忌み子と自殺趣味
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『こんばんはー。』
バー【magnat littéraire】
カランカランと扉についているベルが鳴った。
「待ってたよ。お疲れ様。」
『すいません、急に遅れることになっちゃって。』
「来てもらってるのは、こっちだからね。謝らなくたっていいよ。で、後ろの彼らは。」
そう言ってマスターは後ろに居た皆に目を向けた。
まぁ、割と人数が多いからね…。
『探偵社の皆様です。席、大丈夫ですか?』
「ああ、大丈夫だよ。皆様、薙澄沙がお世話になっています。」
「いえ、こちらこそ薙澄沙が世話になっています。」
『国木田さん、お父さんみたいですね。』
思ったことを口にしたら、頭をグリグリとされた。
痛い…。
何とか手をのける。
『更衣室、借りますね。』
「ああ、行っておいで。」
カウンターの中に入り、更衣室に向かう。
ロッカーを開けて、服を取り出す。
あまりきなれない服に腕を通す。
黒の落ち着いたワンピース。バーで歌うぐらいには丁度いいぐらいに大人っぽい雰囲気のものだ。
眼帯を外す。
此処は物好きが多いらしくとっても大丈夫らしい。
あまり気にせず、気を抜いていられる。
歌も、BGM程度に考えてくれている。
それに、前此処で歌っていた人が私と似たような目をしていたので助かる所だ。
あの人は元気なのかな。
今は歌手をしていると聞く。テレビをあまり見ないのでわからないが…。
『よし。』
準備もできた。
曲を弾いてくれるみんなも待っているだろう。
行かなきゃ。
ステージに立つと周りから少し拍手が起きた。
いつも無いことだが、探偵社の皆がしてくれたのだろう。
嬉しいことだ。
『遅くなり申し訳ありません。本職の方が長引いてしまって。お待ち頂き、ありがとうございました。それでは、今日は3曲。1曲目は―』
1曲目の曲の紹介を終え、歌い始める。
ジャズ調の曲で私の好きな曲でもある。
歌ってて気持ちいい。
1曲目を歌い終えると二曲目の紹介に入る。
2曲目もジャズ調の曲。
だが、1曲目とは違う雰囲気の曲だ。
これも歌っていて楽しい。
身体が自然に動く、そういう曲だ。
2曲目を歌い終え、3曲目に入る時リクエストを聞くことにしてある。
メンバーの皆には伝えてあるので何とかなるだろう。
『それでは、今回の3曲目はリクエストを聞きたいと思います。私がいつもお世話になっている探偵社の方、太宰さん。なにか1曲、ありませんか?』
「えー、薙澄沙。僕じゃないの?」
『乱歩さんはまた聞きますね。今日は太宰さんの日です。』
乱歩さんなら、云うと思っていたが、それでも今日は聞く人を決めてあったのであっさり引き下がってくれる。
「あ、『蛍火』っていう曲知ってる?」
『えっと、ほたるーびーのそらのーしたでって言うのですか?』
「そうそれ。」
『取り敢えず知っていますけど…。どうですか?』
「私、弾けるわよ。」
『マリさん。他の方は…あぁ、分かりました。』
何時も、ピアノを弾いてもらっているマリさんだけ弾けるようなのでマリさんにピアノを頼むことにした。
ピアノさえあれば、とりあえず何とかなるだろう。
『いけますか?』
「ええ、大丈夫。貴女からお願いできる?」
『はい。』
私は一度目を閉じ深く息を吸う。
私が歌う時にしていることだ。
こうすると、あまり失敗しない。
さぁ、歌おう。
――蛍火の空の下で 会えない君に会おうとした
むきだしの僕のヒカリ “君の一部になろう”
ピアノが始まり間奏を奏でる。
彼女のピアノは凄い。
人を魅了することが出来る。それでもここを離れないのはここが好きだかららしい。
ラストサビ前に入り始めた。
私の好きな歌詞がここからなんだよな…。
――あんなに好きになったのは 今も特別な君だから
この先違う誰かと出逢って 愛してく意味をまた覚えていっても
思い出ぽろぽろ 伝い 涙になって流れてくる
戻らない時を背負い 人は生きてゆくよ
蛍火の空の下で 会えない君に会おうとした
もう二度と振り向かない あの頃の笑顔を
この手に 抱きしめて
ピアノの後奏が入り曲が終わる。
あぁ、やっぱりこの曲は大好きだ。
でも、私はこの曲が…。
『今日の3曲目はリクエストの蛍火でした。ありがとうございました。』
そう言ってお辞儀をして、お礼を云う。
何時も曲を弾いて下さる皆さんにもお礼を告げ、探偵社の皆のところに向かう。
『聞いて下さり、ありがとうございました。』
そう告げて頭を下げると頭に手を乗せられた感覚がある。
誰の手だろう。
そう思って顔をあげると太宰さんの手が乗っていた。
「リクエスト、聞いてくれてありがとう。」
『いえ、約束でしたし。』
「でも、気に食わないなぁ。」
『え?』
急に太宰さんの声がむっとしたものに変わった。
「何で皆隠してたのさ!!私に教えたっていいだろう!?」
