忌み子と自殺趣味
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朝、いつもより早く出社し国木田さんを最終確認を行っていた。
彼の入社試験をスムーズに終わらせるためにもこの確認は重要なものになるだろう。
ピピピピピピピ
電子音が社内に響いた。私の携帯から出ているようだ。
すいませんと、国木田さんに云い表示を見ると太宰さんと示されている。
何をやらかしたのやら。
一先ずでて見ようと思い通話釦を押す。
『もしもし。』
「あ、もしもし薙澄沙ちゃん?」
『はい。そうですけど。』
「実は死にそうなのだ。助けて。」
何を言い出すかと思えばそんなことか…。
『何でですか。』
「言ったじゃないか。死にそうだから。」
『良かったじゃありませんか。やっと願望が叶いますよ。』
「そうだけど。」
『それでは、打ち合わせがあるので』
「えっちょっ…」
プツッ!
そうやって切ると悲しく流れる電子音。
国木田さんによかったのか?と聞かれるが太宰さんに助けを求められただけなのでと云うと納得してくれた。
『そろそろ準備ですね。』
「だな。準備はいいか谷崎。」
「はい…まァ。」
そう云う彼の顔色は少し悪い。
ナオミちゃんはとても嬉しそうな顔をしており谷崎くんにベッタリだ。
「私はいつでも準備出来てますわよ。」
「うン、そうだね…。」
頑張れ谷崎くん。
心の中で念を送っておこう。
『国木田さん、時間です。』
「そうか。それでは皆、持ち場に付け。薙澄沙、行くぞ。」
『はい。』
街に出て、云われたルートを歩く。
そろそろ出会うはずなのだが…。
『あ、来ました。国木田さん。』
「そうか。なら、手筈通りに行くぞ。」
『はい。』
国木田さんと目配せをし出ていく。
あたかも、長い距離を走ってきたように見せるため少し戻り本当に走る。
「ここに居ったかァ!」
国木田さんに少し遅れて出ていく。
「こっの、包帯無駄遣い装置!!」
打ち合わせをしたとは云え、やはり笑いそうになるこのセンス。
「……国木田君。今の呼称はどうかと思う。流石の私もちょっと傷ついたよ。」
『この非常事態になんで出歩いているんですか!早く戻ってください。』
「二人共朝から元気だなあ…。あんまり怒鳴ると悪い体内物質が分泌されてそのうち痔に罹るよ。」
「何、本当か!?」
「メモしておくといい。」
国木田さんが手帳を取り出しメモをする。
『国木田さん、それは嘘ですよ。』
私がそう云うと国木田さんはいつも通り太宰さんを殴った。
「あの……【非常事態】って?」
見かねたように声をかける敦くん。
彼の目もまたやってると語っていた。
「そうだった!探偵社に来い!人手が要る!」
パッと太宰さんを離す国木田さん。
「何で?」
『爆弾魔が、人質を連れて探偵社に立て篭りました。』
私は上手く言えただろうか。
演技はそこまでうまくないのだが。
「それは大変だ!敦くん、行くよ!」
「え、何で僕まで!?」
「人手が要ると言っただろう!」
そう言って4人で探偵社に向かい走った。
探偵社に戻り、物陰に隠れるようにして社内を進む。
「嫌だァ……、もう嫌だ……。」
立派な廃人となっている谷崎くんを見つける。
流石、演技うまいな…。
「ぜんぶお前等の所為だ……。【武装探偵社】が悪いンだ!」
周りで怯える事務員。
人質役のナオミちゃんも顔が恐怖で染まっているように見える。
「社長は何処だ!早く出せ!」
社長は社長室です。
なんて、冷静に云うわけにもいかず黙ったまま谷崎くんを睨むようにする。
「でないと…、爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ!」
手筈通りにしてくれている。
よかった。
「あちゃー…。」
「怨恨だ。」
『犯人は探偵社に恨みがあるようで、社長に会わせないと爆破するとずっといってるんです。』
「ウチは色んな処から恨み買うからねえ。」
『それ覚悟で仕事していても慣れないものですよ…。』
はぁ、とため息をつく。
「うん。……あれ、高性能爆弾(ハイエクスプロオシブ)だ。この部屋くらいは吹き飛んじゃうね。」
