第四章:医する魔法
「誰か邪魔した瞬間、撃つわ」
階段を上がったところで、ツェルがテフィラーを銃で牽制している。
ツェルは、駆け上がってきたアディンたちの方にもちらりと忠告をしてから、じっとテフィラーを睨んだ。
突然の緊迫した状況に、理解するより前にその場が凍りつく。
「いい?正直に答えて。あんた、魔法薬会社 の構成員よね」
「それを答えさせてあなたはどうしたいの?」
「はいか、いいえで答えなさいよ」
銃口をさらに突き出して声を低くするツェルに対して、テフィラーは涼しい顔をして答えた。
「それならハイかしら」
「今すぐ計画を吐いて、本拠地を教えなさい」
睨みつけるツェルに、彼女は余裕の笑みを見せると、
手品のごとく手元から小瓶を放った。
「!!」
辺りが煙幕に包まれ、アディンは染みる煙に目をつぶる。
「教えるわけないでしょう。一度かわされている銃 でまた挑んでくるなんて、あなた、舐めてるの?」
彼女の声がすぐ横で聞こえて、アディンは驚くあまり硬直する。
その声がいつもより冷たく、まるで別人のようだったのだ。
アディンは彼女に目を向け、どういうつもりか尋ねようとした。
その時。
「アディン、恨むなら私を恨んで」
テフィラーは耳元で囁くと、アディンの両肩に力を込めて押し出す。
支えようと構えた足が、階段のへりに掠って空ぶった。
「――!」
体が落ちる感覚が、僅かに。
何度か体を打ちつけた先で、脛のあたりから鈍い音がして、思わずアディンはうずくまった。
「アディンさん!!」
踊り場に転落したアディンに、カナフが悲鳴を上げる。
「すぐに医師を呼んできます!」
シャルへヴェットの声がする。
奥歯を噛み締めて見上げた視界に、すでにテフィラーの姿はなかった。
痛みと腫れ上がる足を抱えながら、アディンはひたすらテフィラーのことを考えていた。
階段を上がったところで、ツェルがテフィラーを銃で牽制している。
ツェルは、駆け上がってきたアディンたちの方にもちらりと忠告をしてから、じっとテフィラーを睨んだ。
突然の緊迫した状況に、理解するより前にその場が凍りつく。
「いい?正直に答えて。あんた、
「それを答えさせてあなたはどうしたいの?」
「はいか、いいえで答えなさいよ」
銃口をさらに突き出して声を低くするツェルに対して、テフィラーは涼しい顔をして答えた。
「それならハイかしら」
「今すぐ計画を吐いて、本拠地を教えなさい」
睨みつけるツェルに、彼女は余裕の笑みを見せると、
手品のごとく手元から小瓶を放った。
「!!」
辺りが煙幕に包まれ、アディンは染みる煙に目をつぶる。
「教えるわけないでしょう。一度かわされている
彼女の声がすぐ横で聞こえて、アディンは驚くあまり硬直する。
その声がいつもより冷たく、まるで別人のようだったのだ。
アディンは彼女に目を向け、どういうつもりか尋ねようとした。
その時。
「アディン、恨むなら私を恨んで」
テフィラーは耳元で囁くと、アディンの両肩に力を込めて押し出す。
支えようと構えた足が、階段のへりに掠って空ぶった。
「――!」
体が落ちる感覚が、僅かに。
何度か体を打ちつけた先で、脛のあたりから鈍い音がして、思わずアディンはうずくまった。
「アディンさん!!」
踊り場に転落したアディンに、カナフが悲鳴を上げる。
「すぐに医師を呼んできます!」
シャルへヴェットの声がする。
奥歯を噛み締めて見上げた視界に、すでにテフィラーの姿はなかった。
痛みと腫れ上がる足を抱えながら、アディンはひたすらテフィラーのことを考えていた。