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ルゥマ×女ドクター 詰め (テクノロイド)

「美味しい…!新発売の抹茶ラテ、並んで買ったかいがありましたね」
「そうですねぇ、限定50個と聞いた時は焦りましたが、無事買えて何よりです」

秋から冬に移ろうとしているある日、僕達は限定の抹茶ラテを買いに偶然鉢合わせ、そのまま共に行動することになった。
美味しそうに飲みながら話してくれる彼女に愛しさを思える。

「それにしても、偶然会うなんて。なんて奇遇なんでしょう」
「偶然…必然かも知れませんよ?」
「ほう、それはまた……」
「えへへ、実は抹茶ラテが発売されるって聞いた時、ルゥマさん飲みに来るだろうなーって…密かに思ってたんです」
「なるほど…」

そう苦笑する彼女につられて微笑みながら、僕も飲み物を飲む、口に広がるまろやかな風味に思わず舌を打つ。


「あ」
しばらく談笑していた時、ふと彼女が声を上げた

「おや、どうかしましたか?」
「えっと…この後約束があって、早めに行かないと…」
「なるほど…時間を取らせて申し訳ない」
「いえいえ!デパートの前で待ち合わせなんです、ここから近いですし…」
「そうでしたか、誰かとお買い物でも…?」
「はい、最近知り合った男性と…」
「………男性?」

ふと、そう呟いてしまった。
茶葉のように渋い苦味がcocoroの中で溶け合い、混ざり合う。男性と2人きりでお出かけだろうか?
それは…あまりにも危険ではないだろうか…

「え、あ、はい!ドクター仲間の知り合いです。最近仲良くなったんですよ、それで備品を買いにデパートに行こうって」
「あぁ……そうですか」

ポツリと呟き、宙を漂う視線を彼女に向ける。
見つめられた彼女は不思議そうな、何処か楽しそうな瞳で僕を見るので、表れもしない罪悪感に苛まれる。

「いつか、ドクターくんと2人でお出かけでもしたいですねぇ」
「あ、いいですね!楽しそうです!」

彼女の隣に居れたら、どれだけ幸せな事だろうか。
いつも楽しげに話をしてくれる機会を誰かに奪われると思うとcocoroが痛い、それに彼女の話している男性の事が気になって仕方がない。
こんな感情は初めてだと言うのに…何故か不思議と受け入れている自分もいる。


「あ、じゃあ私はこれで!」
「はい、また会いましょう」


そうモヤモヤとした感情を抱えながら、僕達はその場でお別れをした。


隣に居れたら…なんて考えるのはやめよう、きっと、彼女を傷つけてしまうから。
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