デ・ジ・キャラット小説
緑色の髪のショートボブでメイド服を着用し、更には猫耳帽子に猫しっぽを付けたデ・ジ・キャラット星の王女様、デ・ジ・キャラットことでじこ、うさみみと大きなサイコロが付いた赤いリボンの髪飾りで結い上げた腰まで届くツインテールの少女、ラ・ビ・アン・ローズ(本名はうさだヒカル)の二人はゲーマーズ秋葉原店でバイトしているごくごく普通(?)の少女達である。今日は給料日、たくさんのお金を得た二人は日頃の疲れを癒すためにでじこの誘いでライブハウス・OROCHiに行く事になったのである。
「今日はでじこの推しの大物ミュージシャンがOROCHiでライブをやる日なんだにょ!!」
「でじこの推しの大物ミュージシャンねぇ。どんな人なのかしら」
「うさだもライブを味わえば絶対にハマるにょ〜!!」
並々ならぬ熱で推しの大物ミュージシャンをプッシュするでじこ。ラ・ビ・アン・ローズはそんな彼女を見てでじこが推している大物ミュージシャンに興味が湧いてきているようだ。
「あんたがそこまでプッシュするなら一度見てみようじゃないの」
「うさだにしてはノリがいいにょ!!それじゃ、OROCHiにレッツラゴーにょ!!」
そうして二人はライブハウス・OROCHiに向かうのだった。
* * *
ライブハウス・OROCHiに到着した二人は入場料を払った後、ドリンクを注文する。でじこが注文したのはコーラ、ラ・ビ・アン・ローズが注文したのはウーロン茶である。二人が注文した飲み物を飲んでいる時、ライブハウス・OROCHiに来ている女性達の黄色い声が会場中に響き渡った。
「キャー!キャー!」
「い・お・りーん!!」
「いおりん?」
女性達が叫ぶ『いおりん』という単語にラ・ビ・アン・ローズは疑問符を浮かべる。
「………………」
ラ・ビ・アン・ローズが疑問符を浮かべると同時にその『いおりん』こと八神庵がステージに登場し、会場はますます大盛上がりの火に包まれていく。
「キャー!!」
「出たにょー!!いおりーん!!」
でじこも他の女性達同様に庵に夢中の様子で甲高い声を上げている。
「キャー!今日もベースが痺れるにょ〜!!」
でじこが推している大物ミュージシャン、庵と彼が弾くベースにラ・ビ・アン・ローズを除く全ての女性陣がすっかり狂乱乱舞状態だ。
「キャー!カッコイー!!」
「サイコーにょ!!いおりーん!!」
「す、凄い熱狂……」
会場内に響く音楽と女性達の黄色い歓声にラ・ビ・アン・ローズは圧倒されてたじたじ状態である。
「そのまま……そのまま死ねェェ!!」
大物ミュージシャン、庵の叫びにでじこをはじめとする女性達はますます熱が高まり、ただでさえ甲高い声が更に会場内に響き渡っていく。
「な……なんだかおっかない人ね。なんでこんな人にこんなにもファンがいるのよ?」
何人も人を殺してそうな恐ろしいオーラを醸し出している庵の姿にラ・ビ・アン・ローズは若干の嫌悪感を感じているが、彼女の隣にいるでじこは庵にすっかり夢中でラ・ビ・アン・ローズの様子など目に入っていない様子である。
「素敵にょ〜!!抱いてほしいにょ〜!!」
「………………」
とても十歳の少女が発する言葉ではないであろうでじこの大胆発言にラ・ビ・アン・ローズは絶句してしまう。
「うさだ、何ボーッとしてるにょ!うさだにはこのよさが分からないにょ?」
「うーん。全然分からないわね」
「いおりんの魅力が分からないなんて、うさだはお子様だにょ〜」
「私より年下のあんたにそんな事言われる筋合いはないわよっ」
でじこを完全に魅了してしまった大物ミュージシャン、八神庵。ラ・ビ・アン・ローズにはその魅力が全然理解できなかったようだ。
「でも来たからには全身全力で楽しむべきにょ!!ほら、ヘッドバンギングにょ!!」
「ええ〜……」
「キャー!いおりーん!!」
「庵様ー!!」
「い・お・り・ん!い・お・り・ん!!」
庵の魅力はさっぱり理解できなかったラ・ビ・アン・ローズだが、でじこの熱狂ぶりに流され、庵のワンマンライブを最後まで観覧したのだった。
* * *
庵のワンマンライブが終わった後、でじこは庵の出待ちのためにライブハウス・OROCHiの裏口に行き、ラ・ビ・アン・ローズもそれに付き合わされてしまった。暫くして庵が現れたその瞬間、でじこをはじめとする女性達は目がハート状態になり、甲高い声を上げる。
「キャー!!」
「いおりーん!!」
「凄い熱狂……でじこもすっかり壊れちゃってるし……」
完全に壊れているといっても過言ではない程の狂乱乱舞ぶりを見せるファン達。当の庵本人はそんなファン達の事が目に入っていないかのような態度でファン達を無視して通り過ぎていく。
