ヘビの命(単発まとめ)
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さて、タイトルからお察しだろうがこれはギャグ……ではなくれっきとした、深刻な、大事件なのである。
――――大型ヘビ
「更にギャグが加速したよ、明らかな人選ミスだよ」
「酷いなあ、ぼくは真面目に言ってるのに!
だってケーキを爆破するなんて心がないよ!あんなに美味しいのに!」
「お前の場合は口に入るものはなんでも美味しいものじゃねえか」
「静粛に!」
カンカン!と裁判官が槌を鳴らすと傍聴人席でガヤを出した大型ヘビを中心としたヘビ達が静まる。
「それではカードバトル裁判エキシビションマッチを開廷します」
「弁護側は傍聴人が騒いでいる間にとっくに準備完了している」
「検察側も同じく準備できています」
「頑張れ傲慢中二サイコ野郎」
「無駄に高性能な知識と悪知恵を今こそ使うときだよ!」
「不死鳥の名を騙る者として負けんじゃねえぞ!」
「勝ちなさい包帯中二男!」
「裁判官、五月蝿いガヤ全員法廷からつまみ出してくれるか」
「同じく集中出来ませんので」
「静粛に、次騒いだら退廷を命じますよ。
……今回の法廷、弁護側検察側共に初出廷のことですね。
基本的な事を理解できているか確認するため簡単に質問をさせていただきます。
最初の質問。検察側に問います。今回の裁判の被告でもあり弁護人でもある人物は誰ですか?」
「それはもちろん……。
……初めまして、かの有名な命の救世主Xと相見えることが出来て光栄です――――ブラックドクター」
胸元に手を添え優雅に頭を下げる包帯の男に傍聴席に座るムカデ裁判メンバーはうげえと顔を歪めた。
「では次の質問は弁護人に問います。検察側の名前をどうぞ」
「あいつの名前なぞ知らん。そういう世界観だからな。白包帯男とでも言えばいいのか」
「いいでしょう。では」
裁判官に対しても変わらないふてぶてしい態度。それに加えて世界観というメタ発言をするブラックドクターに目眩がしながらもヘビ探偵を覗いたヘビの命メンバーは相変わらずの男だと何故か頷いてしまうのであった。
「では証言者であるシェフ、前へ」
「湯けむり温泉旅館でシェフをしているヘビだよ。今日の午前中ぼくはムカデ裁判が大ヒットしたことを記念してケーキを作ったんだ。その証拠は提出済みだよ」
「事前にシェフから預かった証拠カード、ウエディングケーキを両者に渡します」
「昨日は皆知っている通り旅館でヘビの命出演組とムカデ裁判出演組が勢揃いして打ち上げパーティをする予定だったんだ。昼間にはそこの、えーと、白包帯の人以外は旅館に集まっていたよ。それで、ぼくは完成したケーキを食堂に夕方、ヘビ従業員と従業員ちゃん、それからおかみさんに手伝って貰いながら運んだんだよ。で、他の料理も運ぼうと厨房に戻ったら急にバァンッ!って音が後ろ、さっきまでいた食堂の方から聞こえてきたからその場にいたおかみさんたちと慌てて向かったんだ!そしたらさっき運んだばかりのケーキの形がなくなってて、テーブルにクリームとかイチゴとかが散乱しててもう旅館で働いている身からしたら地獄みたいなありさまになってたんだ!
