ギムレット(🍒🎐)
「私、大人になったら夏鈴ちゃんと結婚する〜」
「ありがとうな〜そしたら守屋ちゃんが大人なレディーになったら迎えに行くな」
大阪から来たという優しくてふわふわした雰囲気の歳上のご近所さんに私は一瞬で恋に落ちた
それからは子供の私に付き合って色々と遊んでくれた
夏鈴ちゃんは妹と遊んでるみたいな感じだったのかな
今になってもわからないけど、私はデートだ!って張り切ってオシャレもしていたし、バレンタインのチョコも作ったりした
私が中学生の頃に、夏鈴ちゃんは「やりたい事が決まった」と言って遠くの学校に行ってしまった
もちろん寂しくてたまらなかったけど平気だった
だって、大人なレディーになれたら夏鈴ちゃんは迎えに来てくれるんだって信じていたから
それから何年か経って私も大学生になった
夏鈴ちゃんが来てくれることを信じて色んなことを頑張った
いつでもお弁当を作れるようにお料理も頑張ったし、かわいいって褒めてもらえるようにメイクも勉強した
お勉強は……いつまでたっても苦手だったけど何とか大学に入ることもできた
色んな人から告白されることも増えたし素敵な女性に近づけたのかなって思ってた
もちろん、夏鈴ちゃんのことを忘れることはできなかったから告白は全部断ってたけど
……でも夏鈴ちゃんが会いに来てくれたことはなかった
大学生活は晶保と一緒だったし楽しいこともたくさんあった
3年生になって、友達からオススメされて出たミスコンでも優勝することもできた
きっと夏鈴ちゃんのために頑張ったから優勝できたんだよね?
晶保もすごく喜んでくれてたから自信もついた
ミスコンに出てから今まで以上にたくさん声をかけられるようになったし、打ち上げにもにて欲しいって誘われたりもした
あんまり打ち上げとか飲み会は好きじゃないから参加してなかった
でも、主役が来ないと始まらないよ!って言われちゃったし、それに打ち上げに行くのも大人になるためには必要かなって思ったから行ってみることにした
「麗奈ちゃん、ほんっと可愛いよねー!一緒に飲めて幸せだもん」
「え〜そうですか〜?」
うん、すごくつまらなかった
距離感も近いし、苦手なお酒もたくさん飲まされちゃうし
晶保と一緒にごはんに行けばよかったなぁって思ったりしてたら、段々眠くなってきちゃって……
「麗奈ちゃん、酔い潰れちゃった?そしたら、俺の家で寝かせたげるよ」
「ちょっと、その手離して貰えます?」
「は?こっちは楽しくやってるんだから邪魔しないでもらえますかー?」
「いや、麗奈のことを迎えに行くって約束しとったから。しつこく絡まんでくれます」
ぽやーっとした意識の中で最後に聞こえたのは
「麗奈、帰るよ」
昔聞き慣れた何よりも落ち着ける声だった
「んー……えっ!ここどこ!」
お酒を思ったよりも飲みすぎちゃったのかな
頭がんがんして痛い
お水を飲もうと思って目を開けたら知らない部屋だった
「お水、のむ?」
ダボっとしたスウェットを着た夏鈴ちゃんは浄水器からお水をいれてくれていた
「大人なレディーはお酒にのまれへんよ」
頭を優しく撫でてくれたけど声は少しだけ怒っていて、目を見るのが少しだけ怖かった
夏鈴ちゃんが約束を覚えてくれたのは凄く嬉しかった…けど
「ごめんね…私、まだまだ約束守れなかった」
夏鈴ちゃんは真剣な目で怒っていた
約束を守れていなかったのは私の方なのに、勝手にムカムカしちゃってた
「ちゃうよ」
そう言うとベッドから立ちあがろうとした私の腕を掴んで、優しい目で見つめ直してくれた
「麗奈ちゃんが私のところに戻ってくれるって信じて呑気に待ってるだけじゃあかんなって今さら気がついた」
「大人なレディーになるまでも私に守らせて」
「…うん!」
何年も待ち続けていた言葉は、少しだけ違ったけど何よりも何よりも嬉しかったんだ
~~~~~~~~
「ねえ、また麗奈って呼んでよ」
「え、いや、それは流れがあったから…」
「えー、夏鈴ちゃん、言い訳は大人じゃないよ!」
「ありがとうな〜そしたら守屋ちゃんが大人なレディーになったら迎えに行くな」
