ちびまる子ちゃん小説

静岡県清水市に住むちびだからちび丸、そして女の子だから子をつけて『ちびまる子ちゃん』というあだ名で呼ばれている女の子、さくらももこは十九歳の年齢で長年の夢だった漫画家デビューを果たし、その二年後に初の連載作品となる『ちびまる子ちゃん』の連載を開始し、この漫画が日本国民の心を打ち、その四年後にアニメ化される程の超特大ヒット作となったのである。そんな彼女は今、売れっ子漫画家として得たお金で豪華な王宮、古代遺跡、仏像が飾られた華やかな寺院で知られる東南アジアの国、タイ王国に飛行機で向かっている最中だ。
なぜまる子がタイ王国に行こうとしているかについての経緯であるが、まる子が小学三年生の時の夏休みにおじいちゃんが商店街のクジで特賞のタイ王国の南の島への招待券を当てたのたが、まる子以外の家族は皆たまたま都合が悪くて行けないため、運よくまる子がタイ王国の南の島に行ける事になったのである。日本からタイ王国の南の島に向かうまでの大人達に混じっての珍道中(怖い顔のおじさんに飛行機は着陸で失敗するかもしれないとか、船は転覆するかもしれないとか等とビビらされたり、タイ王国の税関の人にパスポートを見せる時に英語が話せなくて慌てたり等)の末、やっとタイ王国の南の島にたどり着き、まる子はバンガローという小屋に泊まる事になったのである。そのバンガローの主人の娘のプサディーはまる子と同い年の女の子という事もあって二人はすぐに意気投合し、一緒に踊ったり、ボートで向かった離れ島で大冒険してフルーツを一緒に食べたりと夢のような一週間を過ごしたのであった。そして一週間が過ぎたお別れの日、タイ王国の民族衣装に身を包んだプサディーからお人形と手紙を貰い、まる子は帰りの飛行機の中で南の島がだんだん小さくなって見えなくなってしまう光景を見て、これから海も陸も時間もこえて日本に帰るという事、プサディーは日本がとても遠いという事を知ってたから別れの時に泣いていたという事を知ったのだ。
そうしてプサディーとはもう二度と会えない、連絡も取り合う事ができないと思っていたまる子だったが、国境を越えた二人の友情には三度の希望があった。一度目の希望はある日、花輪クンから日本を訪れているタイ王国の王子様への日本ならではのプレゼントを集めてきてほしいと頼まれてまる子は一生懸命に町内中を駆け回り、タイ王国の王子様が喜ぶような日本ならではのプレゼントを集めて花輪クンの家に招かれたタイ王国の王子様に渡したのである。まる子が集めた日本ならではのプレゼントは大いに喜ばれ、タイ王国の王子様からそのお返しとして南の島特製のフルーツの盛り合わせを振る舞われたのだ。まる子が花輪クンの家に連れてきたクラスメイト達は喜んで南の島特製のフルーツの盛り合わせに大満足して舌鼓を打っていたが、まる子は南の島特製のフルーツの盛り合わせの味になんだか懐かしい味がするとしんみりしてしまう。そんな様子のまる子に対し、タイ王国の王子様は自分の大切な友達がまる子に書いたという手紙をまる子に渡す。タイ王国の王子様の大切な友達はプサディーだったのだ。プサディーからの手紙にはいつかまた再会できるだろうという希望に満ちたメッセージが書かれており、もう二度とプサディーと連絡が取れないと思っていたまる子の心は満足感と幸福感でとても温かく満たされたのであった。
二度目の希望は花輪家主催の『ちびまる子ちゃん』の連載百回記念のパーティーで主人公のまる子に連載百回を祝う素敵なプレゼントが用意されており、その素敵なプレゼントというのがプサディーとの再会だったのだ。この時の再会がきっかけでまる子とプサディーは互いの住所を教え合い、国境を越えた文通をはじめたのである。
三度目の希望はまる子が小学四年生の時の夏休み直前の七月十七日、担任の大石先生から南の島の交換留学の話が上がったのだ。この交換留学に行けばプサディーとまた会える!と思ったまる子は直ぐ様立候補するが、交換留学の定員は一人だけ。まる子の他にはたまちゃん、花輪クン、丸尾君が立候補し、この四人で南の島の交換留学の座をかけた争奪戦が行われたのである。代表決定戦は『ボールであてっこ』『ぬりぬりペンキ』『ウキウキプ~ル』の三つの種目の全てを勝ち取らなければならない非常に過酷な道のりだったが、何としてもプサディーに会いたいという想いの強さで三つの種目の全てに勝利したまる子は南の島交換留学に行ける事になり、プサディーと再会を果たしたのだ。が、その後、まる子を心配した花輪クンが父親に別荘を買ってもらってクラスメイトが皆で南の島に来たことを知り、まる子は『みんな楽して 来るなんて 私の苦労 いまいずこ』と心の俳句を詠んでショックな気持ちを表現するが、皆で遊ぶのが一番楽しいとすぐに気持ちを切り替えてプサディーやクラスメイトの皆で南の島での海水浴を思う存分楽しんだのである。その後でまる子だけが交換留学生として来ている事から勉強会に呼ばれる事になり、南の島に行くのは簡単ではないと思い知ったのであった。
その三度の希望を経て、まる子は漫画家の夢を叶えた事を報告するため、そしてプサディーの結婚式を祝うために交換留学の時以来のタイ王国を訪れたのである。プサディーはタイ王国の王様と結婚してタイ王国の王妃になるのだ。このタイ王国の王様はかつて花輪クンの家に招かれてまる子が日本ならではのプレゼントを贈ったタイ王国の王子様と同一人物である。プサディーとタイ王国の王様は友情を育み、その友情が愛へと変わり、晴れて結ばれるのである。タイ王国の首都、バンコクに到着したまる子は今か今かとプサディーとの再会を楽しみにしている。
そうして王様とプサディーの結婚式が行われるバンコクの王宮に到着し、タイ王国式のウェディングドレスに身を包んだプサディーとの再会を果たした。

「プサディー!!」

「マルコ!!」

「プサディー、結婚おめでとう!!まさかタイ王国の王妃様になっちゃうなんてあたしゃビックリだよ」

「マルコハマンガカ二ナッタノデスネ!ユメヲカナエテトテモスゴイデス!!」

「漫画家はあたしがずっとずっとなりたいと思ってた夢だったからね、本当になれて嬉しいったらありゃしないよ」

「マルコ、オメデトウ!!マルコノマンガヲヨメルノガイマカラタノシミ!!」

「ありがとう、プサディー!!」

「マルコ二ハナシタイコト、タクサン、タクサンアリマス」

「私もプサディーに話したい事がたくさんあるよ」



まる子が小学四年生の夏休みの交換留学の時以来の再会を果たしたまる子とプサディー。まる子は売れっ子漫画家に、プサディーはタイ王国の王妃になり、ただの少女だったあの時とは互いの立場ががらりと変わってしまったが、国境を越えた二人の友情はあの時と何一つ変わる事なく、いつまでもいつまでも続くのであった───



END
3/4ページ
スキ