音を聞き付けて旅館に来ていた人達がぞろぞろ集まってきて何が起こったか説明している頃に白包帯の人がきたよ。
散乱したケーキは全部大型ヘビが食べてくれたけど食材を無駄にしようとした犯人は許せないよ。
これでぼくの証言を終わりにするよ」
「それではこの爆破事件の審理を始めます。まずは気訴状の概要から。今シェフから証言の出た通り、爆破されたウェディングケーキを誰が爆破したのか?その犯行が出来るのはかの有名な爆破犯人、命の救世主Xを名乗るブラックドクターしかいないという関係者満場一致の理由から被告となったブラックドクターは有罪か否か。それを討論して頂きます」
「おい探偵気取りのクソヘビ本当に傍観するつもりだな後で覚えてろよ」
「被告もとい弁護人は口を慎んでください。では1ターン目、弁護人の先行からどうぞ。エキシビションなので議題は先行にお任せします」
「適当すぎんだろ」
「カードバトル裁判とかいう公正も何もない中身に加えてここは法廷じゃなくて旅館のロビーだからね、仕方ないよ」
「おまけにここには身内しかいねえしな」
「ロビーに集めるだけ集めて何もしてないもんなお前」
「僕は弁護士でも検事でもなく探偵だから」
「はいはいソーデスネ」
邪魔にならないようひそひそ話す傍聴席を他所に裁判は進行を進める。
「では初めに俺……ブラックドクターが犯人ではない理由を述べさせて貰う。俺が犯人ではない理由……それは実に単純にして明快だ。ケーキを爆破したところでこの俺にメリットが何もない。以上、何か?」
早すぎる!傍聴人の誰もがそう思ったが涼しい顔で検察側の白包帯を巻いた男は答える。
「ええ、ブラックドクターの言う通り。ケーキを爆破したところで彼には何のメリットもない。つまりこのケーキを爆破したのは別の人物、あるいは現象だと言えるでしょうね」
法廷……いや、ロビーがその言葉で静まった。
「……いや肯定してどうするんだ!お前検事役だろうが!」
ツッコミをしないと気が済まないムカデ元弁護士が声をあげ、それに続くように傍聴席からそうだそうだ!と合唱が始まる。
「静粛に!静粛に!」
槌をカンカンカン!と叩くが傍聴席の合唱はやまない。
「うるせえぞぴえんの顔してるくせに!」
「どうやらこれで頭をかち割られたいらしいな!」
槌を持ち傍聴席に飛び込んだ裁判官とムカデ元弁護士が取っ組み合いを初めそれを止めようとする者もいればやれやれ!とガヤを飛ばして賑やかす。もはや元からまともな形を成していなかった裁判は跡形もなく崩れ去りそこにあるのは個性しかない連中が繰り広げる乱闘パーティだった。
「騒がしい連中だ」
「ええ、本当に」
白包帯の男とブラックドクターは離れたところで並び肩をすくませてため息をつく。動作をシンクロさせて。
「どう最近?」
唐突にその足元の間からぴょいんとヘビ探偵が身体を伸ばして入り込んでくるので二人はぎょっとそれぞれが左右にたじろいだ。
「……どうこうもない、勝手にお遊びとは言え犯人扱いしやがって」
「それはごめん、でも余興としては丁度よかったと思うよ」
「余興ですか……まあ間違いではないでしょうね。それで?結局なんでウェディングケーキは爆発したのか貴方ならお分かりなんでしょう?」
冷ややかな二人の視線を浴びながらもヘビ探偵は淡々と、
「ウエディングケーキは始めから爆発なんてしてないよ」
「「は?」」
二人の黒幕は思わず間抜けな声をあげる。
「爆発したのは普通のケーキだよ」
「……なんだと?」
「ウエディングケーキが爆散したらテーブルが汚れるだけで済まないし大型ヘビが10分そこらで食べ終えられるわけないでしょ?」
「……グルは旅館側か」
眉間を抑えながら呻くようにそう言ったブラックドクターにヘビ探偵はからりと笑う。
「七割正解。あと大型ヘビもグルだよ。僕達が初めて一堂に介するんだからそれなりに面白い余興があってもいいんじゃないかと思って。それで人気キャラである君達二人に一枚噛んで貰ったんだ。二人が弁護士と検事をするっていう構図、なかなかよかったと自画自賛してるんだけど、どう?」
「どうもこうもねえぞクソヘビ……」
「やはり貴方とは決着を着けなければならないようですね……」
懐から包丁や毒薬を取り出そうとする二人にヘビ探偵は声をあげた。
「被告人の判決!」
「被告は無罪!」
取っ組み合いの最中にも関わらず裁判官が反射的にそう言い、
「これにて閉廷とする!」
「いやおかみがしめるのかよ!!!」
ムカデ元弁護士の渾身のツッコミがホールに響いた。
ケーキ爆破事件
大乱闘ヘビムカデブラザーズEND
――――大型ヘビ
「更にギャグが加速したよ、明らかな人選ミスだよ」
「酷いなあ、ぼくは真面目に言ってるのに!
