綴るのは…。
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Side 詩葉
中原さんはよく怪我をして帰ってくるのに此処に来てくれない。
太宰さんを見送った医務室のデスクの前に座り考え込んだ。
仕方なくいつも詩音に薬を渡して治療をしてもらっているのだが、ぱっと見える分の傷の分しか薬が渡せないのが辛いところだ。
『何故、来てくれないのか…。』
確かに、私の見た目は妹と違い暗いだろう。目も死んでるとよく言われる。近寄り難いだろうが基本誰でも来てくれる。
来ないのは、中原さんぐらいだろう。
太宰さんなんか常連だしな。
それに、小さい頃からよく一緒にいる西鬼もよく来る。
「綴璃の姉貴ィ。」
ほら、来た。
『やぁ、西鬼。今日はどうしたンだい?』
「時間空いたからさ、昼頃だしメシ食いに行こうと思って誘いに来た。」
こうやってお昼の誘いだって来てくれることが多い。
『嗚呼、確かに。もうそんな時間か。誘いありがと。』
「いいって。綴璃の姉貴、誘いに来ないと食わねぇんだから。」
『いやぁ、気をつけてはいるけどね…。』
1度、食事を抜きすぎて私が倒れたことがあった。それ以来よく誘いに来てくれる。
財布を取り出し立ち上がり、医務室前のプレートを外出中に変えて彼について行く。
彼は私たちと同じ孤児だ。かなり明るい性格をしている。何も無い時でも医務室によく来るので怪我が無いことをいつも願う。
途中ですれ違う広津さんに会釈をして外に出た。
嗚呼、あの食堂で食べるのかなと思う。あそこは美味しい。カレーが売りだと聞く。
何を食べようか…。
行き先は当たりだったようだ。
ガラッとドアを開けると1人、先約がいた。
赤茶色のふわっとした髪。クリーム色のスーツ。織田作之助さんだ。
太宰さんに付いて酒を飲む時たまにバーにいるのを見る。確か、太宰さんの友人だとも聞く。
そんな彼も、たまにだが医務室には来たりする。
ちょっとした切り傷の手当だったりとか。
「あ、織田作サン。こんにちはっす。」
そう、西鬼が声をかけた。
会釈が帰ってきた。
隣、大丈夫かと聞くとまた会釈が帰ってくる。
カレーを食べるのに必死なようだ。
織田作さんの隣の席に座りカレーを頼む。
私もここのカレーが好きだ。
1度、織田作さんとここのカレーの話で盛り上がったこともある。
彼とはカレー話で話をするようになったものだ。
見た目はしっかりしてそうだが、かなりの天然で、太宰さんの突っ込むべきところも、そうか、の一言で流したり、ボケたりしている。わざとではないことは分かっている。
ぼーっとカレーがここに来るのを待つ。
カレー、いっちょ上がり!と言って、店主がカレーを出してくれた。西鬼はカツカレーを頼んだようだ。
横で、カツカレーが出されていた。
店主に礼を言い、手を合わせ、いただきますという。
今日のカレーも相変わらず美味しい。
織田作さんはすぐに食べ終わり、ここの店の2階に上がっていった。
確か、孤児になってしまった子達がいるという。
上からドタバタと足音が聞こえる。
楽しそうで何よりだ。
『ご馳走様。』
「綴璃の姉貴、速いな。」
『ここのカレーは美味しいからな。』
「ありがとよ、詩葉ちゃん。」
『いえ、本当ですし。』
ふっと微笑む。
「姉貴、もっと笑えばいいのになァ。」
『は?』
「いや、美人だし?」
『…目、大丈夫か?』
「いや、だってねぇ?」
「ハハッ、詩葉ちゃん頑張れよ。」
『…はぁ。』
私は余り表情を作らないし、笑うほうじゃない。
社交辞令程度だ。
妹は可愛くて美人なんだよ。
嗚呼、でもエリスちゃんにも言われたな…。
もっと笑ったら可愛いのにって。
詩音にも言われるし、良く分からない。
そんな事を考えているうちに西鬼も食べ終わったようでご馳走様と言って手を合わせている。
『えっと、520円ですよね。』
「おうっ、ありがとね。」
「俺は、600円だな。」
「また来てよ!」
『はい、また。』
そう言って、店を出た。
