師走を過ごそう
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「もぐもぐ、おそばは美味しいなあ」
「おかわりまだありますからね」
「助手おかわり」
「自分で取りに行け」
「知ってたわクソ、ムカデ、おかわりするならついでによそってくるぞ」
「おれはもう終わっとくわ、食器浸しといてくれ」
「へいへい……どっ、こい、しょっと」
「じじくさ」
「うるせえ」
そんな二人のやり取りを微笑ましく思いながら助手が作ってくれた年越しそばを食べる。ハンターがこたつ部屋でも一人で夕飯を食べれるようにと作ってくれた牛乳パック椅子の上に乗りながら。
……にしてもすごいなあ、こんな賑やかな大晦日を過ごせるなんて。
「あー、ヘビ探偵」
「うん?なにかな」
同じく椅子の上に座った向かいのムカデを見る。なんだか歯切れの悪そうな様子だがどうしたのだろうか。
「……お前は本当にお人好しだよ」
「ええと……否定はしないけど急にどうしたの」
「……おれもハンターもお前には感謝してるって話だ」
「え」
「……こんな風に和やかに大晦日が過ごせたのはおれもハンターも初めてなんだ。あの日までまともな人生なんて一生送れないと思ってたのに。
……ヘビ探偵、おれたちに居場所を与えてくれて、全うな仕事を与えてくれてありがとよ。いくら感謝しても足りないくらいだ。あいつは改めて俺から言うのは恥ずかしいからつって伝えるのをおれに全部任せてそばよそいに行ってるけどな」
「そ、そうなんだ」
僕のお節介なんだ、全部。だから二人からは余計なお世話と厄介者に思われこそすれども感謝されることはないと思っていた。
「ヘビ探偵は自分のことを卑下しすぎなんですよ」
横に座る助手が僕の心を見透かすように言った。
「まあもう慣れましたけどね、私も、ハンターもムカデも」
「慣れた慣れた、こっちが死ぬほど恥ずかしい思いで感謝を伝えてもどうせ三割も理解してねえんだろ、割に合わねえよ」
「三割なものか、一割未満だ」
「ふ、二人とも好き放題言いすぎじゃないかなあ!?分かるよ僕だってそれだけ言われたら……!」
「じゃあおれたちがヘビ探偵に何を思ってるか口に出して言ってみろよ」
ぐ、と怯む。頭に浮かぶのはひとつだけどそれを簡単に口に出すことが出来ない。何度か口を開いては閉じる。
「………………か、感謝…………?」
四つの眼にじっと見つめられ、観念して声に出した。
「疑問符はついていますが……ヘビ探偵にしては上出来だからこれで許してやれ」
「そうだな。おいハンター、入ってきていいぞ」
「……あー廊下さむ!おせーよお前ら話伸ばしやがって!そばも伸びるわ!」
「照れ隠しおつ」
「やめろまじで柄じゃねえんだよ」
いそいそとこたつに入るハンターをぽけっと見ていると「……なんだよ」と言われた。
「言わねーぞ俺は。口で言うくらいなら態度で示すわ」
「そういう発言する時点で伝えてるようなもんだけどな」
「だからやめろ!」
すっかりいつものように騒ぎ始める二人に吹き出す。
「ヘビ探偵、そば伸びてしまいましたかね」
「あ、そうだった」
恥ずかしい気分を払うように一息でずるずると麺をすすって、飲み干す。
「おかわり!」
「照れ隠し」
「……うるさい」
この身体の熱は温かいそばのせいだから!