だってケーキを爆破するなんて心がないよ!あんなに美味しいのに!」
「お前の場合は口に入るものはなんでも美味しいものじゃねえか」
「静粛に!」
カンカン!と裁判官が槌を鳴らすと傍聴人席でガヤを出した大型ヘビを中心としたヘビ達が静まる。
「それではカードバトル裁判エキシビションマッチを開廷します」
「弁護側は傍聴人が騒いでいる間にとっくに準備完了している」
「検察側も同じく準備できています」
「頑張れ傲慢中二サイコ野郎」
「無駄に高性能な知識と悪知恵を今こそ使うときだよ!」
「不死鳥の名を騙る者として負けんじゃねえぞ!」
「勝ちなさい包帯中二男!」
「裁判官、五月蝿いガヤ全員法廷からつまみ出してくれるか」
「同じく集中出来ませんので」
「静粛に、次騒いだら退廷を命じますよ。
……今回の法廷、弁護側検察側共に初出廷のことですね。
基本的な事を理解できているか確認するため簡単に質問をさせていただきます。
最初の質問。検察側に問います。今回の裁判の被告でもあり弁護人でもある人物は誰ですか?」
「それはもちろん……。
……初めまして、かの有名な命の救世主Xと相見えることが出来て光栄です――――ブラックドクター」
胸元に手を添え優雅に頭を下げる包帯の男に傍聴席に座るムカデ裁判メンバーはうげえと顔を歪めた。
「では次の質問は弁護人に問います。検察側の名前をどうぞ」
「あいつの名前なぞ知らん。そういう世界観だからな。白包帯男とでも言えばいいのか」
「いいでしょう。では」
裁判官に対しても変わらないふてぶてしい態度。それに加えて世界観というメタ発言をするブラックドクターに目眩がしながらもヘビ探偵を覗いたヘビの命メンバーは相変わらずの男だと何故か頷いてしまうのであった。
「では証言者であるシェフ、前へ」
「湯けむり温泉旅館でシェフをしているヘビだよ。今日の午前中ぼくはムカデ裁判が大ヒットしたことを記念してケーキを作ったんだ。その証拠は提出済みだよ」
「事前にシェフから預かった証拠カード、ウエディングケーキを両者に渡します」
「昨日は皆知っている通り旅館でヘビの命出演組とムカデ裁判出演組が勢揃いして打ち上げパーティをする予定だったんだ。昼間にはそこの、えーと、白包帯の人以外は旅館に集まっていたよ。それで、ぼくは完成したケーキを食堂に夕方、ヘビ従業員と従業員ちゃん、それからおかみさんに手伝って貰いながら運んだんだよ。で、他の料理も運ぼうと厨房に戻ったら急にバァンッ!って音が後ろ、さっきまでいた食堂の方から聞こえてきたからその場にいたおかみさんたちと慌てて向かったんだ!そしたらさっき運んだばかりのケーキの形がなくなってて、テーブルにクリームとかイチゴとかが散乱しててもう旅館で働いている身からしたら地獄みたいなありさまになってたんだ!
