ファイアーエムブレム小説
ベルン三竜将最後の将、ブルーニャ将軍がひきいるベルンの残存軍を打ち倒したエトルリア軍。その先にある竜殿には今まで戦ってきた竜達よりも遥かに強い力を持っているとの事から、もう一度人竜戦役にならうように特に力のある者に『神将器』を持たせて乗り込む事となり『神将の名を継ぎし戦士』いわゆる選抜メンバーの一人に小さき勇者、オージェが選ばれたのだった。
「まさかおれがデュランダルを継ぐ者になるなんて……」
オージェは竜殿に乗り込む選抜メンバーに選ばれ、かつてオスティアの初代領主で『八神将』の一人、勇者ローランが使っていたデュランダルを継ぐ者として選ばれた事を未だに信じられずにいる。
「オージェ!」
デュランダルを持ち、勇者ローランを継ぐ者となる重圧に緊張を隠しきれないオージェにララムが明るく話しかけてきた。
「わあっ、ラ、ララム!!」
オージェはララムが話しかけてきた事に気づかず、物凄く驚いてしまった。
「もうっ、オージェったらあたしがいるのに気付かなかったの!?」
「ご、ごめんララム。何しろデュランダルをこの手に持って緊張してたものだから」
「ふーん……、緊張してあたしに気付かなかったのね。まぁ無理もないか、何せ竜殿に乗り込む選抜メンバーとして選ばれたんだもの」
「うん……、おれなんかが本当にローラン様を継ぐ勇者になれるのかなって思うと不安で不安で……」
オージェは勇者ローランからデュランダルを受け継ぐという事のプレッシャーで押し潰されそうになっていく。そんなオージェにララムは叱咤激励した。
「もう!これから竜殿に乗り込む『神将の名を継ぎし戦士』の一人のあんたがそんなに弱気でどうするの!!これから以前見せてあげるって約束した特別な踊りを見せてあげるからそれを見て元気を出しなさーい!!」
ララムは以前オージェに見せると約束した特別な踊りをオージェのために披露した。
「ひらひら〜、ひらひら〜〜……」
* * *
「どうだった?オージェ」
特別な踊りを舞い終えたララムは自信満々な表情でオージェに問う。
「うん……、凄い……、凄いよララム……。きみの踊りに本当に力付けられたよ」
ララムの特別な踊りは指先や足の先まで意識が行き渡っていて、動きに一切の無駄がない正に完璧な踊りそのもので、オージェはすっかり魅了されてしまった。
「ふふっ、少しは緊張がほぐれたかしら?」
「うん、きみの踊りを見ていたら抱えていた重圧が軽くなった……。おれ、またきみの踊りに励まされたよ」
かつてオージェがいる村に旅芸人の一座が立ち寄り、その旅芸人の一座の一人だったララム。その時のララムの踊りは今と比べ物にならないくらいに不器用で間違えたり、時々転んだりしていたが一生懸命に頑張っていて、その頃つらい事があって落ち込んでいたオージェはララムが一生懸命に踊っている姿に励まされた事があったのだが、今こうしてその時のようにオージェはララムの踊りに励まされたのである。
「オージェの表情、明るくなったわね。いい調子、いい調子~」
「わあっ、ちょ、ちょっとララム!」
ララムが見せた特別な踊りで先程までの重圧と緊張がほぐれ、明るい表情を見せたオージェ。ララムはそんなオージェの緊張を更にほぐそうとオージェの頬を引っ張る。
「ララム、本当にありがとう。おれ、ローラン様を継ぐ者として頑張ってくるよ」
ララムが見せた特別な踊りとララム自身が持つ明るさに励まされたオージェは勇者ローランを継ぐ者として竜殿に乗り込む決意を固めた。
「だからララムにはおれが、いや、ロイ様が率いるおれを含めた『神将の名を継ぎし戦士』達が無事に戻ってこれるように祈っていてほしいんだ」
自分を含めた『神将の名を継ぎし戦士』達が無事に竜殿から戻ってこれるように祈っていてほしいとララムにお願いするオージェだが、そんなオージェにララムはとんでもない爆弾発言をする。
「何言ってるのオージェ。あたしもその『神将の名を継ぎし戦士』に選ばれた選抜メンバーなのよ?」
「え?」
なんとララムもオージェと同様に竜殿に乗り込むメンバーとして選ばれた『神将の名を継ぎし戦士』の一人だったのだ。
「ええっ!?ラ、ララムが!?」
「うん」
「だ、だってきみは戦えないじゃないか!」
オージェは戦闘能力を持たないララムが竜殿に乗り込む選抜メンバーとして選ばれていた事実に驚きを隠せずにいる。
「戦えないだなんてひどいわね。確かに神将器は使えないけどあたしには皆を元気にするこの踊りがあるし、いざとなったらこのドラゴンキラーで竜を返り討ちにしてやるわよ!」
ララムが取り出した剣はドラゴンナイト、ドラゴンマスター、マムクート等の竜全般に特効を持つ剣、ドラゴンキラーだ。
「あたしだって自分の身くらいは自分で守れるように剣の練習をしていたのよ、今ならこのドラゴンキラーだって使える。だから……、だからオージェが危ない時はあたしが守るわ!!」
まっすぐにオージェを見つめて言い切ったララム。オージェはそんなララムの事を優しく抱きしめる。
「ありがとうララム、おれの事をそんなに想ってくれて。おれも……、おれもララムが危なくなったら必ず守るよ」
「オージェ……、絶対、ぜーったいに無事に竜殿から戻ってこようね!そして……、平和を取り戻したこの広いエレブ大陸の空気をたくさん吸うんだから!!」
