった気がするので、とりあえずモブと名乗っておきます。
ちなみにこの口調に特に意味はありません。次辺りで戻っていると思います。

まあ自己紹介はさておき、
突然ですが、俺――


ユースタス・キッドになりました。



初めまして。
年は5つです。◯◯島のスラム…というよりもゴミ山に住んでいます。あの(くそ長い)ルフィ過去編のゴミ山を想像して貰えれば、想像に堅くないと思います。
親はいません。と言うより、覚えていません。多分捨てたんだと思います。知らんけど。

今はこのゴミ山を仕切っている奴らの手伝いをして暮らしています。ノルマ分の物をゴミ山から集めて献上します。そうすると少ないですが飯の配給がされます。大分ブラックな職場環境ですが、俺の命の源です。ノルマを達成し‘’良い”人間にさえ取り入れればそこそこ可愛がってもらえるので思いの外過ごしやすいです。
ノルマは日によって変わりますが、ゴミ山を漁ったり、転がっている死体から剥ぎ取ったり、切り取ったりして回収します。
最初はマジで?死んどるやん。卍?とビビり倒しましたが、あっやんねぇと死ぬわコレと気づいてからはあっさりとできました。慣れってスゴイ。

住まいはまあ適当に、住人の居なくなった場所を使ったり、磁力でいい感じに作ったりして、定期的に場所を変えつつ過ごしています。(場所を変えないと襲われる危険性があるそうです。知らんけど。)
ちなみに悪魔の実の能力は初めから使えていました。いつ食べたかは俺にはわかりません。まあまだ自分を中心に微弱で斥力――反発の磁力しか作れないので、ただの一般人に変わりありませんが。当然覇気も使えません。
最初はチート能力ほ゛し゛い゛!!!(楽に)生きだいっ!!!と咽び泣きましたが、死んだ記憶もあやふやな上よくある神様にも会っていないので無いのも理解できます。許しはしません。

長々とお話ししましたが、そんな感じでノルマをこなして飯を食らいつつ、趣味の読書(ぼろぼろ)と機械いじり(有り合わせ)もしつつ、たまに危ない目に合いながらもどうにかこうにか生活し、早2年が経ちました。


――が、そろそろ終いのようです。


「ふ、ふざけんじゃねぇぞ!!お前は俺に使われるだけのkidガキだろうが!!」

彼は先程説明したここいらを仕切っている奴らのボスです。
今は血だらけで多少骨が歪んではいますが、普段は小物ながらも悪として貫禄のある顔の人です。

「ああ、俺を使ってくれてどうもありがとう。アンタが間抜けだったおかげで俺はここまで来ることができた。アンタには礼一つじゃ足りないよ。」

「だから」

…でした。

「この釘はサービスだ。」






パンッ


と音がして、男の頭蓋に釘が打ち込まれた。
何てことはない。ただ釘をダーツのように投げただけだ。磁力つきで。
練習して磁力の強さも上げれるようになったが、やはり調整がまだ弱いな、と頭からかかった返り血に思う。
雑に拭って髪をかき上げれば、余計に血の香りがした。

「血ぃくっさ…だっっっる……。」

つい口に出るのも仕方がない。
だってここまで来る準備に色々と苦労したのだ。ほんと疲れた。しかもようやく殺せはしたけど臭いし、ベトベトだし、だるいし。
これから小さなこの島を仕切っているギャング(詳細調査済)の頭に会わなくてはならないのだ。全く面倒極まりない。だるい。

だが、何と言おうともここでのkidは終わりだ。まあつけられた名前通りまだまだガキではあるが、ここいらで得られる知識や技術はあらかた手にいれてしまった。
さっさと死体をギャングの頭に小船と交換してもらって、海に出よう。
…まあ、要は交換条件だ。このボスをギャングの頭が殺したがってると盗み聞きした俺は速攻で交渉しにいったのだ。
ちなみに船旅の道具や知識はもちろん準備済みだ。どこぞの主人公とは違うんですよ。用意が良いね。

あ、そう言えば忘れていたが、キラーには既に会っている。スラムではなく普通の町の子供らしかった。
色々あってある程度懐かれてはいるが、想像よりも大分純真でピュアピュアだったのでこの島に置いていくことにした。だってあまりにも原作からかけ離れてたし…人違いかもしんないじゃん…。
この事はキラーに伝えてないが、まあ多分大丈夫だろう。どうせ朝には噂になっているだろうし。多分大丈夫。知らんけど。





こんにちは。
久しぶりですね。
あの島を出てから5年が経ち、俺は12歳に成りました。
色々と忙しない毎日を送っていたので、時間の流れを早く感じます。…うん…ほんとに……。

ですがそのおかげで、本来の最優先目標だった船内の役割を一通り体験することができました。勿論原作主要キャラのような完璧な技術はありませんが、船の修理、航海術、料理、応急処置、処世術…南の海を一人旅するのに問題ないくらいには。
その上、実践による戦闘のおかげで経験も積め、能力の単純な強さは大きく上がりました。…うん……そのおかげでね…はは…。
ちなみに覇気はまだ一切感じられません。多分まだまだ経験が足りないんだと思います。チート能力ほぴい。

航路は南の海をうろうろするような感じでした。赤い大陸――偉大なる航路の入り口には近づかず、本を読んだり、行商の真似事をしたり、武器の改造をしたり、利益があった時は人助けや奴隷を解放したり、海軍、商人、島長、スラムの頭等、色んなパイプを作ったりしていました。
他には、口封じに襲ってきたギャングを殺して武器を奪ったり、子供だからと襲ってきたチンピラを伸したり、子分が殺られたといきり立つ親玉を殺したり、襲ってきた海賊を殺して奪った船を売ったり、撃たれたり、切られたり、ギャングを潰したり、チンピラを殺したり、海賊を沈めたり……うん……。
まあ…全部正当防衛だし…一応…。うん……。

今は生きているのでいいですが、少なくとも三回以上は死にかけました。ちなみに傷の原因の8割は銃です。弾速が速すぎて今の俺では反発できません。むり。銃きらい。


長々と話を続けましたが、そろそろ次の目標について話したいと思います。前回の目標は、船旅に必要なスキルを得るでした。

次の目標は、能力強化です。
今の威力では船一隻程度なら持ち上げられますが、威力が上がった分いかんせん緻密さに欠けます。主に強くしすぎてしまい、船底に穴を開けたこともありました。マジであっ死んだと思いました。

ついでにこの能力の上限やらいろいろ調べたいですし、思いの外楽しかった武器の改造もしたいです。
そんな私欲…ではなく目標のため、それをするのに有益な場所へと俺は船を進めています。


そう、


「……久しぶりに帰ってきたな。」


いわゆる、帰郷ってやつです。


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