綴るのは…。
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詩葉side
なかなか奇妙な光景が広がっていると思った。
あの中原さんが太宰さんと一緒の机を囲んでいること自体異例なのだろう。
「詩葉!おかわり!」
『はい、ただいま。』
エリス嬢のおかわりをよそい、自分も黙々とカレーを食べる。
カレーを作っているとだんだん人が集まってきてこんな状態ができた。皆お腹減りすぎだろうとか思いながら買ってきてある材料の多さにも驚いていた。
予測でもしてあったのか…?
そういえばなんで中原さんは私を探していたのだろう。
あぁ、でも治療が上手くいってよかった。
よく食べるみんなを横目にぼーっと考えているとおかわりの声が沢山飛んでくる。
はい、ただいまと云いながらカレーをよそう。
太宰さんと中原さんがいつの間にか言い合いを始めていて部屋が壊れないか不安になった。
まぁ、そんな事はしないだろうが…。
いつの間にか、1人、2人と人が減っていきカレー会はお開きになった。
「綴璃の姉貴。カレーありがとな。」
『僕は完全に病み上がりの対応をされなかったよな。』
「まぁ、細けぇ事は気にすンなって。」
「ごめんね、お姉ちゃん。」
『いや、僕も楽しかったから別にいいよ。』
ケラケラと笑いながら2人はまた食べたいと言っていた。
また、カレー会をしなきゃな。
「それじゃあな。」
『ああ。』
「また、ゆっくり話そうね。」
『そうだな。また、話そうか。』
そう言って、二人が部屋から離れた。
片付けをしないとな。
と、その前に。
『中原さん。2人とも行きましたよ。隠れてないで出てきたらどうですか?』
隠れている中原さんを呼んだ。
「バレてたか。」
『まぁ、伊達にマフィア続けてませんよ。中へどうぞ。』
「いや、すぐ済む。」
『いえ、怪我の経過も聞きたいですから入ってください。お茶ぐらい出しますから。』
「…ああ。」
おや、折れてくれたようだ。
まぁ、好都合なのだけれど…。
中原さんを部屋に入れお茶を出す準備をした。
『それで、どうですか?体の調子は。』
お茶を出して中原さんの向かいに座る。
「あぁ、驚くぐらいに調子がいい。」
『それならよかったです。すべて治療し終わる頃に気を失ってしまったので、完全に治療できてたか不安だったんです。』
笑みを作り少しでも落ち着いてもらえるようにする。
居づらいだろうなと思いながらも、ここにいてもらったのは今後のことについて話すためだ。
『今後はあまり無理をしないようにしてください。怪我をしたらすぐに治療に来てくださいね。詩音に渡す分の薬では足りないことが多そうなので。』
「ああ。」
中原さんは何かを考えるように下を向いてしまった。
どうしたのだろう。
「…すまなかった。」
『は?』
思わず変な声が出てしまうほど驚いた。
プライドの高そうな中原さんが頭を下げて謝った。
何故だ。
僕は悪いことをしたか?
「ぶっ倒れるまで治療してもらって済まなかった。詩音に何も言われなかったか?」
『いえ…特には。』
あの部類はよくあることだ。気にしなくてもいいのに…。
「3日も眠り続けるほど重症だったんだ。俺は治して貰わなきゃ、きっと死んでただろ?」
『…はい。かなり危険な状態でした。なので、私は3日間眠るという事になりました。』
「はっきりいってくれて助かる。」
『ですが。』
自分を追い詰めてしまっている中原さんは何か違う。いつもの調子に、いつもの詩音の上司に戻ってもらわなくては。
『僕は後悔していない。僕は、あなたを治してよかった。そう思っている。そのおかげで、詩音が悲しまずに済んだ。そのおかげで、僕は貴方とこうやって話をすることが出来た。初めてですね、こうやってきちんと話をするのは。』
「あ…ああ。」
僕が一息に言ったので、中原さんは驚いてしまったようだ。肺活量は、まぁある方だ。
「詩音に、お姉ちゃんによくお礼を言ってくださいって言われたよ。」
『詩音が…ですか?』
「ああ。私が悲しまなかったのはお姉ちゃんのお陰だ。私達は、二人で一つだからお姉ちゃんは絶対に目が覚める。だから、本当にお姉ちゃんに感謝してくださいってな。」
『ははっ、詩音なら言いそうだ。』
声を真似していうものだから笑ってしまった。よく似ている。
「すまなかったな。迷惑かけた。」
そう言って、トレードマークの素敵帽子をとった。
「ありがとう。」
そう、礼を言って優しく中原さんは微笑んだ。
とても綺麗な笑顔に、僕は思わず目が離せなかった。
一瞬目を奪われてしまったが、すぐに平常心を取り戻した僕は、はい。と、答えた。
『こんなにいい上司をもらって詩音は幸せ者だな…。』
そう、小声で呟いて僕は中原さんを見直す。
すると彼は、部屋に入る前より落ち着いたようで、出したお茶を飲んでくれていた。
「うまいな、このお茶。」
『それは良かったです。気にいってる会社なので。』
「今度教えてくれよ。」
『ああ、それなら少し持っていってもいいですよ。』
「いいのか?」
