忌み子と自殺趣味
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「今戻った。」
『あ、国木田さん。おかえりなさい。』
「あぁ。これが、頼まれたやつだ。」
『あ、ありがとうございます。』
プリンを受け取り冷蔵庫に入れる。
今日は何故かこけしが入っていた。誰が何のために入れたのかはわからなかったが、そっとしておいた。
「乱歩さんは?」
『今は、駄菓子屋に行ってるみたいです。日持ちするものを買ってきたいそうで。』
「そうか。」
お昼ご飯を食べ終わったら、あのプリンを食べよう。
そういえば、朝あった敦くんは太宰さんに振り回されていないだろうか。少し不安がある。
「そう云えば、太宰の行方を知らんか?」
『あれ?朝会いましたよ。敦くんを連れていましたけど…。』
「…サボりか。彼奴は今日は朝から出勤している筈なのだが。」
『またどこかで流されてたりしそうですね。』
「それだけはやめてもらいたいものだな。だが、今日はきっと立ち飲み屋だな。」
『え、分かるんですか?さすが、探偵社きっての調査員組(コンビ)。』
「あんな奴と、組(コンビ)扱いするな。」
『でも、よく二人で解決していますからね。そう云われるのも、仕方の無い事だと思いますよ。』
そう云うと、国木田さんは矢張り嫌そうな顔をして、そんなこと二度と云うな。と云い、給湯室に向かって行った。
理想を崩していくスタイルで、太宰さんはいつも動いているからな…。
ふっと、視界の端で谷崎くんがいそいそと動いているのが見える。
どうしたのだろう。
『何かあったんですか?』
「あ、なンか爆弾が立ち飲み屋に届けられたらしくて…。少しでも動いたら、爆発しそうな状況らしいンだ。だから、行ってくるよ。」
『気をつけてくださいね。』
「うん、ありがとう。薙澄沙さん。」
準備が出来たようで彼は走って探偵事務所から出ていった。
立ち飲み屋に爆弾って、どういう状況なのだろう…。
まとめ終わった報告書を出し、暫くデスクワークをしていると、携帯電話が鳴り出した。
誰からだろうと思って画面を見ると、太宰さんと名前が出ていた。
…どうしたのだろう?
通話釦を押し、会話を始める。
『…はい。鳴那月です。』
「薙澄沙ちゃん。ちょっと手伝ってもらいたいことがあって。」
何か、嫌な予感がする。
これは断るべきだと頭の中で警報がなっている。
『遠慮させてもらっても?』
「えー、報酬には好きなケーキをあげるけど?」
『うっ…。』
甘いもので釣るなんて卑怯だ。
私が甘いの好きなのに。
「あと、シュークリームをつけてあげようか。」
頭を中の警報と報酬の甘い物が天秤にかけられる。
どっちが大事?
自分の命…をかけることはないだろうけど、太宰さんが頼んでくるから可能性はあるかもしれない。
「お願い。薙澄沙ちゃん。」
『…あぁ、もう。分かりました。受けます。』
「本当!?何も喋らず、横にいるだけでいいから!今から来れる?」
『何処に居るんですか?』
「ああ、あそこだよ――。」
場所を指定されて私が向かったのはある立ち飲み屋。
本当に立ち飲み屋に居たんだ…。これが予測できた国木田さん…。さすが組だな。
「来てもらってごめんね。」
『はい。それで?私は何をすれば。』
「唯、静かに私の横に立っていればいいだけだよ。」
『…本当に?』
「嗚呼、本当だ。ただ、それだけの簡単な仕事だけど、薙澄沙ちゃんにしか頼めなくてね。」
『…はぁ。』
私にしか出来ないって、太宰さんは一体何をするつもりなのだろう。
「あ、あと。手、繋がせて?」
『え、何でですか。』
「いいから。」
そう云うと、太宰さんは私の手をとった。
手首よりも少し上まで巻かれた包帯が掌にふれて、少し違和感を感じるが嫌いではない。
少しだけ冷えている手の温度が気持ちいい。
「手、小さいんだね。」
『?そうですか?』
突然そう云われて、空いている方の手を見つめる。自分では分からないが、握っている太宰さんが云うのだから、きっとそうなのだろう。
確かに、太宰さんの手の中にすっぽりと自分の手は包まれている。
そう思うと、小さいのかもしれない。
私の手を引いて歩く太宰さん。
