ONEPIECE短編集
主人公の名前
ツバメ・セナガキツバメ(初期設定)
21歳。元海軍中将。
今はいろいろあって麦わらの一味のクルー(戦闘要員)になっているけれど、ローに命を助けてもらったことがあり、ハートのクルー達とも仲がいいので船を行き来することが多い。
セナガキ(初期設定)
ツバメが海兵時代に使っていた偽名。
男性ということになっている。海軍暗部。
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「好きなんです」
資料室で調べ物をしていたら丁度本棚の向こう側でそんな声が聞こえて、思わず資料のページをめくる手を止める。
「俺と付き合ってくれませんか」
こんなとこで告白するのか…。
聞いたことある声だけど誰だっけ、と思っていたら。
「ごめんなさい」
相手の女の人の声が明らかにツバメ中将で、驚いてひっくり返りそうになった。
そっと本と本の間から見てみる。
ツバメ中将は淡々としているが、相手の男の人(よく見たらこの間任務で一緒だった少将だった。)は緊張したような感じで、相当好きなのが後ろ姿から伝わってきた。
噂には聞いてたけどやっぱりモテるんだな、ツバメ中将…。
僕が告白してるんじゃないのに緊張して、心臓がどきどきしてきた。
とりあえず断ってるからよかった。
オッケーしてたら立ち直れなくなるところだった。
「理由を聞いてもいいですか…?」
「彼氏がいるので、付き合えないです」
…
…ええええええええええ!?
何?!彼氏って何!?
聞いたことないけど!?
いつの間に!?どこの誰?!
ホッとしたと思ったらショックが大きすぎる。
ほぼ毎日話してるのに何で僕知らないんだよ…あ、聞かないからか…。
「はぁ…」
溜息と同時にへなへなと頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「あれ、コビー?」
頭の上から声がして、見上げると、ツバメ中将。
「えっ…」
「どうしたの?」
「え、いや、ちょっと調べ物を…」
「そう。頑張ってね」
「あ、あの…」
ツバメ中将を呼び止めた。
「なに?」
「あの…彼氏がいるって本当なんですか…?」
そう言ったはいいものの、さっきの話を聞いていたことがばれちゃうなぁ、とまだ少しパニックしてる頭の中で考える。
「え?ああ、あれ嘘だよ?」
「…え?」
あっけらかんと返されて、一瞬意味が分からなくなってしまう。
嘘?
…ってことは、彼氏は、いない?
「毎日任務なのに彼氏なんているわけないでしょ?」
「え、でもさっき…」
「嘘も方便ってやつ。ああ言えば大体の人は引いてくれるからね」
「でも、噂になったらどうするんですか?」
ただでさえ『美しすぎる海兵』で有名なんだから、嘘でも彼氏がいるって噂になったら大変なことになりそう。
というか、こんなに綺麗な顔してるんだから絶対に噂になる。
「彼氏がいるって噂が広まればみんな告白してこなくなるでしょ?別に誰かに迷惑かけるわけでもないし」
「…それ、僕に言っていいんですか…?」
「ん?なんで?」
「いえ、なんでもありません…」
「コビー、ここにいたか!ガープ師匠が探してたぞ!」
ヘルメッポさんがツバメ中将に敬礼して、僕を引っ張って資料室を出ていった。
…これでライバルがいなくなってくれたらいいんだけどな…。
end.