音を聞き付けて旅館に来ていた人達がぞろぞろ集まってきて何が起こったか説明している頃に白包帯の人がきたよ。
散乱したケーキは全部大型ヘビが食べてくれたけど食材を無駄にしようとした犯人は許せないよ。
これでぼくの証言を終わりにするよ」
「それではこの爆破事件の審理を始めます。まずは気訴状の概要から。今シェフから証言の出た通り、爆破されたウェディングケーキを誰が爆破したのか?その犯行が出来るのはかの有名な爆破犯人、命の救世主Xを名乗るブラックドクターしかいないという関係者満場一致の理由から被告となったブラックドクターは有罪か否か。それを討論して頂きます」
「おい探偵気取りのクソヘビ本当に傍観するつもりだな後で覚えてろよ」
「被告もとい弁護人は口を慎んでください。では1ターン目、弁護人の先行からどうぞ。エキシビションなので議題は先行にお任せします」
「適当すぎんだろ」
「カードバトル裁判とかいう公正も何もない中身に加えてここは法廷じゃなくて旅館のロビーだからね、仕方ないよ」
「おまけにここには身内しかいねえしな」
「ロビーに集めるだけ集めて何もしてないもんなお前」
「僕は弁護士でも検事でもなく探偵だから」
「はいはいソーデスネ」
邪魔にならないようひそひそ話す傍聴席を他所に裁判は進行を進める。
「では初めに俺……ブラックドクターが犯人ではない理由を述べさせて貰う。俺が犯人ではない理由……それは実に単純にして明快だ。ケーキを爆破したところでこの俺にメリットが何もない。以上、何か?」
早すぎる!傍聴人の誰もがそう思ったが涼しい顔で検察側の白包帯を巻いた男は答える。
「ええ、ブラックドクターの言う通り。ケーキを爆破したところで彼には何のメリットもない。つまりこのケーキを爆破したのは別の人物、あるいは現象だと言えるでしょうね」
法廷……いや、ロビーがその言葉で静まった。
「……いや肯定してどうするんだ!お前検事役だろうが!」
ツッコミをしないと気が済まないムカデ元弁護士が声をあげ、それに続くように傍聴席からそうだそうだ!と合唱が始まる。
「静粛に!静粛に!」
槌をカンカンカン!と叩くが傍聴席の合唱はやまない。
「うるせえぞぴえんの顔してるくせに!」
「どうやらこれで頭をかち割られたいらしいな!」
槌を持ち傍聴席に飛び込んだ裁判官とムカデ元弁護士が取っ組み合いを初めそれを止めようとする者もいればやれやれ!とガヤを飛ばして賑やかす。もはや元からまともな形を成していなかった裁判は跡形もなく崩れ去りそこにあるのは個性しかない連中が繰り広げる乱闘パーティだった。
「騒がしい連中だ」
「ええ、本当に」
白包帯の男とブラックドクターは離れたところで並び肩をすくませてため息をつく。動作をシンクロさせて。
「どう最近?」
唐突にその足元の間からぴょいんとヘビ探偵が身体を伸ばして入り込んでくるので二人はぎょっとそれぞれが左右にたじろいだ。
「……どうこうもない、勝手にお遊びとは言え犯人扱いしやがって」
「それはごめん、でも余興としては丁度よかったと思うよ」
「余興ですか……まあ間違いではないでしょうね。それで?結局なんでウェディングケーキは爆発したのか貴方ならお分かりなんでしょう?」
冷ややかな二人の視線を浴びながらもヘビ探偵は淡々と、
「ウエディングケーキは始めから爆発なんてしてないよ」
「「は?」」
二人の黒幕は思わず間抜けな声をあげる。
「爆発したのは普通のケーキだよ」
「……なんだと?」
「ウエディングケーキが爆散したらテーブルが汚れるだけで済まないし大型ヘビが10分そこらで食べ終えられるわけないでしょ?」
「……グルは旅館側か」
眉間を抑えながら呻くようにそう言ったブラックドクターにヘビ探偵はからりと笑う。
「七割正解。あと大型ヘビもグルだよ。僕達が初めて一堂に介するんだからそれなりに面白い余興があってもいいんじゃないかと思って。それで人気キャラである君達二人に一枚噛んで貰ったんだ。二人が弁護士と検事をするっていう構図、なかなかよかったと自画自賛してるんだけど、どう?」
「どうもこうもねえぞクソヘビ……」
「やはり貴方とは決着を着けなければならないようですね……」
懐から包丁や毒薬を取り出そうとする二人にヘビ探偵は声をあげた。
「被告人の判決!」
「被告は無罪!」
取っ組み合いの最中にも関わらず裁判官が反射的にそう言い、
「これにて閉廷とする!」
「いやおかみがしめるのかよ!!!」
ムカデ元弁護士の渾身のツッコミがホールに響いた。
ケーキ爆破事件
大乱闘ヘビムカデブラザーズEND