師走を過ごそう
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「これで挨拶周りは終わりかな。お疲れ様助手。色んな人相手して疲れたでしょう、付き合わせてごめんね」
地域に寄り添い活動しているヘビ探偵事務所なので、今年もお世話になりましたという旨でするご近所への挨拶周りは当たり前のことだ。
といっても住宅街と言うほど密集しているような地域でもないためヘビ探偵がそんな申し訳なさそうな顔を浮かべるほど俺が疲労していることはない。確かにいつも決まって野菜をくれる奥さんから長話の気配がしたときはヒヤリとしたが、それもヘビ探偵が察してうまく話を逸らしてくれた。疲れる要素がほぼないではないか。……まあ心配されて悪い気はしないので本当は疲れてない、とは言わないが。
「何言ってるんですか、これも助手の勤めなんですから謝ることはひとつも……そんなものより感謝の言葉を頂きたいところですね」
「……はは、そうだね。ありがとう。助手のおかげでご近所様への挨拶周りが半日で終わったよ。僕だけじゃ2日かけてギリギリくらいなのに、本当に助かったよ」
「まったく、いつも謝罪から始まるのどうにかならないんですか?」
「つい……」
てへ、と言わんばかりの表情に釣られて笑った。
「そうだ、何か買い忘れとかないかな?明日明後日はなるべく外に出たくないからね」
「一応3日までは出掛けなくても保つ予定ですよ。ハンターとムカデが買い出しに行った際のレシート確認しましたから」
「そっか、じゃあ安心そうだね」
「ええ」
凍える風を頬に感じながら事務所への道のりを歩く。
「さっきまで明るかったのに一気に暗くなってきたね。こういうグラデーションも嫌いじゃないけど」
空を見上げ呟くヘビ探偵に倣い俺も見上げてみた。
「星も綺麗だね」
「……そうですね」
「確か夏も星を見たよね、覚えてる?」
覚えてるも何も、俺もちょうど思い出していましたよ、なんて。
「……そんなこともありましたね」
気取っているようで、言えなかった。
「明日は大晦日だね」
「ええ」
「年越しおそば茹でて、テレビだらだら見ながらみんなで食べようね」
「そうですね」
「……僕ね、誰かと年を越すのは初めてなんだ。だから、実は朝からそわそわしてる」
「ははっ!嘘でしょう?大晦日はまだ明日ですよ?ヘビ探偵」
「分かってるよ?でもそれくらい楽しみなんだ。
……助手、ちゃんと起きた状態で僕と一緒に年を越そうね」
「それはこちらの台詞ですが?今日の朝からその調子では大晦日の夜寝てしまいそうですけどね。だからヘビ探偵こそ、きちんと起きていてくださいよ」
誰かと年を越すのは、俺だって初めてなのだから。
三十日目 刹那に変わる空模様を見上げながら帰ろう
地域に寄り添い活動しているヘビ探偵事務所なので、今年もお世話になりましたという旨でするご近所への挨拶周りは当たり前のことだ。
といっても住宅街と言うほど密集しているような地域でもないためヘビ探偵がそんな申し訳なさそうな顔を浮かべるほど俺が疲労していることはない。確かにいつも決まって野菜をくれる奥さんから長話の気配がしたときはヒヤリとしたが、それもヘビ探偵が察してうまく話を逸らしてくれた。疲れる要素がほぼないではないか。……まあ心配されて悪い気はしないので本当は疲れてない、とは言わないが。
「何言ってるんですか、これも助手の勤めなんですから謝ることはひとつも……そんなものより感謝の言葉を頂きたいところですね」
「……はは、そうだね。ありがとう。助手のおかげでご近所様への挨拶周りが半日で終わったよ。僕だけじゃ2日かけてギリギリくらいなのに、本当に助かったよ」
「まったく、いつも謝罪から始まるのどうにかならないんですか?」
「つい……」
てへ、と言わんばかりの表情に釣られて笑った。
「そうだ、何か買い忘れとかないかな?明日明後日はなるべく外に出たくないからね」
「一応3日までは出掛けなくても保つ予定ですよ。ハンターとムカデが買い出しに行った際のレシート確認しましたから」
「そっか、じゃあ安心そうだね」
「ええ」
凍える風を頬に感じながら事務所への道のりを歩く。
「さっきまで明るかったのに一気に暗くなってきたね。こういうグラデーションも嫌いじゃないけど」
空を見上げ呟くヘビ探偵に倣い俺も見上げてみた。
「星も綺麗だね」
「……そうですね」
「確か夏も星を見たよね、覚えてる?」
覚えてるも何も、俺もちょうど思い出していましたよ、なんて。
「……そんなこともありましたね」
気取っているようで、言えなかった。
「明日は大晦日だね」
「ええ」
「年越しおそば茹でて、テレビだらだら見ながらみんなで食べようね」
「そうですね」
「……僕ね、誰かと年を越すのは初めてなんだ。だから、実は朝からそわそわしてる」
「ははっ!嘘でしょう?大晦日はまだ明日ですよ?ヘビ探偵」
「分かってるよ?でもそれくらい楽しみなんだ。
……助手、ちゃんと起きた状態で僕と一緒に年を越そうね」
「それはこちらの台詞ですが?今日の朝からその調子では大晦日の夜寝てしまいそうですけどね。だからヘビ探偵こそ、きちんと起きていてくださいよ」
誰かと年を越すのは、俺だって初めてなのだから。
三十日目 刹那に変わる空模様を見上げながら帰ろう