向かうと太宰さんは宮沢さんと話をしていた。

宮沢さんも可愛い。
だけど、彼と依頼の事件を解決しに行った時純粋すぎて目が飛び出そうだった。
そして、あの独特なやり方。
逆に尊敬したし、都会って怖いって聞いてたけどって言う宮沢さんに対して私は田舎は怖いものだと思った。

まぁ、私も取り敢えず田舎の出だけど、流石に電気は通っていた。

彼らの話が一区切りついたところで話しかけた。


『すいません、お待たせしました。』

｢いや、大丈夫だよ。時間もいい頃だ、行こうか。場所って何処かな？｣

『嗚呼、それは…。』




｢すいません…、毎回護衛なんてしてもらって。｣

『いえ、仕事ですし。』


向かったのは或る旧家の御令嬢の護衛だ。
彼女は家から出る時、常に私たちの護衛を遣う。
確かに、家柄が家柄なだけあるし社長が大丈夫だと言うから受けている護衛の仕事。
社長が前職の時からの友人だそうで。
まぁ、国木田さんより太宰さんの方が適任でもあるしね。

異能を無効化する異能は敵に異能があった時に便利だから羨ましい。
それと体術とか使えたら本当に戦闘が楽だと思う。


『一体何から身を守っているのか…。』


これは絶対に教えてくれない。
というか、分からないそうだ。

手紙だけ届いたらしい。
貴方の娘を狙うって。
乱歩さんに推理してもらいたかったが何故か彼も分からないという。
分からないなら護衛をつけるしかないとなって今に至る。

まぁ、良くあるのは婚約者とのストーカーのパターンだよね。
意中の人がほかに居てとか。
まぁ、何と無いうちは彼女に楽しんでもらわなくては。


『本日はどうする予定で？』

｢今日は少し街に出たいの。最近あまり行けないから…。｣

『分かりました。街の方に向かいましょう。』

｢はいっ！ありがとうございます！｣


車を走らせるのは私だ。
社の車を使わせてもらっている。
まだ、初心者マークをつけているが、だからこそ安全運転を心がけている。

いざとなった時はどうにか出来るようにしておけ、と、言われたので特別訓練を少し国木田さんに受けたけれども…。

太宰さんに運転を任せないのはまぁ、最もな事だ。
彼の運転は危ない。
本当に、危ない。
｢風！！私は風！！｣とか、本人は平気そうに言っているが皆あれは死にそうになると言っていた。
私も一度体感したが、もう二度と彼の車には乗らないと決めた。

とりあえず車を走らせた。女の子が好きそうな物の多い通りや有名な通りお菓子屋の多い所。
私はそういうのはあまり気にしないが雑誌を読んだりはするし、乱歩さんに付き合ってお菓子屋散策にも行っていたりする。
主に後者のおかげだが、社長にも乱歩さんの事を任されることが多いから仕方ない。彼はお菓子が大好きだ。特に駄菓子だが。

後ろの座席では話が盛り上がっているようだ。
あそこのケーキが美味しいだとか何だとか…。
話すことがあまり得意ではない私にとってはお嬢様と話をしていてくれる太宰さんにとても助かっている。

そう言えば、お嬢様は街で何をしたいのだろうか？