ヘビの命(単発まとめ)
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事件関係者をホールに呼び出し、耳に取り付けたブラックドクター製作の超小型通信機から聴こえてくるヘビ探偵の声を自分の言葉に変えながら推理を披露。今回も無事無敗の探偵に相応しいと言えたこの難事件を解決に導くことが出来た。
警察に犯人を引き渡した今、俺は屋敷にある中庭の大きな池の鯉をぼんやりと眺めていた。
「はあ……」
「お疲れですか?」
「ああいや、少しな、ははは」
つい口から溢れた溜め息を横に立つ彼女に心配されてしまった。
事件関係者で年若い朗らかなこの屋敷の一人娘。今回屋敷を調査するのに積極的に手伝ってくれた心優しい子だ。被害者となってしまった叔父の無念、犯人に怯える関係者達の力に少しでもなろうと、そう、まさに助手のように動いてくれていた。考えてみれば一緒に来た筈のヘビ探偵や助手……紛らわしいな、黒助手とでも呼ぶか……あいつらよりも共にいたと言える。
健気に動いてくれたそんな彼女に死んでも「スケープゴートの緊張に疲れてしまってね」もは言えるわけもない。
「あの、ありがとうございました!ここに来てくれたのが貴方で本当によかった……」
「たまたま居合わせただけだが俺も君の力になれてよかったと思っている。協力に感謝するぞ、お嬢さん」
「いえ……あの、探偵さん」
「うん?なにかね」
「……かっこよかったです!とても……」
……おや?これはまさか……春……いやいや、ない。
彼女の父と同じくらいの年だぞ。
……でも万が一そうだとして……いやいやいや馬鹿者、この子との年齢差を考えろ!良識ある大人として……まあ良識を語れるような人間でもないんだが。
「わ、私……その……探偵さんのこと」
耳まで紅く染めた彼女に見上げられたら心臓が高鳴るのは男として当たり前と言えるだろう、いや、どうする、言わせていいのか!?この先を!?
「す」
「ああ、やはりここにいたんですね先生」
展開を知ってか知らずか彼女の言葉を割って聞こえてきた声に振り向く。
「さすが先生!最後の推理にぴったりな場所だね」
ご自慢の営業スマイルを浮かべた黒助手がヘビ探偵を肩に纏いこちらに歩みを進めていた。
……最後?最後ってなんだ?事件は解決しただろう?
冷や汗が背中を伝うのを感じた。嫌な予感だ。
「最後ってどういうことですか?事件はもう……」
彼女が不安そうに俺が思ったことと同じことを問う。
「ええ、解決しましたよ」
「ならどうして」
「表向きは、ね」
「そうでしょ、せーんせ?」
にっこり浮かべた笑顔に悟った。悟ってしまった。
「先生を懐柔できると思った?残念!君は罠に嵌められていたんだ!だからこの事件中先生はずっと君の傍にいた……ま、傍にいようとしたのは君からだけどね」
「何言って……」
「確かに無敗の探偵である先生の傍に常にいれば犯人と疑われることはまずないでしょうね、ええ、そこはいい判断だったかと。でも……甘く見ましたね、我が事務所が誇る無敗の探偵を」
「無敗の探偵は伊達じゃないんだよ?」
「待ってください、その言い方じゃまるで私が……!ねえ探偵さん!どうして貴方の助手さん達はあんなこと……!」
悲痛そうな表情は演技には見えない。それでも俺が信じるべきなのは。
……ああ、自分の立場は充分分かっているとも。
「……スケープゴートを仕立て事件を唆した真の犯人は、」
俺は、無敗の探偵事務所の所長だ。
「君だな?お嬢さん」
おまけ その夜の探偵事務所
「……何故彼女が黒幕だと言ってくれなかった」
「言う必要あった?」
「ないな」
「だよね」
「言ってくれれば俺が期待することもなかったんだぞ!」
「え?なになに何に期待したって?」
「あーなんでもない忘れろ」
「スケープゴートに春なんてくるわけねえだろ」
「夢くらいは許されてもいいだろうが!」
「まあまあ。ほら、ビール注いだよ!呑んで忘れよう!」
「………………っぷはぁ、足りないぞ!次だ!次を注げ!」
「仕方ないショッチョさんだなあ」
「シャッチョさんみたいに言ってんじゃねえよ」
「ジョッショさんにも注いであげようか?」
「うるせえいらねえ」
「はいジョッショさんも裏方お疲れ様いっぱいのんでねー」
「いらねえつってんだろうがクソヘビ」
「呑め!所長命令だぞ!」
「最悪だ俺は部屋に籠る」