『少し買いすぎてしまったので。どうぞ。』
僕は立ち上がり台所に向かった。
使っていた茶葉の缶を取り出して中原さんのいるところに戻る。
「ありがとな。」
『はい。』
缶を渡して元の場所に座る。
中原さんは、これか…などといいながらかんをしげしげと見ていた。
「ありがとな。」
『いえ、今度は医務室でお会いしましょう。怪我をしたらきちんと来てくださいね。』
「まぁ、検討しておく。」
『きちんと来てくださいね。』
ニッコリと微笑んでそういうと中原さんの顔がひきつった。まぁ、笑わない僕がここまで笑顔を作っているからな…。
「…太宰が居るから嫌なんだよ。」
『あぁ、それでだったんですか…。』
引きつったのは笑顔のせいかと思ったが、本当に来るのが嫌なようだ。
『それなら、言ってくださればそちらに向かったのですが…。』
「そうなのか?」
『怪我人はほうっておかない主義なんで…。連絡先を交換しましょう。これならいつでも僕を呼び出せますよ。』
「ああ。そうだな。」
互いが連絡先を交換した。
新しく増えた連絡先が少し嬉しいような気がする。
「綴璃…詩葉か。」
『はい。そうですよ。』
名前を見た中原さんはそうつぶやいたので返事をしてみた。
面白い人だ。
「…なぁ。」
『何ですか?』
「敬語、やめていいぞ。つか、やめろ。慣れねぇ。」
『そうか。それならいつも通りの口調で行くよ。中原さん。』
「…苗字じゃなくてもいい。」
『そうか?でもまぁ…落ち着かないから、このままでもいいか?』
「まぁ、いい。」
『それならよかった。これから宜しく頼むよ、中原さん。連絡先も交換したんだ。有効活用してくれ。』
「ああ。ありがとな、綴璃。」
『僕の方は詩音とややこしくなるから詩葉でいい。』
「そうか。」
奇妙なやりとりをしていると思う。
初めて話すのだから仕方の無いことだろうが…。
「それじゃあ、ありがとな。詩葉。」
『こちらこそ。中原さん。またお会いしましょう。』
そう告げると、中原さんはにっと笑って下のフロアに向かう階段に向かっていった。
ボスに休みの許可といただいたし。とりあえず寝ようか…。
…なぜここで中原さんの笑顔を思い出す…。
でも、綺麗…だったよな。
なかなか奇妙な光景が広がっていると思った。
あの中原さんが太宰さんと一緒の机を囲んでいること自体異例なのだろう。
「詩葉!おかわり!」
『はい、ただいま。』
エリス嬢のおかわりをよそい、自分も黙々とカレーを食べる。
カレーを作っているとだんだん人が集まってきてこんな状態ができた。皆お腹減りすぎだろうとか思いながら買ってきてある材料の多さにも驚いていた。
予測でもしてあったのか…?
そういえばなんで中原さんは私を探していたのだろう。
あぁ、でも治療が上手くいってよかった。
よく食べるみんなを横目にぼーっと考えているとおかわりの声が沢山飛んでくる。
はい、ただいまと云いながらカレーをよそう。
太宰さんと中原さんがいつの間にか言い合いを始めていて部屋が壊れないか不安になった。
まぁ、そんな事はしないだろうが…。
いつの間にか、1人、2人と人が減っていきカレー会はお開きになった。
「綴璃の姉貴。カレーありがとな。」
『僕は完全に病み上がりの対応をされなかったよな。』
「まぁ、細けぇ事は気にすンなって。」
「ごめんね、お姉ちゃん。」
『いや、僕も楽しかったから別にいいよ。』
ケラケラと笑いながら2人はまた食べたいと言っていた。
また、カレー会をしなきゃな。
「それじゃあな。」
『ああ。』
「また、ゆっくり話そうね。」
『そうだな。また、話そうか。』
そう言って、二人が部屋から離れた。
片付けをしないとな。
と、その前に。
『中原さん。2人とも行きましたよ。隠れてないで出てきたらどうですか?』
隠れている中原さんを呼んだ。
「バレてたか。」
『まぁ、伊達にマフィア続けてませんよ。中へどうぞ。』
「いや、すぐ済む。」
『いえ、怪我の経過も聞きたいですから入ってください。お茶ぐらい出しますから。』
「…ああ。」
おや、折れてくれたようだ。
まぁ、好都合なのだけれど…。
中原さんを部屋に入れお茶を出す準備をした。
『それで、どうですか?体の調子は。』
お茶を出して中原さんの向かいに座る。
「あぁ、驚くぐらいに調子がいい。」
『それならよかったです。すべて治療し終わる頃に気を失ってしまったので、完全に治療できてたか不安だったんです。』
笑みを作り少しでも落ち着いてもらえるようにする。
居づらいだろうなと思いながらも、ここにいてもらったのは今後のことについて話すためだ。
『今後はあまり無理をしないようにしてください。怪我をしたらすぐに治療に来てくださいね。詩音に渡す分の薬では足りないことが多そうなので。』
「ああ。」
中原さんは何かを考えるように下を向いてしまった。
どうしたのだろう。
「…すまなかった。」
『は?』
思わず変な声が出てしまうほど驚いた。
プライドの高そうな中原さんが頭を下げて謝った。
何故だ。
僕は悪いことをしたか?
