MOTHER小説

ここはジェフが旅に出る以前に寝泊まりしていたスノーウッド寄宿舎。寄宿舎のジェフの部屋から一人の少年のため息が聞こえる。

「はぁ……、君の声が聞きたいよジェフ……」

彼はジェフのルームメイトのトニー。ジェフの一番の親友でジェフの事が親友としても親友とは別の危ない意味でも好きという少年。

「君に会えない、君の声が聞けないのが凄く苦しいよ……」

そう思った矢先に電話がかかってきた。トニーが電話にでる。

「もしもし、トニー!」

「……ジェフ!!」

電話の相手はトニーが一番に想っている少年、ジェフだ。

「なんだか急にトニーの声が聞きたくなって電話したんだ」

ジェフがそう言うとトニーが急に黙りこむ。黙りこんだトニーにジェフは問う。

「トニー?どうしたんだい?」

「うわーん!!」

トニーが泣き出してしまった。

「ジェフのばかばかばかばかばかばか!!うわーん!!」

「トニー、一体どうしたんだよ!?」

「どうして今まで連絡くれなかったのさっ!!僕がどれだけ寂しい思いしたと思って……っ!」

トニーが急に泣き出したのは今までジェフが連絡をくれなかった寂しさが爆発したからだった。

(トニー……、そんなに寂しい思いしてたのか……)

ジェフはトニーに今まで連絡をしなかった事を反省する。

「トニー……、今まで連絡出来なくて本当にごめん。これからは電話があったら出来るだけ連絡するようにするから」

「本当?」

「本当だよ。トニーに寂しい思いさせたくないから」

ジェフのその言葉でトニーはすっかり泣き止んでこう言う。

「ジェフ……、ばかなんて言ってごめん。僕ジェフが大好きだよ!危ない意味で大好きなんだ!!」

「トニー、僕も君が好きだ。あんまり危ない意味じゃないけど」

「ジェフ……」

「何?」

「僕はずっと待ってるよ……。世界が平和になったら君の元気な顔を一刻も早く見たい」

「トニー……、ありがとう。絶対に世界に平和を取り戻すから!」

「ジェフ……、あ、そろそろ消灯時間だから電話切らないと!もっと話したかったけど……ジェフ、またね!」

「うん、出来るだけトニーに電話かけるようにするから!」

もうすぐ寄宿舎の消灯時間なので電話を切ったトニーはベッドに入り、こう呟く。

「ジェフ……、僕はずっと待ってるよ……。だから元気な顔でウィンターズに帰ってきてね……。いつか……必ず」



END
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