(ファンの事なんて全く無視なの……?ファンの人達やでじこもそれを望んで喜んでるし、本当に何が何だか分からないわ……)
庵の態度とでじこをはじめとする女性達の壊れっぷりにラ・ビ・アン・ローズはすっかり唖然としてしまう。その瞬間、庵が突然叫んだ。
「む……!京オオオオ!!」
「にょ!!」
突然叫ぶと同時に凄い勢いでいきなり走り出す庵。でじこはいきなり走り出した庵にぶつかって倒れてしまう。
「でじこ、大丈夫!?」
「ぶつかったにょ〜……」
でじこは突然走り出した庵に左腕をぶつけられたようだ。幸い怪我はしていない様子である。でじこにぶつかった庵はというと、どうやら標的に逃げられたようで再びこちらに戻ってきた。
「チッ、逃げたか……」
ラ・ビ・アン・ローズは曲がりなりにも親友のでじこに痛い思いをさせた庵の事をじっと睨み据える。
「なんだ女。お前も俺の歩みを阻むのか」
庵は鋭い眼光でラ・ビ・アン・ローズを睨み返す。庵が放つ圧倒的な威圧感にラ・ビ・アン・ローズは怯んでしまうが、勇気を振り絞って庵に意見する。
「ちょっと、ひどいじゃないですか!!怪我したらどうするんですか!!」
「……面白い。俺に意見するつもりか」
「謝ってください!!」
「……フン。くだらん」
庵から見てラ・ビ・アン・ローズはただの小娘に過ぎず、彼女の怒りに少しも動じずにその場を去っていった。
「ひどい!ぶつかって謝りもしないなんて!!」
でじこにぶつかっておきながら謝りもしない冷徹な態度の庵にラ・ビ・アン・ローズはカンカンだ。が、庵に怒った彼女の勇気はどこへやらという言葉が当のでじこから放たれる。
「うさだ見たにょ?やっぱりいおりんはカッコイイにょ〜!!いおりんとぶつかった左腕はもう一生洗えないにょ!!」
庵に強くぶつかられて傷つくどころか、彼と接触できた事に大喜びで大興奮のでじこ。その様子はまるで人生で生きてきた中で今が一番幸せだと主張している。
「……でじこがそれでいいなら私は構わないけど……」
庵とぶつかって大喜びしているでじこを見てラ・ビ・アン・ローズは先ほどまで抱いていた怒りがすっかり消え失せ、でじこの庵への盲目っぷりにただひたすら呆れ果てるのだった。
でじこの八神庵への熱狂ぶりはいい年になっても変わることなく、ラ・ビ・アン・ローズが皆川拓郎ことミナタクといい仲になる年齢の大人になっても、でじこの妹分のプチ・キャラットことぷちこが木村拓郎ことムラタクといい仲になる年齢の大人になっても、でじこはひたすらに八神庵だけを想い続け、彼の追っかけを永遠に続けていくのであった───
END
「今日はでじこの推しの大物ミュージシャンがOROCHiでライブをやる日なんだにょ!!」
「でじこの推しの大物ミュージシャンねぇ。どんな人なのかしら」
「うさだもライブを味わえば絶対にハマるにょ〜!!」
並々ならぬ熱で推しの大物ミュージシャンをプッシュするでじこ。ラ・ビ・アン・ローズはそんな彼女を見てでじこが推している大物ミュージシャンに興味が湧いてきているようだ。
「あんたがそこまでプッシュするなら一度見てみようじゃないの」
「うさだにしてはノリがいいにょ!!それじゃ、OROCHiにレッツラゴーにょ!!」
そうして二人はライブハウス・OROCHiに向かうのだった。
* * *
ライブハウス・OROCHiに到着した二人は入場料を払った後、ドリンクを注文する。でじこが注文したのはコーラ、ラ・ビ・アン・ローズが注文したのはウーロン茶である。二人が注文した飲み物を飲んでいる時、ライブハウス・OROCHiに来ている女性達の黄色い声が会場中に響き渡った。
「キャー!キャー!」
「い・お・りーん!!」
「いおりん?」
女性達が叫ぶ『いおりん』という単語にラ・ビ・アン・ローズは疑問符を浮かべる。
「………………」
ラ・ビ・アン・ローズが疑問符を浮かべると同時にその『いおりん』こと八神庵がステージに登場し、会場はますます大盛上がりの火に包まれていく。
「キャー!!」
「出たにょー!!いおりーん!!」
でじこも他の女性達同様に庵に夢中の様子で甲高い声を上げている。
「キャー!今日もベースが痺れるにょ〜!!」
でじこが推している大物ミュージシャン、庵と彼が弾くベースにラ・ビ・アン・ローズを除く全ての女性陣がすっかり狂乱乱舞状態だ。
「キャー!カッコイー!!」
「サイコーにょ!!いおりーん!!」
「す、凄い熱狂……」
会場内に響く音楽と女性達の黄色い歓声にラ・ビ・アン・ローズは圧倒されてたじたじ状態である。
「そのまま……そのまま死ねェェ!!」
大物ミュージシャン、庵の叫びにでじこをはじめとする女性達はますます熱が高まり、ただでさえ甲高い声が更に会場内に響き渡っていく。
