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朔間凛月 短編

頭が真っ白になった。
寝起きのぼんやりとした意識はどこかへ飛んでしまって今はただ目の前に映る情報に目を見開いている。どうして……。液晶画面に移るゴシック体の文字。いつも絵文字ばかり使う彼にしては珍しく淡白でそっけのない一言。
【別れよ】


大好きだった彼氏から別れを告げられてから一日が経った。あの日のことはもう思い出したくもない。いや、それでも頭の中にしっかりと記憶させられている。お昼寝が終わってスマホを確認するといきなり彼から別れを告げられたのだ。前日まで好きだの言ったり会話だってしていたはずなのに突然の別れに頭が追いつかない。全てのSNSはブロックされており彼とのストーリーも綺麗さっぱりなくなって1つ数の消えたフォロワーの画面に何度も涙を流した。どういう事と問い詰めようとLINEをするも返信が来る前にブロックされておりもはや彼との連絡手段はひとつもない。大好きだったのにもう彼しかいないって思っていたのに。行きたい所もしたいことも沢山あった。なのにそれが一瞬にして全てなくなった。心に穴が空いたその中には絶望と悲しみで埋め尽くされた。泣き腫らして寝ようと思ったその時ピコンッと空気を読まない軽快な音が響き渡った。まるでタイミングを見計らったようなその音に引き寄せられスマホをみると1件のDMが。相手は幼なじみの朔間凛月だった。
【ねぇ、久しぶりに飲もうよ】
何も考えたくなくて彼のことを忘れてしまいたい私は彼の誘いに軽くのったのだ。

『わたしはね、ほんっっとうに好きだったの!!好きだった……好きだったのに……』
うぅ〜と涙を貯めて唸る私に「……ま〜くん連れてこればよかった」だなんて冷たく言い枝豆を頬張った。
『はぁ!?呼んだのはそっちのくせに!!ひどい!!冷酷!!』
と凛月に対して怒りをぶつけた。はぁとため息をついて凛月はいきなり荷物を持ち出した。
「○○がそんなにひどいこというなら俺帰っちゃうけど?」
『え、ちょっと待ってっ、ごめん』
ほんとに帰ってしまったら私一人に……そんな不安が襲いかかって反射的に凛月の裾を引っ張ってた。まるで凛月すがりついているかのように。
「うんうん♪で?やっとあの男と別れたんだぁ」
『そうだよ……ってやっとってなに』
「○○もさ〜ほんっと鈍感だよねぇ。セッちゃんと月ぴ〜ぐらい」
それどういう……そう思って上を見上げると凛月はにんまりと目を三日月のようにして笑っていた。
「やっとこっち見た」
「他の人に目移りするからでしょ。初めから俺だけを見てればよかったのに」
混乱する私の顎をすくってキスを落とした。
「安心して?すぐに俺でいっぱいにするから♡」
だからあんなやつのこと忘れて?悪魔の囁きのようだ。私は何も考えずにうんと頷いた。
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