CLAMP作品小説
一つの世界に留まらないという対価の旅を続けている小狼、黒鋼、ファイ、モコナの一行はユグドラル大陸の動乱に巻き込まれ、シグルド軍に加わって戦っている。そのシグルド軍はグランベル王国から反逆者の汚名を着せられて追われる身となり、今は完全中立国のシレジア王国に落ち延び、シレジア王妃であるラーナの手助けの元、セイレーン城で過ごしていた。
そんなセイレーン城で過ごすある日の事───
ティルテュ「そういえばファイさんは黒鋼さんと恋人同士なんですよね〜?」
ファイ「な、何を言い出すのかなっ、ティルテュちゃん」
エスリン「最近軍で結婚ラッシュが続いているけれど……、ファイさんと黒鋼さんは以前に結婚式をやったのかなっていうのが気になっているのよね」
ファイ「け……、結婚式なんてやってないよぅ。今は黒様と恋人っていう関係だけど、これから黒様がオレ以上に好きになる相手と出会わないとも限らないし、何より黒様にはオレに縛られないで生きてほしいから……」
シルヴィア「なーに言ってるのよっ!!黒鋼のファイに対する全ての行動、ファイの事を見つめる眼差しを見ていると黒鋼にファイ以上の人が現れるなんて有り得ない事だわ!!」
モコナ「そうだよぅ!!モコナは黒鋼とファイが出会った日から二人の事をよーく見てきたから分かるの!!黒鋼にとってファイが、ファイにとって黒鋼がどんなに大切な存在か」
ファイ「シ、シルヴィアちゃん……、モコナ……」
ティルテュ、エスリン「ファイさん!!」
シルヴィア、モコナ「ファイ!!」
ファイ「はっ……、はいっ……」
エスリン、シルヴィア、ティルテュ「ファイのその不安を取り除くためにも結婚式は絶対にやるべきよ!!」
モコナ「結婚式をするの〜!!ファイにとっての辛い冬と雪の記憶がこれで少しでもいい思い出になってほしいの!!」
ファイ「け……、結婚式って……、それってオレがウェディングドレスを着るって事になる……んだよね?」
ティルテュ「そんなの当たり前じゃない!」
シルヴィア「ファイなら絶対に似合うんだから問題ないわよ」
エスリン「そうと決まれば早速準備準備!」
ファイ「あ、あのー……」
ファイの言葉も聞かずに黒鋼とファイの結婚式の準備に張り切るエスリン、シルヴィア、ティルテュをはじめとするシグルド軍の女性陣達とモコナ。ちなみに黒鋼の意思はというと冬と雪に対するファイの辛い記憶を少しでもいい思い出に塗り替えたいとの思いから結婚式には前向きだった事、そして軍のリーダーであるシグルドの後押しもあって雪が舞い降るシレジア王国での黒鋼とファイの結婚式は実現したのである───
* * *
そして結婚式当日、グランベル王国のエッダ公爵家当主、及びブラギ教団の司祭を勤める神父クロードが誓いの言葉を読み上げる。
クロード「新郎黒鋼 あなたはファイを妻とし
健やかなる時も 病める時も
喜びの時も 悲しみの時も
富める時も 貧しい時も
これを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合い
その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
黒鋼「誓います」
クロード「新婦ファイ あなたは黒鋼を夫とし
健やかなる時も 病める時も
喜びの時も 悲しみの時も
富める時も 貧しい時も
これを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合い
その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
ファイ「誓います」
白いタキシードに身を包んだ黒鋼はファイを伴侶に、白いウェディングドレスに身を包んだファイは黒鋼を伴侶とする事をシグルド軍の皆の前で誓い合う。指輪の交換をし、いよいよ誓いのキス……、その時突然黒鋼がファイの体を姫抱きにし、その体勢で自身の唇をファイの唇と重ねたのだ。
ファイ「ちょ、ちょっと黒様〜!お姫様抱っこされながらの誓いのキスなんて恥ずかしいじゃないか〜!!」
ファイは顔を真っ赤にし、お姫様抱っこされながら黒鋼に訴えるも……
黒鋼「あぁ?お前は俺のモンだって事を見せつけてやったんじゃねぇか、何が悪い」
ファイが自分の隣にいるのは当然だと言わんばかりの黒鋼のその態度にファイはしおらしくなり、黒鋼の溢れんばかりの愛をその身に受け取って心からの幸せを実感する。そんなファイの幸せな姿はシグルド軍の皆、そして小狼とモコナも自分の事のように喜び、皆が暖かな空気に包まれてグランベル王国から反逆者の汚名を着せられて追われる身であるという事を忘れられる一時の安らぎであった。
