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原神蛍𝖢𝖯(ノーマルのみ)

「……。」
「公子、どうしたの?そんなに悔しそうな表情をして」

私達がフォンテーヌに入って数日がたった頃、休憩に立ち寄ったカフェで公子は思い悩んだ顔をしていた

「何かあったの?…もしかして強い敵に会えなかったとか」
「そんな訳ないだろう相棒!強い敵はフォンテーヌに入ったら沢山増えたし、戦いがいのある敵も増えた」
「それなら何で悩んでるの?」
「………。」

そう問いかけるとまた悩んだ表情で此方を見る、そういえば公子のこんな表情はあまり見た事がない。いつもは楽しそうに笑ってるか、戦いながら笑っているかの2択だから。
私が見つめ返すとハッとした表情で目を見開いたあと、視線を逸らす

「…わ、わかったよ聞きたいんでしょ?」
「えっと、私は何も言ってないけど」
「しょうがないなぁ…」
「(私の話聞いてた?)」

そう視線を逸らしたまま、公子は話し始めた

「フォンテーヌに入って水元素の敵が増えた事はわかってるよね?」
「うん、水の国だから」
「当然その敵とも戦闘になる訳で、いざ戦おう!…と思った時、同元素は無効になるんだって、ふと思い出したんだ。もちろん物理でも行けるけど…皆の役に立てないのは寂しいからね」

戦いが大好きな公子にとってはショックだったのだろう、今までも水元素の敵との戦いはやって来たのだが、フォンテーヌに来てそれがより重く感じられたのだ

「…でも、フォンテーヌは水元素のギミックが多いからその点では役に立ってるよ」
「そうかな?それなら何よりなんだけどさ」
「……うん」

そう自傷気味に笑う公子を見て、私はなにも言えなかった。

「……あのさ」
「なに?」
「相棒は…相棒は俺の事、外したりしないよね」
「…!」

パーティーから外す、その可能性は考えたこともなかった。来てくれた時からずっと共に戦ってきたから。

「…外さないよ」
「本当かい相棒!!」
「わっ、急に立ち上がらないでよ」
「…ありがとう、実はそういうと思ってたんだ」
「わざと聞いたの?」
「あははっ!まぁね」

そう笑顔で微笑む彼に、敵わないなと思った自分であった。
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