『彼、すごいのをまた持ってきましたね。』
「そうだな…。」
そんな話をしていると敦くんは此処に居ていいのだろうかという表情に益々変わって行く。
「爆弾に何か被せて抑えるって手もあるけど……この状況じゃあな。」
『犯人を殴ってどうにかなるような状況でもありませんしね。』
「どうする?」
暫く、間が続く。
頭脳派の太宰さんに任せるべきだろうな。
「会わせてあげたら?社長に。」
『やめた方がいいと思いますよ。』
「殺そうとするに決まっているだろ!それに、社長は出張だ!」
「となると……人質をどうにかしないと。」
そう、太宰さんが云うと二人はバッとポーズを決め、ジャンケンを始めた。
組(コンビ)ではない為わからない合図であった。
「参加…しないんですか?」
敦くんがそう問いかけてきた。
『私にはこの2人が考えていることはよく分かんないですから。』
そう云い、ジャンケンの行く末を見守る。
勝者は、太宰さんであった。
勝った瞬間の太宰さんはにたぁと悪い笑みを浮かべ国木田さんをみる。
そして、どうぞと云う様に道を譲る。
わなわなと震える国木田さんは舌打ちをして谷崎くんの方に向かった。
敦くんは、これで良いのだろうかという顔で見ていたが、まぁ、何とかなるだろう。
「おい。落ち着け少年。」
「来るなァ!吹き飛ばすよ!」
おお、いい演技。
いい感じに冷や汗もかいてきている。
きっと、優しい彼のことだから、ごめんなさい国木田さん…とでも思っているのだろう。
国木田さんは、言われた言葉に従うように両手を上げ、何も持っていないことを示した。
「知ってるぞ。アンタは国木田だ!アンタもあの嫌味な【能力】とやらを使うンだろ!?妙な素振りをしたら皆道連れだ!」
そう云う谷崎くんは起爆スイッチを国木田さんに向けている。
「まずいね、これは。」
『さすが、探偵社に私怨を持つだけありますね。社員の顔と名前を調べてあるんですね。』
「社員である私たちが行っても余計警戒されるだけか……却説、どうしたものか…。」
そういう太宰さんの声に合わせ、顔を敦くんの方に向ける。
そして、二人で顔を見合わせ、にやぁと笑った。
彼の入社試験をスムーズに終わらせるためにもこの確認は重要なものになるだろう。
ピピピピピピピ
電子音が社内に響いた。私の携帯から出ているようだ。
すいませんと、国木田さんに云い表示を見ると太宰さんと示されている。
何をやらかしたのやら。
一先ずでて見ようと思い通話釦を押す。
『もしもし。』
「あ、もしもし薙澄沙ちゃん?」
『はい。そうですけど。』
「実は死にそうなのだ。助けて。」
何を言い出すかと思えばそんなことか…。
『何でですか。』
「言ったじゃないか。死にそうだから。」
『良かったじゃありませんか。やっと願望が叶いますよ。』
「そうだけど。」
『それでは、打ち合わせがあるので』
「えっちょっ…」
プツッ!
そうやって切ると悲しく流れる電子音。
国木田さんによかったのか?と聞かれるが太宰さんに助けを求められただけなのでと云うと納得してくれた。
『そろそろ準備ですね。』
「だな。準備はいいか谷崎。」
「はい…まァ。」
そう云う彼の顔色は少し悪い。
ナオミちゃんはとても嬉しそうな顔をしており谷崎くんにベッタリだ。
「私はいつでも準備出来てますわよ。」
「うン、そうだね…。」
頑張れ谷崎くん。
心の中で念を送っておこう。
『国木田さん、時間です。』
「そうか。それでは皆、持ち場に付け。薙澄沙、行くぞ。」
『はい。』
街に出て、云われたルートを歩く。
そろそろ出会うはずなのだが…。
『あ、来ました。国木田さん。』
「そうか。なら、手筈通りに行くぞ。」
『はい。』
国木田さんと目配せをし出ていく。
あたかも、長い距離を走ってきたように見せるため少し戻り本当に走る。
「ここに居ったかァ!」
国木田さんに少し遅れて出ていく。
「こっの、包帯無駄遣い装置!!」
打ち合わせをしたとは云え、やはり笑いそうになるこのセンス。
「……国木田君。今の呼称はどうかと思う。流石の私もちょっと傷ついたよ。」
