忌み子と自殺趣味
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急所を外し、彼女にわざと刺された。
「え…ウソ…なんでよけないの…?」
そういって彼女はカランと包丁を落とした。
こんなもの、昔に比べたら全然痛くない。
「なんで避けなかったの!?」
少しずつ正気が戻ってきたようだ。
「私…ほんとに…刺すつもりじゃなかった…。」
『そうですか。でも、貴女がした事は立派な犯罪です。』
刺された包丁を抜き、彼女に傷を見せる。
『分かりますか?これが貴女の犯した罪です。真っ赤に血が滲んで。ああ、痛い。』
「い…いや…。」
『どうやって償いますか?』
ジリジリと彼女に近寄っていく。
「いやぁぁぁ!!」
バンッと彼女が私の頬を叩く。
その拍子に取れた眼帯。
その奥の目を見て彼女は恐怖の表情が増した。
「ばっ…バケモノ!!」
『バケモノですか。そうかもしれませんね。さて、貴女はどうするのですか?罪を償いますか。どうするのですか?』
「わっ…わたしは。」
『償いたいと言うなら今はまだ許します。ですが、今後太宰さんには関わらないでください。』
「それはっ!」
『そうでなければ、私はここで警察を呼びます。致命傷ではないとはいえ、かなり痛いです。ですが、警察が来るまで貴女を取り押さえることは簡単でしょう。』
「わ…わかり…ました。」
『それでは、立ち去りなさい。私の気が変わらないうちに。』
「はい…。」
そういって、彼女は私のまえを去っていった。
脅しすぎただろうか。
『創壊生[生]…。』
そう呟き、怪我を治す。
痛みは残るから厄介だ。
『珍しくシャツを白にするんじゃなかった。』
血の滲んだシャツを見てつくづく思う。
これでは、殺人犯だろう。近くに落ちている包丁。
一旦、社に戻るか。
誰かは居るだろう…。
「あれ?薙澄沙ちゃん…?」
ああ、最悪だ。
一番見られたくない人がいた。
太宰さん…。なんでいるの…?
「って、どうしたの!?その血!」
『何でもないです。』
「何でもなくないだろう!?」
怪我見せて等と慌てている太宰さんを見るのが珍しくて笑ってしまった。
「何笑ってるの…。心配なんだよ。」
『いえ、すいません。大丈夫ですから。ほら。』
怪我したところを見せ、傷口が塞がっていることを見せる。
「大丈夫じゃないでしょ!?こんなに血が出てる。」
『大丈夫ですって。社に戻ってこれたんですから。そんなに心配なら、これ始末してください。』
そういって、私の血にまみれた包丁を渡す。
「…ねぇ、これ。誰にやられたの。」
『今日の女性です。ああ、安心してください。今後かかわらないように言いましたから。』
そうじゃなくてなどと呟く太宰さんを見たが私は首を傾げるばかりだ。
なにが、そうじゃないのだろう。
「あのね、そこは自分の身を一番に考えてよ…。」
『はあ…。』
痛みには慣れてる。そう言ったら怒りそうな雰囲気だ。
ああ、でも与謝野女医に色々言われそうだなと思った。
「ああ、情けない…。」
『?何がですか。』
「好きな人ひとり守れないのがだよ…。」
『…。』
「ごめんね、すぐに行けなくて。」
昔のことを思い出した。
まだ、村にいた頃。
彼も、好きな人を守れないのが情けないと言っていた。
「包丁、どうにかするね。着替えてきなよ。」
『はい。ありがとうございます。』
そう告げて私は更衣室に向かった。
私は、なぜ太宰さんを守ったのだろう。
恋愛感情ではない。
彼はただの友人だ。
しいて言うなら。いなくなると困るから。
もう無いとはいえ、万が一私の異能が暴走した場合の保険が欲しいのだ私は。
社長の異能によって抑えられているがどうなるか分からない。その時に、私を止めてもらうために必要なのはわかってる。
だからだろう。彼を守ったの。
私はまだ、喪服を着て生きなきゃいけないから。
皆の償いの為に。