「ぶっ倒れるまで治療してもらって済まなかった。詩音に何も言われなかったか?」
『いえ…特には。』
あの部類はよくあることだ。気にしなくてもいいのに…。
「3日も眠り続けるほど重症だったんだ。俺は治して貰わなきゃ、きっと死んでただろ?」
『…はい。かなり危険な状態でした。なので、私は3日間眠るという事になりました。』
「はっきりいってくれて助かる。」
『ですが。』
自分を追い詰めてしまっている中原さんは何か違う。いつもの調子に、いつもの詩音の上司に戻ってもらわなくては。
『僕は後悔していない。僕は、あなたを治してよかった。そう思っている。そのおかげで、詩音が悲しまずに済んだ。そのおかげで、僕は貴方とこうやって話をすることが出来た。初めてですね、こうやってきちんと話をするのは。』
「あ…ああ。」
僕が一息に言ったので、中原さんは驚いてしまったようだ。肺活量は、まぁある方だ。
「詩音に、お姉ちゃんによくお礼を言ってくださいって言われたよ。」
『詩音が…ですか?』
「ああ。私が悲しまなかったのはお姉ちゃんのお陰だ。私達は、二人で一つだからお姉ちゃんは絶対に目が覚める。だから、本当にお姉ちゃんに感謝してくださいってな。」
『ははっ、詩音なら言いそうだ。』
声を真似していうものだから笑ってしまった。よく似ている。
「すまなかったな。迷惑かけた。」
そう言って、トレードマークの素敵帽子をとった。
「ありがとう。」
そう、礼を言って優しく中原さんは微笑んだ。
とても綺麗な笑顔に、僕は思わず目が離せなかった。
一瞬目を奪われてしまったが、すぐに平常心を取り戻した僕は、はい。と、答えた。
『こんなにいい上司をもらって詩音は幸せ者だな…。』
そう、小声で呟いて僕は中原さんを見直す。
すると彼は、部屋に入る前より落ち着いたようで、出したお茶を飲んでくれていた。
「うまいな、このお茶。」
『それは良かったです。気にいってる会社なので。』
「今度教えてくれよ。」
『ああ、それなら少し持っていってもいいですよ。』
「いいのか?」
『少し買いすぎてしまったので。どうぞ。』
僕は立ち上がり台所に向かった。
使っていた茶葉の缶を取り出して中原さんのいるところに戻る。
「ありがとな。」
『はい。』
缶を渡して元の場所に座る。
中原さんは、これか…などといいながらかんをしげしげと見ていた。
「ありがとな。」
『いえ、今度は医務室でお会いしましょう。怪我をしたらきちんと来てくださいね。』
「まぁ、検討しておく。」
『きちんと来てくださいね。』
ニッコリと微笑んでそういうと中原さんの顔がひきつった。まぁ、笑わない僕がここまで笑顔を作っているからな…。
「…太宰が居るから嫌なんだよ。」
『あぁ、それでだったんですか…。』
引きつったのは笑顔のせいかと思ったが、本当に来るのが嫌なようだ。
『それなら、言ってくださればそちらに向かったのですが…。』
「そうなのか?」
『怪我人はほうっておかない主義なんで…。連絡先を交換しましょう。これならいつでも僕を呼び出せますよ。』
「ああ。そうだな。」
互いが連絡先を交換した。
新しく増えた連絡先が少し嬉しいような気がする。
「綴璃…詩葉か。」
『はい。そうですよ。』
名前を見た中原さんはそうつぶやいたので返事をしてみた。
面白い人だ。
「…なぁ。」
『何ですか?』
「敬語、やめていいぞ。つか、やめろ。慣れねぇ。」
『そうか。それならいつも通りの口調で行くよ。中原さん。』
「…苗字じゃなくてもいい。」
『そうか?でもまぁ…落ち着かないから、このままでもいいか?』
「まぁ、いい。」
『それならよかった。これから宜しく頼むよ、中原さん。連絡先も交換したんだ。有効活用してくれ。』
「ああ。ありがとな、綴璃。」
『僕の方は詩音とややこしくなるから詩葉でいい。』
「そうか。」
奇妙なやりとりをしていると思う。
初めて話すのだから仕方の無いことだろうが…。
「それじゃあ、ありがとな。詩葉。」
『こちらこそ。中原さん。またお会いしましょう。』
そう告げると、中原さんはにっと笑って下のフロアに向かう階段に向かっていった。
ボスに休みの許可といただいたし。とりあえず寝ようか…。
…なぜここで中原さんの笑顔を思い出す…。
でも、綺麗…だったよな。