師走を過ごそう
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「あ」
「あ」
ばったりと宝くじ売場の前で無職に会った。
「……年末ジャンボ?」
「……年末ジャンボ」
「だよな」
「連番?」
「バラ」
「だよな!」
声が大きくなったことにはっとして、こほんとわざとらしく咳払いをし誤魔化す。
分かる、その気持ちは大いに分かる。周りに宝くじの良さが分かるやつがいないとそうなるよな。
良さどころか馬鹿にしてくる奴らしかいないからな。
……ヘビ探偵ならまだ理解を示してくれるかもしれないがそんなことを教えた日にゃああの過保護な助手に何されるか分かったもんじゃないからな。
「いくらまで当たった」
「最大一万」
「ふん、俺は五万だ」
「まじかよ」
うわドヤ顔うぜえ。
「そういやムカデは許すのか?」
列に並びながら話しかけられる。顔見知りなのに離れて並ぶのもなんとなく気まずいし話せないほど知らない間柄でもないので俺も普通に答えようと口を開く。
「いや、バレたらやばいだろうな。家に入れてもらえないまである」
「がはは、だろうな」
「年末年始の楽しみなんだよ、やめられるかってんだ。つかお前も無職のくせに宝くじ買うのかよ、余裕あんのか?」
「お前と同じように俺も年末の楽しみにしてんだよ、ほっとけ」
「そーかよ」
そうこう話しているうちに順番が周り、お互いが宝くじを購入する。……頼むぞ、一等が当たれとは言わない。せめて無職に並ぶ五万は……!そう念じながら購入したくじを握り締めた。
「何枚買ったんだ」
買い終わった無職が話しかけてくる。
「50枚」
「なんだ、同じか」
と、俺のスマホに着信が入る。助手からだ。
『もしもし、ハンター?』
「……ヘビ探偵?」
この声はヘビ探偵だ。スマホを借りているのだろう。
『うしろ、みて』
「うしろ……?」
振り返ると向こうからヘビ探偵を肩に乗せた助手が歩いてきているのが見えた。
『無職も一緒なんだね、珍しい。たまたまかな?』
「ああ、まあ」
『ふうん』
『あそこにあるの宝くじ売場ですね、そこで鉢合わせでもしたのでしょう』
『へえ、そうなのハンター』
「……おう」
やばい。こいつらに知られてしまった。こいつらからムカデにチクられてしまったら……。
「あはは、ムカデには内緒でしょ、分かってるよ。やっほー無職。外で会うのは随分と久しいね」
「確かにそうだな」
冷や汗をかいてどう口止めするか考えている間に二人は歩み寄ってきていた。
「宝くじを買うくらいですから職は見つけたんですよね?」
「うるせえお前は会うたびいつもそれだ」
「やれやれ、これでも心配しているつもりなのですが」
「もう騙されんぞお前のその顔は馬鹿にしている顔だ!」
「こらこら、往来で大きい声出しちゃ駄目だよ。ああそうだ、二人ともそこでお茶でもどうかな?せっかくたまたま外で会ったことだしね」
「お前がどうしてもと言うなら付き合ってやらんでもない」
「調子に乗るな無職風情が」
「どうどう落ち着いて。じゃあどうしてもだから一緒に行こうよ。ハンターもくるよね?」
「あ?……」
ちらり、“そこ”と言われた場所を見る。
……いや、あれは……。
「あそこお洒落なとこじゃねえか、俺みたいなやつは場違いだろ……」
「えー、じゃあムカデにチクっちゃお」
「行きます行かせていただきます」
「よし、じゃあ行こっか。あそこは僕のお客さんが経営しているとこで美味しいんだよ。特にパンケーキ!」
このメンツでパンケーキはキツすぎるだろ。
そう言おうとしてまたチクると言われたら怖いから黙っておこう。
十八日目 男三人とヘビ一匹のパンケーキツアー
「あ」
ばったりと宝くじ売場の前で無職に会った。
「……年末ジャンボ?」
「……年末ジャンボ」
「だよな」
「連番?」
「バラ」
「だよな!」
声が大きくなったことにはっとして、こほんとわざとらしく咳払いをし誤魔化す。
分かる、その気持ちは大いに分かる。周りに宝くじの良さが分かるやつがいないとそうなるよな。
良さどころか馬鹿にしてくる奴らしかいないからな。
……ヘビ探偵ならまだ理解を示してくれるかもしれないがそんなことを教えた日にゃああの過保護な助手に何されるか分かったもんじゃないからな。
「いくらまで当たった」
「最大一万」
「ふん、俺は五万だ」
「まじかよ」
うわドヤ顔うぜえ。
「そういやムカデは許すのか?」
列に並びながら話しかけられる。顔見知りなのに離れて並ぶのもなんとなく気まずいし話せないほど知らない間柄でもないので俺も普通に答えようと口を開く。
「いや、バレたらやばいだろうな。家に入れてもらえないまである」
「がはは、だろうな」
「年末年始の楽しみなんだよ、やめられるかってんだ。つかお前も無職のくせに宝くじ買うのかよ、余裕あんのか?」
「お前と同じように俺も年末の楽しみにしてんだよ、ほっとけ」
「そーかよ」
そうこう話しているうちに順番が周り、お互いが宝くじを購入する。……頼むぞ、一等が当たれとは言わない。せめて無職に並ぶ五万は……!そう念じながら購入したくじを握り締めた。
「何枚買ったんだ」
買い終わった無職が話しかけてくる。
「50枚」
「なんだ、同じか」
と、俺のスマホに着信が入る。助手からだ。
『もしもし、ハンター?』
「……ヘビ探偵?」
この声はヘビ探偵だ。スマホを借りているのだろう。
『うしろ、みて』
「うしろ……?」
振り返ると向こうからヘビ探偵を肩に乗せた助手が歩いてきているのが見えた。
『無職も一緒なんだね、珍しい。たまたまかな?』
「ああ、まあ」
『ふうん』
『あそこにあるの宝くじ売場ですね、そこで鉢合わせでもしたのでしょう』
『へえ、そうなのハンター』
「……おう」
やばい。こいつらに知られてしまった。こいつらからムカデにチクられてしまったら……。
「あはは、ムカデには内緒でしょ、分かってるよ。やっほー無職。外で会うのは随分と久しいね」
「確かにそうだな」
冷や汗をかいてどう口止めするか考えている間に二人は歩み寄ってきていた。
「宝くじを買うくらいですから職は見つけたんですよね?」
「うるせえお前は会うたびいつもそれだ」
「やれやれ、これでも心配しているつもりなのですが」
「もう騙されんぞお前のその顔は馬鹿にしている顔だ!」
「こらこら、往来で大きい声出しちゃ駄目だよ。ああそうだ、二人ともそこでお茶でもどうかな?せっかくたまたま外で会ったことだしね」
「お前がどうしてもと言うなら付き合ってやらんでもない」
「調子に乗るな無職風情が」
「どうどう落ち着いて。じゃあどうしてもだから一緒に行こうよ。ハンターもくるよね?」
「あ?……」
ちらり、“そこ”と言われた場所を見る。
……いや、あれは……。
「あそこお洒落なとこじゃねえか、俺みたいなやつは場違いだろ……」
「えー、じゃあムカデにチクっちゃお」
「行きます行かせていただきます」
「よし、じゃあ行こっか。あそこは僕のお客さんが経営しているとこで美味しいんだよ。特にパンケーキ!」
このメンツでパンケーキはキツすぎるだろ。
そう言おうとしてまたチクると言われたら怖いから黙っておこう。
十八日目 男三人とヘビ一匹のパンケーキツアー