脇腹あたりの鋭い痛みを気にしつつ着替え終わったのでフロアに行くと太宰さんが待っていてくれたようで一緒に帰ろうかと言ってくれた。
はいと返事をしてあとを付いていく。
「この包丁、捨てるわけにも行かなかったから持ってきたけど。」
『ああ、ありがとうございます。』
私は包丁を持ちそれを壊した。
跡形もなく。
『…モノって何でも儚いですよね。私にかかればどんなものでも粉々になってしまいます。』
「そうだね。」
『太宰さんも、生命は大切にしてください。』
「それは、薙澄沙ちゃんもでしょ。」
『それもそうですね。』
クスクスと笑い返事をする。
襲われた時の口調がやっとなくなってきた気がした。
「ごめん。結局迷惑かけたね。」
『あの女性のことですか?』
「うん…。」
『大丈夫ですよ。そんなに気にしなくていいです。』
「いや、気にすると思うよ。誰だって。」
『まぁ、それもそうですね。』
怪我させたという罪悪感があるのだろう。
「次は私をきちんと呼びなよ?」
『はい。そうします。』
「…やけに素直だね。」
『優しさは受け取っておく主義なので。』
「そっか。」
少し、太宰さんらしくなってきた。
心配、かけさせたな。
『そういえば、太宰さんの方は何も無かったんですか?』
「あー…いや。また、爆弾が届いたよ。」
『またですか。彼女も好きですね。』
「そうだね。」
『…その爆弾は一体?』
「ナイショ。」
『内緒ですか。』
太宰さんらしい答えだ。
ただ、周りに迷惑をかけなかったかということが気になるが。
「初めてあんなに真剣にぎゃふんっていったよ。」
『ぎゃふんなんて使う時があるんですね。』
「私もそう思った。」
内容は少しダークかもしれないが話は弾んだ。
早く痛みがひくことを願う。
「寮だね。」
『そうですね。』
「明日、がんばろうね。」
『まぁ、頑張るほどの役じゃないんですけどね。』
「こら、そんな事言わないの。」
『はい。それでは。』
「うん。おやすみ。」
『おやすみなさい。』
明日は敦くんの入社試験。
二人を呼びに行くという国木田さんと同じ役になったけれど、バレないように頑張らないとな。
「え…ウソ…なんでよけないの…?」
そういって彼女はカランと包丁を落とした。
こんなもの、昔に比べたら全然痛くない。
「なんで避けなかったの!?」
少しずつ正気が戻ってきたようだ。
「私…ほんとに…刺すつもりじゃなかった…。」
『そうですか。でも、貴女がした事は立派な犯罪です。』
刺された包丁を抜き、彼女に傷を見せる。
『分かりますか?これが貴女の犯した罪です。真っ赤に血が滲んで。ああ、痛い。』
「い…いや…。」
『どうやって償いますか?』
ジリジリと彼女に近寄っていく。
「いやぁぁぁ!!」
バンッと彼女が私の頬を叩く。
その拍子に取れた眼帯。
その奥の目を見て彼女は恐怖の表情が増した。
「ばっ…バケモノ!!」
『バケモノですか。そうかもしれませんね。さて、貴女はどうするのですか?罪を償いますか。どうするのですか?』
「わっ…わたしは。」
『償いたいと言うなら今はまだ許します。ですが、今後太宰さんには関わらないでください。』
「それはっ!」
『そうでなければ、私はここで警察を呼びます。致命傷ではないとはいえ、かなり痛いです。ですが、警察が来るまで貴女を取り押さえることは簡単でしょう。』
「わ…わかり…ました。」
『それでは、立ち去りなさい。私の気が変わらないうちに。』
「はい…。」
そういって、彼女は私のまえを去っていった。
脅しすぎただろうか。
『創壊生[生]…。』
そう呟き、怪我を治す。
痛みは残るから厄介だ。
『珍しくシャツを白にするんじゃなかった。』
血の滲んだシャツを見てつくづく思う。
これでは、殺人犯だろう。近くに落ちている包丁。
一旦、社に戻るか。
誰かは居るだろう…。
「あれ?薙澄沙ちゃん…?」
ああ、最悪だ。
一番見られたくない人がいた。
太宰さん…。なんでいるの…?
