レインボーロケット団襲来!〜愛の女神ルリと平和の女神リーリエ〜

ヨウ、キョウヘイ、メイ、トウヤ、N、ミヅキ、アクロマ、ルリ、リーリエはワープパネルでさらに奥の部屋にワープし、ついにレインボーロケット団のボス、サカキの元へとたどり着く。

「ほほう……、侵入者がいると聞いたがまさか君達のような子供とは……、異世界のボス達は倒されたようだな。利用出来ると考え泳がせておいたのだがな、よくここまで来た」

サカキは異世界から来た悪の組織のボス達を倒してここまでたどり着いたヨウ、キョウヘイ、メイ、トウヤ、N、ミヅキ、アクロマ、ルリ、リーリエの存在に気付き声をかける。

「お前がレインボーロケット団の……」

ヨウもサカキを見据え、サカキに問う。

「いかにも!全てのポケモンを利用して世界をおさめるロケット団、それすらも超える大組織がレインボーロケット団!私がそのリーダーサカキだ!」

「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」

サカキが放つ圧倒的な威圧感を前にして9人は思わず身震いしてしまう。

「我らレインボーロケット団は全ての世界を支配し!UB軍団を作り出すのだ!そのためには異世界の技術を持つ組織……、エーテル財団が必要なのだよ……、ここまでたどり着けた君達の事も評価している。私は強いものが好きだ!我がレインボーロケット団で君達の力をいかしてみないか?」

なんとサカキはヨウ、キョウヘイ、メイ、トウヤ、N、ミヅキにレインボーロケット団に入らないかと誘ってきた。

「僕は、僕達はレインボーロケット団なんかに入らない!」

「ふざけるな!お前達なんかに協力するもんか!」

「そんなの願い下げよ!」

「その条件をのむわけにはいかない」

「全ての世界を支配する……、そんな事に力を貸すわけにはいかない!」

「私もお断りだわ!」

ヨウ、キョウヘイ、メイ、トウヤ、N、ミヅキの順番にサカキの誘いを拒否する。

「フッ、やはりそうか」

6人の当然の回答にサカキは鼻で笑う。

「レインボーロケット団のボス、サカキ!お前を倒してエーテルパラダイスを取り戻す!!」

ヨウはサカキに啖呵を切り、サカキに詰め寄る。

「……、子供に詰め寄られる、私にとってありえない事だが何故だが懐かしくもある。どうしても私に歯向かうなら痛い目にあってもらおう!」

レインボーロケット団のサカキが勝負をしかけてきた!

「ゆけ、ダグトリオ」

「いってきてくれ、ミミッキュ!」

サカキはダグトリオを、ヨウはミミッキュを繰り出す。

「ミミッキュ、ウッドハンマー!」

「ダグトリオ、ステルスロックだ」

ミミッキュのウッドハンマーがダグトリオにヒットし、ダグトリオは倒れるもダグトリオがまいたステルスロックのとがった岩がヨウのフィールドの周りに漂う。

「戻れダグトリオ。次はお前だ、ニドキング」

サカキの二番手はニドキングだ。

「ニドキング、じしんだ」

ニドキングのじしんがミミッキュにヒットするも、ミミッキュの特性「ばけのかわ」によってミミッキュのばけのかわが身代わりとなりミミッキュはノーダメージだ。

「何!?」

「ミミッキュ、シャドークロー!」

ミミッキュのシャドークローがニドキングにヒットしニドキングにダメージを与える。

「ニドキング、アクアテールだ!」

「連続でシャドークロー!」

ミミッキュのシャドークローとニドキングのアクアテールの撃ち合いが続くも、先ほど放ったウッドハンマーの反動ダメージが蓄積していた事もありミミッキュは競り負けてしまう。

「ミミッキュ、よく頑張ったな。次はヨワシ、頑張ってくれ!」

ヨウの二番手はヨワシ。ヨワシの特性「ぎょぐん」によりヨワシ達の群れを集めその身を変える。そしてここでダグトリオが放ったステルスロックによりヨワシにとがった岩が食い込み、ヨワシはダメージをうける。

「ヨワシ、ハイドロポンプだ!」

水タイプの大技、ハイドロポンプがニドキングに命中する。毒・地面タイプのニドキングにこうかはばつぐんだ。ミミッキュとの撃ち合いでのダメージが蓄積していたニドキングは倒れてしまう。

