忌み子と自殺趣味
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「僕ですか!?無理無理無理、無理です!!!」
『社員が行けば犯人を刺激するだけです。』
「と、なると無関係で面の割れていない君が行くしかない。」
「それなら、薙澄沙さんがすればいいのではないですか!?僕倒せるんでしょう!?」
『私にさせれば探偵社内部がグチャグチャになってしまいます。何らかの拍子に起爆スイッチを犯人が押してしまう可能性もありますから、やめた方がいいと思いますよ。』
「では、僕は第一どうやって!」
「犯人の気を逸らせてくれれば後は我々がやるよ。――そうだな、落伍者の演技でもして気を引いては如何かね?」
無理無理と手を振る敦くん。
「信用し給え。この程度の揉め事、武装探偵社にとっては朝飯前だよ。」
『あ、これ、使えるんじゃないですか?』
置いておいた纏められている古新聞。
それをさりげなく取り出す。
「あ、いいんじゃないかな。はい、敦くん。」
私から古新聞を受け取り敦くんに渡す。
「では、健闘を祈るよ。」
太宰さんは、いい笑顔で彼の背中を押し見送った。
「えっ、や…やややややめなさーい!親御さんが泣いてるよ!」
「な!何だアンタっ!」
あの谷崎くんの脅しに怖がっている人がいる。
いけるぞ、谷崎くん。
頑張れ、敦くん。
「ぼぼ…僕は、さ、騒ぎを、き、聞きつけた一般市民です!い、い、生きてれば好いことあるよ!」
「誰だか知らないが無責任に云うな!みんな死ねば良いンだ!」
「ぼ、僕なんか孤児で家族も友達も居なくてこの前その院さえ、追い出されて。」
ズーンと暗い雰囲気を醸し出し言葉を紡ぐ敦くん。急ごしらえにしては頑張ってる。
そして、いきなりくわっと覚醒したようにこう言った。
「行くあても伝手も無いんだ!」
思わないところでそんな事を云うので思わず吹いてしまった。
「こら、薙澄沙ちゃん。吹かないの。」
『でも、敦くん熱演しすぎじゃありません?』
「まぁ、それは言えてるけどさ。」
谷崎くんも思わないところでそう言われたのだろう戸惑っている。
「害獣に変身しちゃうらしくて軍警にバレたら多分縛り首だしとりたてて特技も長所も無いし誰が見ても社会のゴミだけど…。」
おお、一息で言い切った。
はっきり言おう。
怖い。
「ヤケにならずに生きてるんだ!だ、だだ、だから!」
敦くん…。
「敦くん、駄目人間の演技上手いなぁ……。」
全く同感である。
「ね、だから、爆弾捨てて。」
声がワントーン低くなる敦くん。
心無しか瞳孔が開いている。
「一緒に仕事探そう?」
「え、いや!ボクは別にそういうのでは…!」
太宰さんが国木田さんに合図を送る。
「手帳の頁を消費うからムダ撃ちは厭なんだがな……!【独歩吟客】!」
国木田さんが手帳の頁に文字を書き引きちぎる。
「手帳の頁を――鉄線銃(ワイヤ-ガン)に変える!」
彼の手の中の紙が鉄線銃に変わった。
その瞬間、私も飛び出す。
銃を撃ち、谷崎くんの手にある起爆スイッチを弾く。
「確保!」
その太宰さんの声が響き、私の蹴りが彼の頬に打ち込まれる。ごめんなさい、谷崎くん。
蹴り飛ばされた谷崎くんを国木田さんが受け止め動けないようにする。
「一丁あがり~。」
そんな呑気な声を出し、出てくる太宰さん。
へな…と力の抜けた様な表情をした。あどけない表情。
『結局、太宰さんは何もしませんでしたね。』
「えー、したよ?作戦立案とかさー。」
「そんな話をしている暇は無い。連れていくぞ。」
不意に太宰さんが敦くんにひらりと手を振る。敦くんもへにゃりと笑って手を振る。
そして、何者かによって押されバランスを崩す彼。
「ぶっ!」
そして、ビタン!と倒れた拍子にピッとなる起爆スイッチ。
おや?と云う表情で手元を見る敦くん。
「あ。」
「「『あ…。』」」
ピッと爆弾の残り時間が表示される。
残り、5秒。
「ああああああああああああぁぁぁぁあぁぁあぁあああああ!??」
敦くんの叫び声が響く。
「爆弾!爆弾!あと5秒!?」
残り、4秒。
彼は私達の方を向いて一瞬でなにか考えたように爆弾に向き直す。
残り、3秒。
そして、爆弾に覆いかぶさった。
彼自身が。
残り、2秒。
「莫迦!!」
響く太宰さんの声。
残り、1秒。
ぐっと目をつぶる彼。
それを止めようとするにももう間に合わないだろう太宰さん。
0
爆弾は、起爆しなかった。
入社試験であるから。
信じられない様に目を開く彼。
