MOTHER小説

これは雪が舞い降る日のツーソンでの事……

「ネス遅いわねー」

彼女はポーラ。ポーラは今日ネスと二人で会う約束をしていてネスが来るのを待っている。

「ネスったら……、待ち合わせの時間から20分も過ぎてるわよっ……!」

とポーラが怒りそうになったその時ネスが来た。

「おーい!ポーラぁ!はぁはぁ……、待った?」

「待ったわよー!待ち合わせの時間から20分も過ぎてるのよ!」

「あ……、ごめんごめん」

「……もう」

笑顔で申し訳なさそうに謝るネスを見てポーラはすっかり怒る気がなくなってしまう。

「さっきまで怒りそうだったのにネスの笑顔を見ていると怒る気もすっかりどこかへ行っちゃうわ」

ポーラはネスに聞こえない声で言う。

「ポーラ、どうしたの?」

「な、なんでもないわ!ところでネスったらマフラーも手袋もしないで寒くないの?」

「んー……、ちょっと寒いかなぁ……」

「もう……、風邪ひいちゃうわよ……あ、そうだわ!」

「ポーラ、何思いついたの?」

「こうするのよ!」

ポーラは自分のつけていたマフラーの半分をネスの首に巻いた。ポーラのその行動にネスの顔が赤くなる。

「ポ、ポーラ……!」

「これなら私もネスも寒くないわよ!」

「あ……、本当だ……」

ネスの首が暖かくなり幸せな気持ちがこみ上げてくる。

「ありがとう、ポーラ」

「うふふ、どういたしまして!」

ピンクのマフラーで繋がれたネスとポーラはとても幸せな気持ちでいっぱいになる。舞い降る綺麗な雪もそんな二人をもっと幸せな気持ちにする。今日はネスとポーラの雪の日の暖かい幸せの日───



END
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