少し前を歩くことになった、彼の背中を見つめて、背中、大きいんだな、と思ってペースを合わせた。
『あ、国木田さん。おかえりなさい。』
「あぁ。これが、頼まれたやつだ。」
『あ、ありがとうございます。』
プリンを受け取り冷蔵庫に入れる。
今日は何故かこけしが入っていた。誰が何のために入れたのかはわからなかったが、そっとしておいた。
「乱歩さんは?」
『今は、駄菓子屋に行ってるみたいです。日持ちするものを買ってきたいそうで。』
「そうか。」
お昼ご飯を食べ終わったら、あのプリンを食べよう。
そういえば、朝あった敦くんは太宰さんに振り回されていないだろうか。少し不安がある。
「そう云えば、太宰の行方を知らんか?」
『あれ?朝会いましたよ。敦くんを連れていましたけど…。』
「…サボりか。彼奴は今日は朝から出勤している筈なのだが。」
『またどこかで流されてたりしそうですね。』
「それだけはやめてもらいたいものだな。だが、今日はきっと立ち飲み屋だな。」
『え、分かるんですか?さすが、探偵社きっての調査員組(コンビ)。』
「あんな奴と、組(コンビ)扱いするな。」
『でも、よく二人で解決していますからね。そう云われるのも、仕方の無い事だと思いますよ。』
そう云うと、国木田さんは矢張り嫌そうな顔をして、そんなこと二度と云うな。と云い、給湯室に向かって行った。
理想を崩していくスタイルで、太宰さんはいつも動いているからな…。
ふっと、視界の端で谷崎くんがいそいそと動いているのが見える。
どうしたのだろう。
『何かあったんですか?』
「あ、なンか爆弾が立ち飲み屋に届けられたらしくて…。少しでも動いたら、爆発しそうな状況らしいンだ。だから、行ってくるよ。」
『気をつけてくださいね。』
「うん、ありがとう。薙澄沙さん。」
準備が出来たようで彼は走って探偵事務所から出ていった。
立ち飲み屋に爆弾って、どういう状況なのだろう…。
まとめ終わった報告書を出し、暫くデスクワークをしていると、携帯電話が鳴り出した。
誰からだろうと思って画面を見ると、太宰さんと名前が出ていた。
…どうしたのだろう?
通話釦を押し、会話を始める。
『…はい。鳴那月です。』
「薙澄沙ちゃん。ちょっと手伝ってもらいたいことがあって。」
何か、嫌な予感がする。
これは断るべきだと頭の中で警報がなっている。
『遠慮させてもらっても?』
「えー、報酬には好きなケーキをあげるけど?」
『うっ…。』
甘いもので釣るなんて卑怯だ。
私が甘いの好きなのに。
「あと、シュークリームをつけてあげようか。」
頭を中の警報と報酬の甘い物が天秤にかけられる。
どっちが大事?
自分の命…をかけることはないだろうけど、太宰さんが頼んでくるから可能性はあるかもしれない。
「お願い。薙澄沙ちゃん。」
『…あぁ、もう。分かりました。受けます。』
「本当!?何も喋らず、横にいるだけでいいから!今から来れる?」
『何処に居るんですか?』
「ああ、あそこだよ――。」
場所を指定されて私が向かったのはある立ち飲み屋。
本当に立ち飲み屋に居たんだ…。これが予測できた国木田さん…。さすが組だな。
「来てもらってごめんね。」
『はい。それで?私は何をすれば。』
「唯、静かに私の横に立っていればいいだけだよ。」
『…本当に?』
「嗚呼、本当だ。ただ、それだけの簡単な仕事だけど、薙澄沙ちゃんにしか頼めなくてね。」
『…はぁ。』
私にしか出来ないって、太宰さんは一体何をするつもりなのだろう。
「あ、あと。手、繋がせて?」
『え、何でですか。』
「いいから。」
そう云うと、太宰さんは私の手をとった。
手首よりも少し上まで巻かれた包帯が掌にふれて、少し違和感を感じるが嫌いではない。
少しだけ冷えている手の温度が気持ちいい。
「手、小さいんだね。」
『?そうですか?』
突然そう云われて、空いている方の手を見つめる。自分では分からないが、握っている太宰さんが云うのだから、きっとそうなのだろう。
確かに、太宰さんの手の中にすっぽりと自分の手は包まれている。
そう思うと、小さいのかもしれない。
私の手を引いて歩く太宰さん。
少し前を歩くことになった、彼の背中を見つめて、背中、大きいんだな、と思ってペースを合わせた。