～５日目～

ぷるぷるぷる…がちゃ

『もしもし？』

「ツバメちゃん？」

『ええ、もうすぐ着きます』

「…ちなみにどうやって…？」

『ちょうど海賊船が通ったので、乗せてもらいました！みんないい人たちでしたよ～』

「…そっか」

『安心してください、もうお別れしたので、狙われることはありませんから…あ、ポーラータング号の船尾が見えました！誘導お願いします！』

「あ！いたいた！うん、そのまま船尾につけて。キャプテンついさっき船内に入ったから…船長室の窓から見えないところって分かるかな？」

『了解です！』


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「ベポくーん！」

船尾に行くと、ミニメリーに乗った浴衣姿のツバメちゃんが手を振っていた。

「ツバメちゃん！」

ミニメリーをつないでから、ひょいっと僕にだきついてポーラータング号に飛び乗る。

「ふうー！着いた着いた！」
「ツバメちゃん、すごいよ…君本当にすごいよ！」

「あれっ、ツバメちゃん！？」
「本当だ、どうしてここに？」

二人で喜んでいたら、甲板に一緒にいたペンギンとシャチも気づいて、ツバメちゃんを迎える。

「ローさんに会いに来ました！」

ツバメちゃんがにかっと笑って言うと、ペンギンもシャチも大喜び。

船尾から甲板に移動すると、短冊を書いていたみんながツバメちゃんに駆け寄る。

「ツバメちゃん久しぶり！」
「キャプテン会いたがってたよ～」
「浴衣すっごく似合ってるね！」
「すごい！お願い叶っちゃった！」

「お願い？」

ツバメちゃんが訊くと、みんなが笹を指さす。

そこには『健康』以外にも

『キャプテンがツバメちゃんとうまくいきますように』

『ツバメちゃんがうちに来ますように』

『ツバメちゃんを嫁にもらう！byキャプテン』

などなど、みんなが書いた短冊が吊りさげられていた。


「みんな、ツバメちゃんが来るのを待ってたんだよ」

ツバメちゃんは、短冊を一つ一つ読んで、目をキラキラさせて言った。

「皆さん、ありがとうございます。
うまくいくか分かりませんが…期待に応えられるように、頑張ってきますね」

「えっ…ツバメちゃんって、キャプテンのこと…？」

「大好きですよ」

そう言った顔が、今までで見たツバメちゃんの中で一番かわいかった。



あの日の星は本当に綺麗だった。



end.