竜殿に乗り込む選抜メンバーとして『神将の名を継ぎし戦士』に選ばれたオージェとララム。二人は無事に竜殿から戻ったら平和になったエレブ大陸の空気をたくさん吸おうと約束を交わしたのだった───
END
「まさかおれがデュランダルを継ぐ者になるなんて……」
オージェは竜殿に乗り込む選抜メンバーに選ばれ、かつてオスティアの初代領主で『八神将』の一人、勇者ローランが使っていたデュランダルを継ぐ者として選ばれた事を未だに信じられずにいる。
「オージェ!」
デュランダルを持ち、勇者ローランを継ぐ者となる重圧に緊張を隠しきれないオージェにララムが明るく話しかけてきた。
「わあっ、ラ、ララム!!」
オージェはララムが話しかけてきた事に気づかず、物凄く驚いてしまった。
「もうっ、オージェったらあたしがいるのに気付かなかったの!?」
「ご、ごめんララム。何しろデュランダルをこの手に持って緊張してたものだから」
「ふーん……、緊張してあたしに気付かなかったのね。まぁ無理もないか、何せ竜殿に乗り込む選抜メンバーとして選ばれたんだもの」
「うん……、おれなんかが本当にローラン様を継ぐ勇者になれるのかなって思うと不安で不安で……」
オージェは勇者ローランからデュランダルを受け継ぐという事のプレッシャーで押し潰されそうになっていく。そんなオージェにララムは叱咤激励した。
「もう!これから竜殿に乗り込む『神将の名を継ぎし戦士』の一人のあんたがそんなに弱気でどうするの!!これから以前見せてあげるって約束した特別な踊りを見せてあげるからそれを見て元気を出しなさーい!!」
ララムは以前オージェに見せると約束した特別な踊りをオージェのために披露した。
「ひらひら〜、ひらひら〜〜……」
* * *
「どうだった?オージェ」
特別な踊りを舞い終えたララムは自信満々な表情でオージェに問う。
「うん……、凄い……、凄いよララム……。きみの踊りに本当に力付けられたよ」
ララムの特別な踊りは指先や足の先まで意識が行き渡っていて、動きに一切の無駄がない正に完璧な踊りそのもので、オージェはすっかり魅了されてしまった。
「ふふっ、少しは緊張がほぐれたかしら?」
「うん、きみの踊りを見ていたら抱えていた重圧が軽くなった……。おれ、またきみの踊りに励まされたよ」
かつてオージェがいる村に旅芸人の一座が立ち寄り、その旅芸人の一座の一人だったララム。その時のララムの踊りは今と比べ物にならないくらいに不器用で間違えたり、時々転んだりしていたが一生懸命に頑張っていて、その頃つらい事があって落ち込んでいたオージェはララムが一生懸命に踊っている姿に励まされた事があったのだが、今こうしてその時のようにオージェはララムの踊りに励まされたのである。
「オージェの表情、明るくなったわね。いい調子、いい調子~」
「わあっ、ちょ、ちょっとララム!」
ララムが見せた特別な踊りで先程までの重圧と緊張がほぐれ、明るい表情を見せたオージェ。ララムはそんなオージェの緊張を更にほぐそうとオージェの頬を引っ張る。
「ララム、本当にありがとう。おれ、ローラン様を継ぐ者として頑張ってくるよ」
ララムが見せた特別な踊りとララム自身が持つ明るさに励まされたオージェは勇者ローランを継ぐ者として竜殿に乗り込む決意を固めた。
「だからララムにはおれが、いや、ロイ様が率いるおれを含めた『神将の名を継ぎし戦士』達が無事に戻ってこれるように祈っていてほしいんだ」
自分を含めた『神将の名を継ぎし戦士』達が無事に竜殿から戻ってこれるように祈っていてほしいとララムにお願いするオージェだが、そんなオージェにララムはとんでもない爆弾発言をする。
「何言ってるのオージェ。あたしもその『神将の名を継ぎし戦士』に選ばれた選抜メンバーなのよ?」
「え?」
なんとララムもオージェと同様に竜殿に乗り込むメンバーとして選ばれた『神将の名を継ぎし戦士』の一人だったのだ。
「ええっ!?ラ、ララムが!?」
「うん」
「だ、だってきみは戦えないじゃないか!」
オージェは戦闘能力を持たないララムが竜殿に乗り込む選抜メンバーとして選ばれていた事実に驚きを隠せずにいる。
「戦えないだなんてひどいわね。確かに神将器は使えないけどあたしには皆を元気にするこの踊りがあるし、いざとなったらこのドラゴンキラーで竜を返り討ちにしてやるわよ!」
ララムが取り出した剣はドラゴンナイト、ドラゴンマスター、マムクート等の竜全般に特効を持つ剣、ドラゴンキラーだ。
「あたしだって自分の身くらいは自分で守れるように剣の練習をしていたのよ、今ならこのドラゴンキラーだって使える。だから……、だからオージェが危ない時はあたしが守るわ!!」
まっすぐにオージェを見つめて言い切ったララム。オージェはそんなララムの事を優しく抱きしめる。
「ありがとうララム、おれの事をそんなに想ってくれて。おれも……、おれもララムが危なくなったら必ず守るよ」
「オージェ……、絶対、ぜーったいに無事に竜殿から戻ってこようね!そして……、平和を取り戻したこの広いエレブ大陸の空気をたくさん吸うんだから!!」
竜殿に乗り込む選抜メンバーとして『神将の名を継ぎし戦士』に選ばれたオージェとララム。二人は無事に竜殿から戻ったら平和になったエレブ大陸の空気をたくさん吸おうと約束を交わしたのだった───
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