そう太宰さんが云ってびしっと皆の方を指さした。
バー【magnat littéraire】
カランカランと扉についているベルが鳴った。
「待ってたよ。お疲れ様。」
『すいません、急に遅れることになっちゃって。』
「来てもらってるのは、こっちだからね。謝らなくたっていいよ。で、後ろの彼らは。」
そう言ってマスターは後ろに居た皆に目を向けた。
まぁ、割と人数が多いからね…。
『探偵社の皆様です。席、大丈夫ですか?』
「ああ、大丈夫だよ。皆様、薙澄沙がお世話になっています。」
「いえ、こちらこそ薙澄沙が世話になっています。」
『国木田さん、お父さんみたいですね。』
思ったことを口にしたら、頭をグリグリとされた。
痛い…。
何とか手をのける。
『更衣室、借りますね。』
「ああ、行っておいで。」
カウンターの中に入り、更衣室に向かう。
ロッカーを開けて、服を取り出す。
あまりきなれない服に腕を通す。
黒の落ち着いたワンピース。バーで歌うぐらいには丁度いいぐらいに大人っぽい雰囲気のものだ。
眼帯を外す。
此処は物好きが多いらしくとっても大丈夫らしい。
あまり気にせず、気を抜いていられる。
歌も、BGM程度に考えてくれている。
それに、前此処で歌っていた人が私と似たような目をしていたので助かる所だ。
あの人は元気なのかな。
今は歌手をしていると聞く。テレビをあまり見ないのでわからないが…。
『よし。』
準備もできた。
曲を弾いてくれるみんなも待っているだろう。
行かなきゃ。
ステージに立つと周りから少し拍手が起きた。
いつも無いことだが、探偵社の皆がしてくれたのだろう。
嬉しいことだ。
『遅くなり申し訳ありません。本職の方が長引いてしまって。お待ち頂き、ありがとうございました。それでは、今日は3曲。1曲目は―』
1曲目の曲の紹介を終え、歌い始める。
ジャズ調の曲で私の好きな曲でもある。
歌ってて気持ちいい。
1曲目を歌い終えると二曲目の紹介に入る。
2曲目もジャズ調の曲。
だが、1曲目とは違う雰囲気の曲だ。
これも歌っていて楽しい。
身体が自然に動く、そういう曲だ。
2曲目を歌い終え、3曲目に入る時リクエストを聞くことにしてある。
メンバーの皆には伝えてあるので何とかなるだろう。
『それでは、今回の3曲目はリクエストを聞きたいと思います。私がいつもお世話になっている探偵社の方、太宰さん。なにか1曲、ありませんか?』
「えー、薙澄沙。僕じゃないの?」
『乱歩さんはまた聞きますね。今日は太宰さんの日です。』
乱歩さんなら、云うと思っていたが、それでも今日は聞く人を決めてあったのであっさり引き下がってくれる。
「あ、『蛍火』っていう曲知ってる?」
『えっと、ほたるーびーのそらのーしたでって言うのですか?』
「そうそれ。」
『取り敢えず知っていますけど…。どうですか?』
「私、弾けるわよ。」
『マリさん。他の方は…あぁ、分かりました。』
何時も、ピアノを弾いてもらっているマリさんだけ弾けるようなのでマリさんにピアノを頼むことにした。
ピアノさえあれば、とりあえず何とかなるだろう。
『いけますか?』
「ええ、大丈夫。貴女からお願いできる?」
『はい。』
私は一度目を閉じ深く息を吸う。
私が歌う時にしていることだ。
こうすると、あまり失敗しない。
さぁ、歌おう。
――蛍火の空の下で 会えない君に会おうとした
むきだしの僕のヒカリ “君の一部になろう”
ピアノが始まり間奏を奏でる。
彼女のピアノは凄い。
人を魅了することが出来る。それでもここを離れないのはここが好きだかららしい。
ラストサビ前に入り始めた。
私の好きな歌詞がここからなんだよな…。
――あんなに好きになったのは 今も特別な君だから
この先違う誰かと出逢って 愛してく意味をまた覚えていっても
思い出ぽろぽろ 伝い 涙になって流れてくる
戻らない時を背負い 人は生きてゆくよ
蛍火の空の下で 会えない君に会おうとした
もう二度と振り向かない あの頃の笑顔を
この手に 抱きしめて
ピアノの後奏が入り曲が終わる。
あぁ、やっぱりこの曲は大好きだ。
でも、私はこの曲が…。
『今日の3曲目はリクエストの蛍火でした。ありがとうございました。』
そう言ってお辞儀をして、お礼を云う。
何時も曲を弾いて下さる皆さんにもお礼を告げ、探偵社の皆のところに向かう。
『聞いて下さり、ありがとうございました。』
そう告げて頭を下げると頭に手を乗せられた感覚がある。
誰の手だろう。
そう思って顔をあげると太宰さんの手が乗っていた。
「リクエスト、聞いてくれてありがとう。」
『いえ、約束でしたし。』
「でも、気に食わないなぁ。」
『え?』
急に太宰さんの声がむっとしたものに変わった。
「何で皆隠してたのさ!!私に教えたっていいだろう!?」
そう太宰さんが云ってびしっと皆の方を指さした。