その前に立つ、私、太宰さん、国木田さん、谷崎くん。
彼は、自分の状況は理解出来てないようだ。
『社員が行けば犯人を刺激するだけです。』
「と、なると無関係で面の割れていない君が行くしかない。」
「それなら、薙澄沙さんがすればいいのではないですか!?僕倒せるんでしょう!?」
『私にさせれば探偵社内部がグチャグチャになってしまいます。何らかの拍子に起爆スイッチを犯人が押してしまう可能性もありますから、やめた方がいいと思いますよ。』
「では、僕は第一どうやって!」
「犯人の気を逸らせてくれれば後は我々がやるよ。――そうだな、落伍者の演技でもして気を引いては如何かね?」
無理無理と手を振る敦くん。
「信用し給え。この程度の揉め事、武装探偵社にとっては朝飯前だよ。」
『あ、これ、使えるんじゃないですか?』
置いておいた纏められている古新聞。
それをさりげなく取り出す。
「あ、いいんじゃないかな。はい、敦くん。」
私から古新聞を受け取り敦くんに渡す。
「では、健闘を祈るよ。」
太宰さんは、いい笑顔で彼の背中を押し見送った。
「えっ、や…やややややめなさーい!親御さんが泣いてるよ!」
「な!何だアンタっ!」
あの谷崎くんの脅しに怖がっている人がいる。
いけるぞ、谷崎くん。
頑張れ、敦くん。
「ぼぼ…僕は、さ、騒ぎを、き、聞きつけた一般市民です!い、い、生きてれば好いことあるよ!」
「誰だか知らないが無責任に云うな!みんな死ねば良いンだ!」
「ぼ、僕なんか孤児で家族も友達も居なくてこの前その院さえ、追い出されて。」
ズーンと暗い雰囲気を醸し出し言葉を紡ぐ敦くん。急ごしらえにしては頑張ってる。
そして、いきなりくわっと覚醒したようにこう言った。
「行くあても伝手も無いんだ!」
思わないところでそんな事を云うので思わず吹いてしまった。
「こら、薙澄沙ちゃん。吹かないの。」
『でも、敦くん熱演しすぎじゃありません?』
「まぁ、それは言えてるけどさ。」
谷崎くんも思わないところでそう言われたのだろう戸惑っている。
「害獣に変身しちゃうらしくて軍警にバレたら多分縛り首だしとりたてて特技も長所も無いし誰が見ても社会のゴミだけど…。」
おお、一息で言い切った。
はっきり言おう。
怖い。
「ヤケにならずに生きてるんだ!だ、だだ、だから!」
敦くん…。
「敦くん、駄目人間の演技上手いなぁ……。」
全く同感である。
「ね、だから、爆弾捨てて。」
声がワントーン低くなる敦くん。
心無しか瞳孔が開いている。
「一緒に仕事探そう?」
「え、いや!ボクは別にそういうのでは…!」
太宰さんが国木田さんに合図を送る。
「手帳の頁を消費うからムダ撃ちは厭なんだがな……!【独歩吟客】!」
国木田さんが手帳の頁に文字を書き引きちぎる。
「手帳の頁を――鉄線銃(ワイヤ-ガン)に変える!」
彼の手の中の紙が鉄線銃に変わった。
その瞬間、私も飛び出す。
銃を撃ち、谷崎くんの手にある起爆スイッチを弾く。
「確保!」
その太宰さんの声が響き、私の蹴りが彼の頬に打ち込まれる。ごめんなさい、谷崎くん。
蹴り飛ばされた谷崎くんを国木田さんが受け止め動けないようにする。
「一丁あがり~。」
そんな呑気な声を出し、出てくる太宰さん。
へな…と力の抜けた様な表情をした。あどけない表情。
『結局、太宰さんは何もしませんでしたね。』
「えー、したよ?作戦立案とかさー。」
「そんな話をしている暇は無い。連れていくぞ。」
不意に太宰さんが敦くんにひらりと手を振る。敦くんもへにゃりと笑って手を振る。
そして、何者かによって押されバランスを崩す彼。
「ぶっ!」
そして、ビタン!と倒れた拍子にピッとなる起爆スイッチ。
おや?と云う表情で手元を見る敦くん。
「あ。」
「「『あ…。』」」
ピッと爆弾の残り時間が表示される。
残り、5秒。
「ああああああああああああぁぁぁぁあぁぁあぁあああああ!??」
敦くんの叫び声が響く。
「爆弾!爆弾!あと5秒!?」
残り、4秒。
彼は私達の方を向いて一瞬でなにか考えたように爆弾に向き直す。
残り、3秒。
そして、爆弾に覆いかぶさった。
彼自身が。
残り、2秒。
「莫迦!!」
響く太宰さんの声。
残り、1秒。
ぐっと目をつぶる彼。
それを止めようとするにももう間に合わないだろう太宰さん。
0
爆弾は、起爆しなかった。
入社試験であるから。
信じられない様に目を開く彼。
その前に立つ、私、太宰さん、国木田さん、谷崎くん。
彼は、自分の状況は理解出来てないようだ。