『この非常事態になんで出歩いているんですか!早く戻ってください。』
「二人共朝から元気だなあ…。あんまり怒鳴ると悪い体内物質が分泌されてそのうち痔に罹るよ。」
「何、本当か!?」
「メモしておくといい。」
国木田さんが手帳を取り出しメモをする。
『国木田さん、それは嘘ですよ。』
私がそう云うと国木田さんはいつも通り太宰さんを殴った。
「あの……【非常事態】って?」
見かねたように声をかける敦くん。
彼の目もまたやってると語っていた。
「そうだった!探偵社に来い!人手が要る!」
パッと太宰さんを離す国木田さん。
「何で?」
『爆弾魔が、人質を連れて探偵社に立て篭りました。』
私は上手く言えただろうか。
演技はそこまでうまくないのだが。
「それは大変だ!敦くん、行くよ!」
「え、何で僕まで!?」
「人手が要ると言っただろう!」
そう言って4人で探偵社に向かい走った。
探偵社に戻り、物陰に隠れるようにして社内を進む。
「嫌だァ……、もう嫌だ……。」
立派な廃人となっている谷崎くんを見つける。
流石、演技うまいな…。
「ぜんぶお前等の所為だ……。【武装探偵社】が悪いンだ!」
周りで怯える事務員。
人質役のナオミちゃんも顔が恐怖で染まっているように見える。
「社長は何処だ!早く出せ!」
社長は社長室です。
なんて、冷静に云うわけにもいかず黙ったまま谷崎くんを睨むようにする。
「でないと…、爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ!」
手筈通りにしてくれている。
よかった。
「あちゃー…。」
「怨恨だ。」
『犯人は探偵社に恨みがあるようで、社長に会わせないと爆破するとずっといってるんです。』
「ウチは色んな処から恨み買うからねえ。」
『それ覚悟で仕事していても慣れないものですよ…。』
はぁ、とため息をつく。
「うん。……あれ、高性能爆弾(ハイエクスプロオシブ)だ。この部屋くらいは吹き飛んじゃうね。」
『彼、すごいのをまた持ってきましたね。』
「そうだな…。」
そんな話をしていると敦くんは此処に居ていいのだろうかという表情に益々変わって行く。
「爆弾に何か被せて抑えるって手もあるけど……この状況じゃあな。」
『犯人を殴ってどうにかなるような状況でもありませんしね。』
「どうする?」
暫く、間が続く。
頭脳派の太宰さんに任せるべきだろうな。
「会わせてあげたら?社長に。」
『やめた方がいいと思いますよ。』
「殺そうとするに決まっているだろ!それに、社長は出張だ!」
「となると……人質をどうにかしないと。」
そう、太宰さんが云うと二人はバッとポーズを決め、ジャンケンを始めた。
組(コンビ)ではない為わからない合図であった。
「参加…しないんですか?」
敦くんがそう問いかけてきた。
『私にはこの2人が考えていることはよく分かんないですから。』
そう云い、ジャンケンの行く末を見守る。
勝者は、太宰さんであった。
勝った瞬間の太宰さんはにたぁと悪い笑みを浮かべ国木田さんをみる。
そして、どうぞと云う様に道を譲る。
わなわなと震える国木田さんは舌打ちをして谷崎くんの方に向かった。
敦くんは、これで良いのだろうかという顔で見ていたが、まぁ、何とかなるだろう。
「おい。落ち着け少年。」
「来るなァ!吹き飛ばすよ!」
おお、いい演技。
いい感じに冷や汗もかいてきている。
きっと、優しい彼のことだから、ごめんなさい国木田さん…とでも思っているのだろう。
国木田さんは、言われた言葉に従うように両手を上げ、何も持っていないことを示した。
「知ってるぞ。アンタは国木田だ!アンタもあの嫌味な【能力】とやらを使うンだろ!?妙な素振りをしたら皆道連れだ!」
そう云う谷崎くんは起爆スイッチを国木田さんに向けている。
「まずいね、これは。」
『さすが、探偵社に私怨を持つだけありますね。社員の顔と名前を調べてあるんですね。』
「社員である私たちが行っても余計警戒されるだけか……却説、どうしたものか…。」
そういう太宰さんの声に合わせ、顔を敦くんの方に向ける。
そして、二人で顔を見合わせ、にやぁと笑った。