「な……なんだかおっかない人ね。なんでこんな人にこんなにもファンがいるのよ?」
何人も人を殺してそうな恐ろしいオーラを醸し出している庵の姿にラ・ビ・アン・ローズは若干の嫌悪感を感じているが、彼女の隣にいるでじこは庵にすっかり夢中でラ・ビ・アン・ローズの様子など目に入っていない様子である。
「素敵にょ〜!!抱いてほしいにょ〜!!」
「………………」
とても十歳の少女が発する言葉ではないであろうでじこの大胆発言にラ・ビ・アン・ローズは絶句してしまう。
「うさだ、何ボーッとしてるにょ!うさだにはこのよさが分からないにょ?」
「うーん。全然分からないわね」
「いおりんの魅力が分からないなんて、うさだはお子様だにょ〜」
「私より年下のあんたにそんな事言われる筋合いはないわよっ」
でじこを完全に魅了してしまった大物ミュージシャン、八神庵。ラ・ビ・アン・ローズにはその魅力が全然理解できなかったようだ。
「でも来たからには全身全力で楽しむべきにょ!!ほら、ヘッドバンギングにょ!!」
「ええ〜……」
「キャー!いおりーん!!」
「庵様ー!!」
「い・お・り・ん!い・お・り・ん!!」
庵の魅力はさっぱり理解できなかったラ・ビ・アン・ローズだが、でじこの熱狂ぶりに流され、庵のワンマンライブを最後まで観覧したのだった。
* * *
庵のワンマンライブが終わった後、でじこは庵の出待ちのためにライブハウス・OROCHiの裏口に行き、ラ・ビ・アン・ローズもそれに付き合わされてしまった。暫くして庵が現れたその瞬間、でじこをはじめとする女性達は目がハート状態になり、甲高い声を上げる。
「キャー!!」
「いおりーん!!」
「凄い熱狂……でじこもすっかり壊れちゃってるし……」
完全に壊れているといっても過言ではない程の狂乱乱舞ぶりを見せるファン達。当の庵本人はそんなファン達の事が目に入っていないかのような態度でファン達を無視して通り過ぎていく。
(ファンの事なんて全く無視なの……?ファンの人達やでじこもそれを望んで喜んでるし、本当に何が何だか分からないわ……)
庵の態度とでじこをはじめとする女性達の壊れっぷりにラ・ビ・アン・ローズはすっかり唖然としてしまう。その瞬間、庵が突然叫んだ。
「む……!京オオオオ!!」
「にょ!!」
突然叫ぶと同時に凄い勢いでいきなり走り出す庵。でじこはいきなり走り出した庵にぶつかって倒れてしまう。
「でじこ、大丈夫!?」
「ぶつかったにょ〜……」
でじこは突然走り出した庵に左腕をぶつけられたようだ。幸い怪我はしていない様子である。でじこにぶつかった庵はというと、どうやら標的に逃げられたようで再びこちらに戻ってきた。
「チッ、逃げたか……」
ラ・ビ・アン・ローズは曲がりなりにも親友のでじこに痛い思いをさせた庵の事をじっと睨み据える。
「なんだ女。お前も俺の歩みを阻むのか」
庵は鋭い眼光でラ・ビ・アン・ローズを睨み返す。庵が放つ圧倒的な威圧感にラ・ビ・アン・ローズは怯んでしまうが、勇気を振り絞って庵に意見する。
「ちょっと、ひどいじゃないですか!!怪我したらどうするんですか!!」
「……面白い。俺に意見するつもりか」
「謝ってください!!」
「……フン。くだらん」
庵から見てラ・ビ・アン・ローズはただの小娘に過ぎず、彼女の怒りに少しも動じずにその場を去っていった。
「ひどい!ぶつかって謝りもしないなんて!!」
でじこにぶつかっておきながら謝りもしない冷徹な態度の庵にラ・ビ・アン・ローズはカンカンだ。が、庵に怒った彼女の勇気はどこへやらという言葉が当のでじこから放たれる。
「うさだ見たにょ?やっぱりいおりんはカッコイイにょ〜!!いおりんとぶつかった左腕はもう一生洗えないにょ!!」
庵に強くぶつかられて傷つくどころか、彼と接触できた事に大喜びで大興奮のでじこ。その様子はまるで人生で生きてきた中で今が一番幸せだと主張している。
「……でじこがそれでいいなら私は構わないけど……」
庵とぶつかって大喜びしているでじこを見てラ・ビ・アン・ローズは先ほどまで抱いていた怒りがすっかり消え失せ、でじこの庵への盲目っぷりにただひたすら呆れ果てるのだった。
でじこの八神庵への熱狂ぶりはいい年になっても変わることなく、ラ・ビ・アン・ローズが皆川拓郎ことミナタクといい仲になる年齢の大人になっても、でじこの妹分のプチ・キャラットことぷちこが木村拓郎ことムラタクといい仲になる年齢の大人になっても、でじこはひたすらに八神庵だけを想い続け、彼の追っかけを永遠に続けていくのであった───
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