「そいつを逃がすなヘビ探偵!俺がこうなったのはお前らのせいだぞ、今日はとことん付き合ってもらうからな!!」
「イエスボース」
「馬鹿お前絡んでくるなやめろおい!」
スケープゴートの空騒ぎ
警察に犯人を引き渡した今、俺は屋敷にある中庭の大きな池の鯉をぼんやりと眺めていた。
「はあ……」
「お疲れですか?」
「ああいや、少しな、ははは」
つい口から溢れた溜め息を横に立つ彼女に心配されてしまった。
事件関係者で年若い朗らかなこの屋敷の一人娘。今回屋敷を調査するのに積極的に手伝ってくれた心優しい子だ。被害者となってしまった叔父の無念、犯人に怯える関係者達の力に少しでもなろうと、そう、まさに助手のように動いてくれていた。考えてみれば一緒に来た筈のヘビ探偵や助手……紛らわしいな、黒助手とでも呼ぶか……あいつらよりも共にいたと言える。
健気に動いてくれたそんな彼女に死んでも「スケープゴートの緊張に疲れてしまってね」もは言えるわけもない。
「あの、ありがとうございました!ここに来てくれたのが貴方で本当によかった……」
「たまたま居合わせただけだが俺も君の力になれてよかったと思っている。協力に感謝するぞ、お嬢さん」
「いえ……あの、探偵さん」
「うん?なにかね」
「……かっこよかったです!とても……」
……おや?これはまさか……春……いやいや、ない。
彼女の父と同じくらいの年だぞ。
……でも万が一そうだとして……いやいやいや馬鹿者、この子との年齢差を考えろ!良識ある大人として……まあ良識を語れるような人間でもないんだが。
「わ、私……その……探偵さんのこと」
耳まで紅く染めた彼女に見上げられたら心臓が高鳴るのは男として当たり前と言えるだろう、いや、どうする、言わせていいのか!?この先を!?
「す」
「ああ、やはりここにいたんですね先生」
展開を知ってか知らずか彼女の言葉を割って聞こえてきた声に振り向く。
「さすが先生!最後の推理にぴったりな場所だね」
ご自慢の営業スマイルを浮かべた黒助手がヘビ探偵を肩に纏いこちらに歩みを進めていた。
……最後?最後ってなんだ?事件は解決しただろう?
冷や汗が背中を伝うのを感じた。嫌な予感だ。
「最後ってどういうことですか?事件はもう……」
彼女が不安そうに俺が思ったことと同じことを問う。
「ええ、解決しましたよ」
「ならどうして」
「表向きは、ね」
「そうでしょ、せーんせ?」
にっこり浮かべた笑顔に悟った。悟ってしまった。
「先生を懐柔できると思った?残念!君は罠に嵌められていたんだ!だからこの事件中先生はずっと君の傍にいた……ま、傍にいようとしたのは君からだけどね」
「何言って……」
「確かに無敗の探偵である先生の傍に常にいれば犯人と疑われることはまずないでしょうね、ええ、そこはいい判断だったかと。でも……甘く見ましたね、我が事務所が誇る無敗の探偵を」
「無敗の探偵は伊達じゃないんだよ?」
「待ってください、その言い方じゃまるで私が……!ねえ探偵さん!どうして貴方の助手さん達はあんなこと……!」
悲痛そうな表情は演技には見えない。それでも俺が信じるべきなのは。
……ああ、自分の立場は充分分かっているとも。
「……スケープゴートを仕立て事件を唆した真の犯人は、」
俺は、無敗の探偵事務所の所長だ。
「君だな?お嬢さん」
おまけ その夜の探偵事務所
「……何故彼女が黒幕だと言ってくれなかった」
「言う必要あった?」
「ないな」
「だよね」
「言ってくれれば俺が期待することもなかったんだぞ!」
「え?なになに何に期待したって?」
「あーなんでもない忘れろ」
「スケープゴートに春なんてくるわけねえだろ」
「夢くらいは許されてもいいだろうが!」
「まあまあ。ほら、ビール注いだよ!呑んで忘れよう!」
「………………っぷはぁ、足りないぞ!次だ!次を注げ!」
「仕方ないショッチョさんだなあ」
「シャッチョさんみたいに言ってんじゃねえよ」
「ジョッショさんにも注いであげようか?」
「うるせえいらねえ」
「はいジョッショさんも裏方お疲れ様いっぱいのんでねー」
「いらねえつってんだろうがクソヘビ」
「呑め!所長命令だぞ!」
「最悪だ俺は部屋に籠る」
「そいつを逃がすなヘビ探偵!俺がこうなったのはお前らのせいだぞ、今日はとことん付き合ってもらうからな!!」
「イエスボース」
「馬鹿お前絡んでくるなやめろおい!」
スケープゴートの空騒ぎ