大阪から来たという優しくてふわふわした雰囲気の歳上のご近所さんに私は一瞬で恋に落ちた
それからは子供の私に付き合って色々と遊んでくれた
夏鈴ちゃんは妹と遊んでるみたいな感じだったのかな
今になってもわからないけど、私はデートだ!って張り切ってオシャレもしていたし、バレンタインのチョコも作ったりした
私が中学生の頃に、夏鈴ちゃんは「やりたい事が決まった」と言って遠くの学校に行ってしまった
もちろん寂しくてたまらなかったけど平気だった
だって、大人なレディーになれたら夏鈴ちゃんは迎えに来てくれるんだって信じていたから
それから何年か経って私も大学生になった
夏鈴ちゃんが来てくれることを信じて色んなことを頑張った
いつでもお弁当を作れるようにお料理も頑張ったし、かわいいって褒めてもらえるようにメイクも勉強した
お勉強は……いつまでたっても苦手だったけど何とか大学に入ることもできた
色んな人から告白されることも増えたし素敵な女性に近づけたのかなって思ってた
もちろん、夏鈴ちゃんのことを忘れることはできなかったから告白は全部断ってたけど
……でも夏鈴ちゃんが会いに来てくれたことはなかった
大学生活は晶保と一緒だったし楽しいこともたくさんあった
3年生になって、友達からオススメされて出たミスコンでも優勝することもできた
きっと夏鈴ちゃんのために頑張ったから優勝できたんだよね?
晶保もすごく喜んでくれてたから自信もついた
ミスコンに出てから今まで以上にたくさん声をかけられるようになったし、打ち上げにもにて欲しいって誘われたりもした
あんまり打ち上げとか飲み会は好きじゃないから参加してなかった
でも、主役が来ないと始まらないよ!って言われちゃったし、それに打ち上げに行くのも大人になるためには必要かなって思ったから行ってみることにした
「麗奈ちゃん、ほんっと可愛いよねー!一緒に飲めて幸せだもん」
「え〜そうですか〜?」
うん、すごくつまらなかった
距離感も近いし、苦手なお酒もたくさん飲まされちゃうし
晶保と一緒にごはんに行けばよかったなぁって思ったりしてたら、段々眠くなってきちゃって……
「麗奈ちゃん、酔い潰れちゃった?そしたら、俺の家で寝かせたげるよ」
「ちょっと、その手離して貰えます?」
「は?こっちは楽しくやってるんだから邪魔しないでもらえますかー?」
「いや、麗奈のことを迎えに行くって約束しとったから。しつこく絡まんでくれます」
ぽやーっとした意識の中で最後に聞こえたのは
「麗奈、帰るよ」
昔聞き慣れた何よりも落ち着ける声だった
「んー……えっ!ここどこ!」
お酒を思ったよりも飲みすぎちゃったのかな
頭がんがんして痛い
お水を飲もうと思って目を開けたら知らない部屋だった
「お水、のむ?」
ダボっとしたスウェットを着た夏鈴ちゃんは浄水器からお水をいれてくれていた
「大人なレディーはお酒にのまれへんよ」
頭を優しく撫でてくれたけど声は少しだけ怒っていて、目を見るのが少しだけ怖かった
夏鈴ちゃんが約束を覚えてくれたのは凄く嬉しかった…けど
「ごめんね…私、まだまだ約束守れなかった」
夏鈴ちゃんは真剣な目で怒っていた
約束を守れていなかったのは私の方なのに、勝手にムカムカしちゃってた
「ちゃうよ」
そう言うとベッドから立ちあがろうとした私の腕を掴んで、優しい目で見つめ直してくれた
「麗奈ちゃんが私のところに戻ってくれるって信じて呑気に待ってるだけじゃあかんなって今さら気がついた」
「大人なレディーになるまでも私に守らせて」
「…うん!」
何年も待ち続けていた言葉は、少しだけ違ったけど何よりも何よりも嬉しかったんだ
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「ねえ、また麗奈って呼んでよ」
「え、いや、それは流れがあったから…」
「えー、夏鈴ちゃん、言い訳は大人じゃないよ!」
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