「ヘビ探偵」
助手が部屋を出る後ろ姿を見ているとハンターから名前を呼ばれた。
「ん?」
振り返ると不敵な笑みを浮かべた二人が僕を見ていて、「来年もよろしくな」「よろしく」、なんて言う。
まったく、二人とも笑顔が下手だなあ。
「うん、こちらこそ来年もよろしくね、二人とも」
三十一日目 よいお年を。
「おかわりまだありますからね」
「助手おかわり」
「自分で取りに行け」
「知ってたわクソ、ムカデ、おかわりするならついでによそってくるぞ」
「おれはもう終わっとくわ、食器浸しといてくれ」
「へいへい……どっ、こい、しょっと」
「じじくさ」
「うるせえ」
そんな二人のやり取りを微笑ましく思いながら助手が作ってくれた年越しそばを食べる。ハンターがこたつ部屋でも一人で夕飯を食べれるようにと作ってくれた牛乳パック椅子の上に乗りながら。
……にしてもすごいなあ、こんな賑やかな大晦日を過ごせるなんて。
「あー、ヘビ探偵」
「うん?なにかな」
同じく椅子の上に座った向かいのムカデを見る。なんだか歯切れの悪そうな様子だがどうしたのだろうか。
「……お前は本当にお人好しだよ」
「ええと……否定はしないけど急にどうしたの」
「……おれもハンターもお前には感謝してるって話だ」
「え」
「……こんな風に和やかに大晦日が過ごせたのはおれもハンターも初めてなんだ。あの日までまともな人生なんて一生送れないと思ってたのに。
……ヘビ探偵、おれたちに居場所を与えてくれて、全うな仕事を与えてくれてありがとよ。いくら感謝しても足りないくらいだ。あいつは改めて俺から言うのは恥ずかしいからつって伝えるのをおれに全部任せてそばよそいに行ってるけどな」
「そ、そうなんだ」
僕のお節介なんだ、全部。だから二人からは余計なお世話と厄介者に思われこそすれども感謝されることはないと思っていた。
「ヘビ探偵は自分のことを卑下しすぎなんですよ」
横に座る助手が僕の心を見透かすように言った。
「まあもう慣れましたけどね、私も、ハンターもムカデも」
「慣れた慣れた、こっちが死ぬほど恥ずかしい思いで感謝を伝えてもどうせ三割も理解してねえんだろ、割に合わねえよ」
「三割なものか、一割未満だ」
「ふ、二人とも好き放題言いすぎじゃないかなあ!?分かるよ僕だってそれだけ言われたら……!」
「じゃあおれたちがヘビ探偵に何を思ってるか口に出して言ってみろよ」
ぐ、と怯む。頭に浮かぶのはひとつだけどそれを簡単に口に出すことが出来ない。何度か口を開いては閉じる。
「………………か、感謝…………?」
四つの眼にじっと見つめられ、観念して声に出した。
「疑問符はついていますが……ヘビ探偵にしては上出来だからこれで許してやれ」
「そうだな。おいハンター、入ってきていいぞ」
「……あー廊下さむ!おせーよお前ら話伸ばしやがって!そばも伸びるわ!」
「照れ隠しおつ」
「やめろまじで柄じゃねえんだよ」
いそいそとこたつに入るハンターをぽけっと見ていると「……なんだよ」と言われた。
「言わねーぞ俺は。口で言うくらいなら態度で示すわ」
「そういう発言する時点で伝えてるようなもんだけどな」
「だからやめろ!」
すっかりいつものように騒ぎ始める二人に吹き出す。
「ヘビ探偵、そば伸びてしまいましたかね」
「あ、そうだった」
恥ずかしい気分を払うように一息でずるずると麺をすすって、飲み干す。
「おかわり!」
「照れ隠し」
「……うるさい」
この身体の熱は温かいそばのせいだから!
「ヘビ探偵」
助手が部屋を出る後ろ姿を見ているとハンターから名前を呼ばれた。
「ん?」
振り返ると不敵な笑みを浮かべた二人が僕を見ていて、「来年もよろしくな」「よろしく」、なんて言う。
まったく、二人とも笑顔が下手だなあ。
「うん、こちらこそ来年もよろしくね、二人とも」
三十一日目 よいお年を。