「ニドキング、戻れ。次はお前だ、ニドクイン」

サカキの三番手はニドクインだ。

「ニドクイン、どくづき」

ニドクインのどくづきがヨワシにヒットしダメージを与え、ヨワシはどくづきの追加効果により毒状態になってしまう。

「くっ……、ヨワシ!れいとうビームだ!」

ヨワシは毒に苦しみながらもれいとうビームをニドクインに放つ。これでニドクインのHPを半分近く減らすも……。

「ニドクイン、じごくづきだ」

ニドクインのじごくづきがきゅうしょにあたり毒のダメージも蓄積していたヨワシは戦闘不能となる。

「ゆっくり休んでくれ、ヨワシ。頑張ってくれ!ガオガエン!」

「ガオガ〜!」

ヨウの三番手はガオガエンだ。ガオガエンもダグトリオが放ったステルスロックのとがった岩が体に食い込みダメージをうける。

「ガオガエン、DDラリアットだ!」

「ニドクイン、アクアテール」

ガオガエンのDDラリアットとニドクインのアクアテールが同時にヒットする。水タイプの技、アクアテールは炎・悪タイプのガオガエンにこうかばつぐんのダメージを与えるもガオガエンを戦闘不能にするには至らず、倒れたのは先ほどのヨワシのれいとうビームでダメージが蓄積していたニドクインの方だ。

「戻れニドクイン、次はお前だ、ドサイドン」

サカキの四番手はドサイドンだ。

「ドサイドン、ストーンエッジだ」

ドサイドンのストーンエッジがきゅうしょにあたり、さらにこうかばつぐんの大ダメージとなってガオガエンに襲いかかる。ガオガエンは大ダメージに耐えられず倒れてしまう。

「ガオガエン、よくやった。次はカプ・コケコ、頑張ってくれ!」

「カプゥーコッコ!!」

ヨウの四番手、カプ・コケコ。このカプ・コケコはヨウがアローラ地方に引っ越してきた日にマハロさんどうでリーリエの願いを聞きオニスズメに襲われていたほしぐもちゃんことコスモッグを助けようとして吊り橋が壊れてヨウが橋から落ちそうになったところを助けてくれ、さらにZパワーリングの元となるかがやくいしを渡してくれたヨウの原点ともいえるポケモンだ。

「ほぅ……、アローラ地方の守り神、カプ・コケコか……。しかし電気・フェアリータイプのカプ・コケコで我がドサイドンが倒せると思うか?」

アローラ地方の伝説のポケモン、カプ・コケコを目にしてもサカキはいたって冷静だ。それもそうだろう、何しろサカキのドサイドンは岩・地面タイプ。電気、フェアリータイプのカプ・コケコには絶対的に有利なポケモンなのだから。だがしかし……。

「カプ・コケコ!くさむすび!」

「何っ!?」

カプ・コケコのくさむすびがドサイドンにヒットする。くさむすびは相手ポケモンの重さが重いほど威力が上がる技だ。ドサイドンの重さは282.8キロと重量で、さらにくさむすびの技タイプがくさタイプという事もあり岩・地面タイプのドサイドンに大ダメージを与える。

「ドォン……」

ドサイドンはそのダメージの大きさに耐えきれず倒れてしまう。サカキがドサイドンをボールに戻し、最後の一匹が入ったマスターボールを手に取る。

「いでよ!ミュウツー!!」

「みゅう!」

サカキの最後のポケモンは全てのポケモンの中で一番凶暴な心を持つという伝説のポケモン、ミュウツーだ。

「ミュウツーだって!?」

カントー地方の伝説のポケモン、ミュウツーの登場にヨウは驚きを隠せない。そんなヨウを尻目にサカキはミュウツナイトXをはめたメガリングをミュウツーに掲げる。

「進化を超える進化……、メガシンカ!!」

サカキがそう叫ぶとミュウツーは別の姿へとその身を変える。

「伝説のポケモンのメガシンカ……」

ただでさえケタ違いの強さを持つミュウツーのメガシンカにヨウの声が震える。

「メガミュウツーX!しねんのずつきだ!」

「くっ……、カプ・コケコ、マジカルシャイン!」

カプ・コケコのマジカルシャインがエスパー・かくとうタイプのメガミュウツーXにこうかばつぐんのダメージを与えるも、メガミュウツーXの圧倒的な攻撃力の前にカプ・コケコは倒れてしまう。

「ありがとう、カプ・コケコ。ゆっくり休んでくれ」

ヨウはカプ・コケコをボールに戻し、マスターボールを手に取る。

「そっちが伝説のポケモンのメガシンカでくるなら僕はこいつだ!いけ!ほしぐも!」

ヨウがほしぐもと呼ぶそのポケモンは光に飢えた黒き存在・ネクロズマが太陽を司る伝説のポケモンソルガレオを飲み込んでネクロズマとソルガレオが一体化したポケモン「ネクロズマ・たそがれのたてがみ」こと日食ネクロズマだ。しかしヨウは体の主導権を完全にネクロズマが握っているとしても、ほしぐもちゃんことソルガレオが日食ネクロズマの中にあるのはまぎれもない事実なので日食ネクロズマの事もソルガレオと変わらずに「ほしぐも」と呼んでいる。

「あの姿はまさにネクロズマがソルガレオを取り込んで吸収合体した姿……!実に素晴らしいっ!!」

「ヨウも合体ポケモンを使えるのか……!」

ヨウにネクロズマとソルガレオを合体させるためのマシン、ネクロプラスソルを渡した張本人であるアクロマは日食ネクロズマの姿に大興奮し、自身もホワイトキュレムなる合体ポケモンを扱えるキョウヘイは驚く。