俺はこっちだわと言った西鬼と別れる。
さて、私も医務室に戻らないとな。
中原さんはよく怪我をして帰ってくるのに此処に来てくれない。
太宰さんを見送った医務室のデスクの前に座り考え込んだ。
仕方なくいつも詩音に薬を渡して治療をしてもらっているのだが、ぱっと見える分の傷の分しか薬が渡せないのが辛いところだ。
『何故、来てくれないのか…。』
確かに、私の見た目は妹と違い暗いだろう。目も死んでるとよく言われる。近寄り難いだろうが基本誰でも来てくれる。
来ないのは、中原さんぐらいだろう。
太宰さんなんか常連だしな。
それに、小さい頃からよく一緒にいる西鬼もよく来る。
「綴璃の姉貴ィ。」
ほら、来た。
『やぁ、西鬼。今日はどうしたンだい?』
「時間空いたからさ、昼頃だしメシ食いに行こうと思って誘いに来た。」
こうやってお昼の誘いだって来てくれることが多い。
『嗚呼、確かに。もうそんな時間か。誘いありがと。』
「いいって。綴璃の姉貴、誘いに来ないと食わねぇんだから。」
『いやぁ、気をつけてはいるけどね…。』
1度、食事を抜きすぎて私が倒れたことがあった。それ以来よく誘いに来てくれる。
財布を取り出し立ち上がり、医務室前のプレートを外出中に変えて彼について行く。
彼は私たちと同じ孤児だ。かなり明るい性格をしている。何も無い時でも医務室によく来るので怪我が無いことをいつも願う。
途中ですれ違う広津さんに会釈をして外に出た。
嗚呼、あの食堂で食べるのかなと思う。あそこは美味しい。カレーが売りだと聞く。
何を食べようか…。
行き先は当たりだったようだ。
ガラッとドアを開けると1人、先約がいた。
赤茶色のふわっとした髪。クリーム色のスーツ。織田作之助さんだ。
太宰さんに付いて酒を飲む時たまにバーにいるのを見る。確か、太宰さんの友人だとも聞く。
そんな彼も、たまにだが医務室には来たりする。
ちょっとした切り傷の手当だったりとか。
「あ、織田作サン。こんにちはっす。」
そう、西鬼が声をかけた。
会釈が帰ってきた。
隣、大丈夫かと聞くとまた会釈が帰ってくる。
カレーを食べるのに必死なようだ。
織田作さんの隣の席に座りカレーを頼む。
私もここのカレーが好きだ。
1度、織田作さんとここのカレーの話で盛り上がったこともある。
彼とはカレー話で話をするようになったものだ。
見た目はしっかりしてそうだが、かなりの天然で、太宰さんの突っ込むべきところも、そうか、の一言で流したり、ボケたりしている。わざとではないことは分かっている。
ぼーっとカレーがここに来るのを待つ。
カレー、いっちょ上がり!と言って、店主がカレーを出してくれた。西鬼はカツカレーを頼んだようだ。
横で、カツカレーが出されていた。
店主に礼を言い、手を合わせ、いただきますという。
今日のカレーも相変わらず美味しい。
織田作さんはすぐに食べ終わり、ここの店の2階に上がっていった。
確か、孤児になってしまった子達がいるという。
上からドタバタと足音が聞こえる。
楽しそうで何よりだ。
『ご馳走様。』
「綴璃の姉貴、速いな。」
『ここのカレーは美味しいからな。』
「ありがとよ、詩葉ちゃん。」
『いえ、本当ですし。』
ふっと微笑む。
「姉貴、もっと笑えばいいのになァ。」
『は?』
「いや、美人だし?」
『…目、大丈夫か?』
「いや、だってねぇ?」
「ハハッ、詩葉ちゃん頑張れよ。」
『…はぁ。』
私は余り表情を作らないし、笑うほうじゃない。
社交辞令程度だ。
妹は可愛くて美人なんだよ。
嗚呼、でもエリスちゃんにも言われたな…。
もっと笑ったら可愛いのにって。
詩音にも言われるし、良く分からない。
そんな事を考えているうちに西鬼も食べ終わったようでご馳走様と言って手を合わせている。
『えっと、520円ですよね。』
「おうっ、ありがとね。」
「俺は、600円だな。」
「また来てよ!」
『はい、また。』
そう言って、店を出た。
俺はこっちだわと言った西鬼と別れる。
さて、私も医務室に戻らないとな。