ファイにとって辛い思い出を思い出させる雪。そんな雪が舞い降るシレジア王国での黒鋼との結婚式はファイにとってかけがえのない雪の日の大事な思い出となったのである───
END
そんなセイレーン城で過ごすある日の事───
ティルテュ「そういえばファイさんは黒鋼さんと恋人同士なんですよね〜?」
ファイ「な、何を言い出すのかなっ、ティルテュちゃん」
エスリン「最近軍で結婚ラッシュが続いているけれど……、ファイさんと黒鋼さんは以前に結婚式をやったのかなっていうのが気になっているのよね」
ファイ「け……、結婚式なんてやってないよぅ。今は黒様と恋人っていう関係だけど、これから黒様がオレ以上に好きになる相手と出会わないとも限らないし、何より黒様にはオレに縛られないで生きてほしいから……」
シルヴィア「なーに言ってるのよっ!!黒鋼のファイに対する全ての行動、ファイの事を見つめる眼差しを見ていると黒鋼にファイ以上の人が現れるなんて有り得ない事だわ!!」
モコナ「そうだよぅ!!モコナは黒鋼とファイが出会った日から二人の事をよーく見てきたから分かるの!!黒鋼にとってファイが、ファイにとって黒鋼がどんなに大切な存在か」
ファイ「シ、シルヴィアちゃん……、モコナ……」
ティルテュ、エスリン「ファイさん!!」
シルヴィア、モコナ「ファイ!!」
ファイ「はっ……、はいっ……」
エスリン、シルヴィア、ティルテュ「ファイのその不安を取り除くためにも結婚式は絶対にやるべきよ!!」
モコナ「結婚式をするの〜!!ファイにとっての辛い冬と雪の記憶がこれで少しでもいい思い出になってほしいの!!」
ファイ「け……、結婚式って……、それってオレがウェディングドレスを着るって事になる……んだよね?」
ティルテュ「そんなの当たり前じゃない!」
シルヴィア「ファイなら絶対に似合うんだから問題ないわよ」
エスリン「そうと決まれば早速準備準備!」
ファイ「あ、あのー……」
ファイの言葉も聞かずに黒鋼とファイの結婚式の準備に張り切るエスリン、シルヴィア、ティルテュをはじめとするシグルド軍の女性陣達とモコナ。ちなみに黒鋼の意思はというと冬と雪に対するファイの辛い記憶を少しでもいい思い出に塗り替えたいとの思いから結婚式には前向きだった事、そして軍のリーダーであるシグルドの後押しもあって雪が舞い降るシレジア王国での黒鋼とファイの結婚式は実現したのである───
* * *
そして結婚式当日、グランベル王国のエッダ公爵家当主、及びブラギ教団の司祭を勤める神父クロードが誓いの言葉を読み上げる。
クロード「新郎黒鋼 あなたはファイを妻とし
健やかなる時も 病める時も
喜びの時も 悲しみの時も
富める時も 貧しい時も
これを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合い
その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
黒鋼「誓います」
クロード「新婦ファイ あなたは黒鋼を夫とし
健やかなる時も 病める時も
喜びの時も 悲しみの時も
富める時も 貧しい時も
これを愛し 敬い 慰め合い 共に助け合い
その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
ファイ「誓います」
白いタキシードに身を包んだ黒鋼はファイを伴侶に、白いウェディングドレスに身を包んだファイは黒鋼を伴侶とする事をシグルド軍の皆の前で誓い合う。指輪の交換をし、いよいよ誓いのキス……、その時突然黒鋼がファイの体を姫抱きにし、その体勢で自身の唇をファイの唇と重ねたのだ。
ファイ「ちょ、ちょっと黒様〜!お姫様抱っこされながらの誓いのキスなんて恥ずかしいじゃないか〜!!」
ファイは顔を真っ赤にし、お姫様抱っこされながら黒鋼に訴えるも……
黒鋼「あぁ?お前は俺のモンだって事を見せつけてやったんじゃねぇか、何が悪い」
ファイが自分の隣にいるのは当然だと言わんばかりの黒鋼のその態度にファイはしおらしくなり、黒鋼の溢れんばかりの愛をその身に受け取って心からの幸せを実感する。そんなファイの幸せな姿はシグルド軍の皆、そして小狼とモコナも自分の事のように喜び、皆が暖かな空気に包まれてグランベル王国から反逆者の汚名を着せられて追われる身であるという事を忘れられる一時の安らぎであった。
ファイにとって辛い思い出を思い出させる雪。そんな雪が舞い降るシレジア王国での黒鋼との結婚式はファイにとってかけがえのない雪の日の大事な思い出となったのである───
END
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