「ネクロズマとソルガレオが合体したポケモンだと!?くっ、メガミュウツーX!じしんだ!」

日食ネクロズマの登場にさすがのサカキも動揺を隠せない。

「ほしぐも、ウルトラバースト!」

ヨウがそう叫ぶと日食ネクロズマは所持しているウルトラネクロZのパワーでウルトラバーストを起こし、光をまとった巨大な金色のドラゴン、ウルトラネクロズマに変化する。この巨大な金色のドラゴン、ウルトラネクロズマはメガミュウツーXのじしんにびくともしていない。

「そんな攻撃で……っ!」

そう言うとヨウは左右の腕で拳を作り、エスパーZのものと同じゼンリョクポーズをしたその瞬間───、


ウルトラネクロズマはZパワーを身体にまとった!
ウルトラネクロズマが解き放つ全力のZワザ!


天焦がす滅亡の光!!


ウルトラネクロズマのフォトンゲイザーをZワザにした大技、天焦がす滅亡の光が辺り一帯から無数の光を集めて巨大な光球をメガミュウツーXに飛ばす。その光景は衝撃波により周辺が金色一色に包まれている。

「凄く綺麗……」

「なんて神々しいの……」

天焦がす滅亡の光の衝撃波により周辺が金色に包まれているその光景にルリとメイは思わずうっとりとしてしまう。

「ミュー……」

メガミュウツーXが天焦がす滅亡の光の威力に耐えられず倒れてしまった事によりこのバトル、ヨウの勝利だ。

「フッ……、激しい戦いだった……!」

サカキは素直に自身の負けを認めた。

「皆……、僕……、勝ったよ……」

どうやら天焦がす滅亡の光は使用したトレーナーから相当な量のエネルギーを吸い取るらしい。ヨウは息を切らしながらキョウヘイ、メイ、トウヤ、N、ミヅキ、アクロマ、ルリ、そしてリーリエに声をかける。8人はヨウの勝利を心から喜んだ。

「ヨウさん!」

リーリエは倒れたヨウに駆け寄りヨウを支える。するとサカキがヨウに声をかけてくる。

「……、君はとても大事にポケモンを育てているな、そんな子供と本気で潰し合いをするのは愚かだな。フッ、エーテルパラダイスは君に預けておくとするか。しかし我がレインボーロケット団は不滅だ……、その事を忘れるなよ」

「ちょーっと待ったぁーー!!」

サカキがレインボーロケット団は不滅だと言った瞬間、ポニじまの奥の奥にあるバトル施設、バトルツリーのボスであるグリーン、そしてそれに続き同じくバトルツリーのボスであるレッドとレッドの双子の妹でありグリーンの幼なじみであるリーフが来てサカキを取り押さえる。

「……、レインボーロケット団のボス、サカキ!お前をエーテルパラダイス占拠の罪で逮捕する」

「もう二度とレインボーロケット団なる組織なんて作らせないわよ!」

レッド、グリーン、リーフによりレインボーロケット団のボスサカキが逮捕されアクロママシーンが作動し、エーテルパラダイスは元の姿を取り戻した。

「「レッドさん、グリーンさん、リーフさん!サカキの身柄を確保してくれてありがとうございます!」」

キョウヘイとメイがレッド、グリーン、リーフにお礼を言う。キョウヘイとメイはイッシュ地方のホドモエシティにあるバトル施設、ポケモンワールドトーナメントで彼らとポケモンバトルをした事があり彼らと顔見知りなのだ。

「いいってことよ」

「……、僕達は当然の事をしたまでだ」

「じゃあ私達はサカキ、そしてあなた達が身柄を確保してくれたマツブサ、アオギリ、アカギ、フラダリ、ゲーチスを国際警察に届けるわ」

レッド、グリーン、リーフは異世界から来た悪の組織のボス達の身柄を国際警察に届けるため去っていった。そしてアクロマがヨウ、キョウヘイ、メイ、トウヤ、N、ミヅキに声をかけてくる。

「あなたがたのように強い繋がりでポケモンの力を引き出すトレーナーでしたら余裕でしたね。さて……、わたくしは新たに研究したいテーマが決まりましたよ!それでは、またお会いしましょう」

アクロマはそう言い、ルザミーネの屋敷を後にした。

「アクロマさん……、すごい科学者ですよね、すごく変わっていますけれど……」

「でもいい人だよねっ、アクロマさん」

リーリエとルリがアクロマへの印象を口にしアクロマの事をよく知るキョウヘイ、メイ、ヨウ、ミヅキがそれに同調しそんな6人の様子にトウヤとNが微笑み、皆で笑い合い8人はルザミーネの屋敷を後にし外に出た。
11/13ページ
スキ