「って、どうしたの!?その血!」
『何でもないです。』
「何でもなくないだろう!?」
怪我見せて等と慌てている太宰さんを見るのが珍しくて笑ってしまった。
「何笑ってるの…。心配なんだよ。」
『いえ、すいません。大丈夫ですから。ほら。』
怪我したところを見せ、傷口が塞がっていることを見せる。
「大丈夫じゃないでしょ!?こんなに血が出てる。」
『大丈夫ですって。社に戻ってこれたんですから。そんなに心配なら、これ始末してください。』
そういって、私の血にまみれた包丁を渡す。
「…ねぇ、これ。誰にやられたの。」
『今日の女性です。ああ、安心してください。今後かかわらないように言いましたから。』
そうじゃなくてなどと呟く太宰さんを見たが私は首を傾げるばかりだ。
なにが、そうじゃないのだろう。
「あのね、そこは自分の身を一番に考えてよ…。」
『はあ…。』
痛みには慣れてる。そう言ったら怒りそうな雰囲気だ。
ああ、でも与謝野女医に色々言われそうだなと思った。
「ああ、情けない…。」
『?何がですか。』
「好きな人ひとり守れないのがだよ…。」
『…。』
「ごめんね、すぐに行けなくて。」
昔のことを思い出した。
まだ、村にいた頃。
彼も、好きな人を守れないのが情けないと言っていた。
「包丁、どうにかするね。着替えてきなよ。」
『はい。ありがとうございます。』
そう告げて私は更衣室に向かった。
私は、なぜ太宰さんを守ったのだろう。
恋愛感情ではない。
彼はただの友人だ。
しいて言うなら。いなくなると困るから。
もう無いとはいえ、万が一私の異能が暴走した場合の保険が欲しいのだ私は。
社長の異能によって抑えられているがどうなるか分からない。その時に、私を止めてもらうために必要なのはわかってる。
だからだろう。彼を守ったの。
私はまだ、喪服を着て生きなきゃいけないから。
皆の償いの為に。
脇腹あたりの鋭い痛みを気にしつつ着替え終わったのでフロアに行くと太宰さんが待っていてくれたようで一緒に帰ろうかと言ってくれた。
はいと返事をしてあとを付いていく。
「この包丁、捨てるわけにも行かなかったから持ってきたけど。」
『ああ、ありがとうございます。』
私は包丁を持ちそれを壊した。
跡形もなく。
『…モノって何でも儚いですよね。私にかかればどんなものでも粉々になってしまいます。』
「そうだね。」
『太宰さんも、生命は大切にしてください。』
「それは、薙澄沙ちゃんもでしょ。」
『それもそうですね。』
クスクスと笑い返事をする。
襲われた時の口調がやっとなくなってきた気がした。
「ごめん。結局迷惑かけたね。」
『あの女性のことですか?』
「うん…。」
『大丈夫ですよ。そんなに気にしなくていいです。』
「いや、気にすると思うよ。誰だって。」
『まぁ、それもそうですね。』
怪我させたという罪悪感があるのだろう。
「次は私をきちんと呼びなよ?」
『はい。そうします。』
「…やけに素直だね。」
『優しさは受け取っておく主義なので。』
「そっか。」
少し、太宰さんらしくなってきた。
心配、かけさせたな。
『そういえば、太宰さんの方は何も無かったんですか?』
「あー…いや。また、爆弾が届いたよ。」
『またですか。彼女も好きですね。』
「そうだね。」
『…その爆弾は一体?』
「ナイショ。」
『内緒ですか。』
太宰さんらしい答えだ。
ただ、周りに迷惑をかけなかったかということが気になるが。
「初めてあんなに真剣にぎゃふんっていったよ。」
『ぎゃふんなんて使う時があるんですね。』
「私もそう思った。」
内容は少しダークかもしれないが話は弾んだ。
早く痛みがひくことを願う。
「寮だね。」
『そうですね。』
「明日、がんばろうね。」
『まぁ、頑張るほどの役じゃないんですけどね。』
「こら、そんな事言わないの。」
『はい。それでは。』
「うん。おやすみ。」
『おやすみなさい。』
明日は敦くんの入社試験。
二人を呼びに行くという国木田さんと同じ役になったけれど、バレないように頑張らないとな。