ヘビの命(単発まとめ)
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「天体観測してみたいんだ」
そう言い出したのはボクだった。
「いいね!行こうよ、今度の休みにでもさ!」
それにキミはいつものように屈託なく笑いながら二つ返事でオーケーしてくれて。
「ここがいい天体観測スポットなんだって!近くに旅館もあるらしいからさ、そこにチェックインして、そっから夜観に行こうよ!」
天体観測のスポットも、泊まる場所も、キミが率先して調べてくれて。
「楽しみだね、相棒!」
その眩しい笑顔にボクはいつだって救われたんだ。人間を嫌いにならないでここまで過ごせてきたんだ。
「イヤだ、キミを置いて脱出なんてできない!」
燃え盛る、今にも崩れそうな旅館でそう叫ぶボクに、
「駄目だよ相棒……君は逃げなきゃ」
キミは弱々しく微笑みながら、諭すようにそう言った。
「ほら、君の大事な子供たちが怖がってるよ?早く脱出して安心させてあげないと……。
……そして僕の分までずっとずっと長く生きてほしい。君と、君の子供たちに」
「でも、っでも!」
「っげほっ、げほっ……っ相棒!僕の最後のお願いを聞いてくれっ……!君の記憶の中の最期の僕を、せめて笑顔で飾らせてくれよ……!」
煙を吸い込み酷く咳き込む相棒は、顔を歪ませながらも笑みを崩さない。
「っずっとずっと忘れない、キミはこれからもボクの相棒だよ、離れても、ずっとっ!」
「……うん、ありがとう、相棒。大好きだよ」
「っボクもっ……大好きだよ……!」
伝えたいことならいっぱいあるのに、時間が許してくれない。こんなことになるのなら、ボクは……
……ヘビしか通れないそのパイプに、子供たちを先に送り、もう一度振り返る。
……相棒は微笑んだまま、口だけを動かして手を振っていた。
『さよなら、あいぼう』
頷いて、ボクは進み出す。
ちゃんとボクは最後キミに笑えたのかな。
……後悔ばかりが募る。
ボクがあの日、天体観測がしたいなんて言わなければ。キミに甘えて、全部任せなければ。
……ボクがいなければ、キミは。
……ああ駄目だな、そんなこと言ったらきっと「それ以上言ったら怒るよ!」なんて、もうすでに怒ってる顔で言うんだろうな。
……大丈夫。……ボクは大丈夫だよ。
最後の脱出者であるヘビ探偵がパイプから出てきた瞬間、旅館が凄まじい爆発音と共にボクたちの目の前で崩れ落ちていく。
心配そうにヘビ探偵たちがボクを見るけど、ボクは自分に言い聞かせるように大丈夫と答えた。
……ボクはキミの分まで生きなきゃならない。悲観している暇なんてないんだ。
生き残ったみんなに挨拶してから子供たちを連れ、旅館を背に歩き出す。
――――必ず救ってみせるから、待ってて。
ヘビ探偵の横を通る瞬間、そんな呟きが聞こえた気がしたけど、きっと空耳だ。
だって救うも何も、もう彼はこの世のどこを探してもいないんだから。
一緒に育ってきて、いつだってボクを肩に乗せてくれたキミは、もういないんだから。
……ああ、今日は随分と冷えるなあ……。
~ ヘビ脱出 END ~
そう言い出したのはボクだった。
「いいね!行こうよ、今度の休みにでもさ!」
それにキミはいつものように屈託なく笑いながら二つ返事でオーケーしてくれて。
「ここがいい天体観測スポットなんだって!近くに旅館もあるらしいからさ、そこにチェックインして、そっから夜観に行こうよ!」
天体観測のスポットも、泊まる場所も、キミが率先して調べてくれて。
「楽しみだね、相棒!」
その眩しい笑顔にボクはいつだって救われたんだ。人間を嫌いにならないでここまで過ごせてきたんだ。
「イヤだ、キミを置いて脱出なんてできない!」
燃え盛る、今にも崩れそうな旅館でそう叫ぶボクに、
「駄目だよ相棒……君は逃げなきゃ」
キミは弱々しく微笑みながら、諭すようにそう言った。
「ほら、君の大事な子供たちが怖がってるよ?早く脱出して安心させてあげないと……。
……そして僕の分までずっとずっと長く生きてほしい。君と、君の子供たちに」
「でも、っでも!」
「っげほっ、げほっ……っ相棒!僕の最後のお願いを聞いてくれっ……!君の記憶の中の最期の僕を、せめて笑顔で飾らせてくれよ……!」
煙を吸い込み酷く咳き込む相棒は、顔を歪ませながらも笑みを崩さない。
「っずっとずっと忘れない、キミはこれからもボクの相棒だよ、離れても、ずっとっ!」
「……うん、ありがとう、相棒。大好きだよ」
「っボクもっ……大好きだよ……!」
伝えたいことならいっぱいあるのに、時間が許してくれない。こんなことになるのなら、ボクは……
……ヘビしか通れないそのパイプに、子供たちを先に送り、もう一度振り返る。
……相棒は微笑んだまま、口だけを動かして手を振っていた。
『さよなら、あいぼう』
頷いて、ボクは進み出す。
ちゃんとボクは最後キミに笑えたのかな。
……後悔ばかりが募る。
ボクがあの日、天体観測がしたいなんて言わなければ。キミに甘えて、全部任せなければ。
……ボクがいなければ、キミは。
……ああ駄目だな、そんなこと言ったらきっと「それ以上言ったら怒るよ!」なんて、もうすでに怒ってる顔で言うんだろうな。
……大丈夫。……ボクは大丈夫だよ。
最後の脱出者であるヘビ探偵がパイプから出てきた瞬間、旅館が凄まじい爆発音と共にボクたちの目の前で崩れ落ちていく。
心配そうにヘビ探偵たちがボクを見るけど、ボクは自分に言い聞かせるように大丈夫と答えた。
……ボクはキミの分まで生きなきゃならない。悲観している暇なんてないんだ。
生き残ったみんなに挨拶してから子供たちを連れ、旅館を背に歩き出す。
――――必ず救ってみせるから、待ってて。
ヘビ探偵の横を通る瞬間、そんな呟きが聞こえた気がしたけど、きっと空耳だ。
だって救うも何も、もう彼はこの世のどこを探してもいないんだから。
一緒に育ってきて、いつだってボクを肩に乗せてくれたキミは、もういないんだから。
……ああ、今日は随分と冷えるなあ……。
~ ヘビ脱出 END ~