ONEPIECE短編集
主人公の名前
ツバメ・セナガキツバメ(初期設定)
21歳。元海軍中将。
今はいろいろあって麦わらの一味のクルー(戦闘要員)になっているけれど、ローに命を助けてもらったことがあり、ハートのクルー達とも仲がいいので船を行き来することが多い。
セナガキ(初期設定)
ツバメが海兵時代に使っていた偽名。
男性ということになっている。海軍暗部。
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「セナガキさん、ネクタイ結んでください」
今朝。
コビーが私のところにネクタイを持ってきた。
大尉に昇格したらしく、今日は式典に参加するそうだ。
「お前ネクタイ結べねえの?」
「あはは…」
「あははじゃねえよ、いつも式典の時どうしてるんだよ?」
「ヘルメッポさんに結んでもらってます」
「ったく…ほら、結んでやるからちゃんと覚えろよ」
「ありがとうございます」
私はコビーの首にネクタイをかける。
「まず、太い方が自分の左側な」
「はいっ」
「で、太い方を長めにとって…」
海軍将校の制服ってやっぱいいよなあ、と思いながら、手順を教えるが、ふとコビーの顔を見ると、目が合った。
瞬間、コビーの顔がぼんっと赤くなる。
かわいいけど、これは話聞いてねえな…。
「で、こう」
「あ…ありがとうございます!」
「じゃあ結んでみろよ」
私はもう一回ネクタイを解いた。
「ええっ、一回でできるわけないじゃないですか」
「お前なあ…」
時計を見ると、8時30分。
時間がないから私がもう一回結んであげた。
「ほら、できたぞ」
「ありがとうございます」
「…」
私は無言でコビーを抱きしめた。
「えっ」
「お前考えてること分かりやすすぎ」
「だって…!」
「ウブな奴」
「セナガキさんがかっこいいのがいけないんです!」
「見た目作ってるんだから俺がかっこいいのは当たり前だろ、いい加減慣れろ」
「うわあー、ムカつくけどかっこいい…!」
私は抱きしめる腕を解いて、コビーの腕も解く。
「ほら、時間がねえから早く行け」
「ううっ…ありがとうございます!行ってきます!!」
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「ツバメ屋、お前ネクタイ結べるか?」
ローさんが私のところにネクタイを持ってきた。
「結べますけど…正装なんて珍しいですね」
「潜入捜査だからな…頼む」
この人ネクタイ結べなかったっけ??
まあいいか。
「…潜入捜査なんて聞いてないんですけど」
「今言ったからな」
「私行きますよ」
「お前に行かせられねえから行くんだろうが」
「え?なんで??」
「なんでもだ」
私が顔を上げると、ローさんが目を逸らす。
「というかローさんが潜入捜査って向いてなさすぎて笑いが出てくるんですけど」
「うるせえな!」
「手配書で顔割れてる上にこんなに目立つ人が潜入って…ペンさんやシャチさんはダメなんですか?」
「いや、あいつらも一緒だ」
「…潜入の意味分かってます?」
「アイツらに何かあったらどうするんだよ」
「っはははっ」
「笑うとこじゃねえだろ!」
「私はローさんのそういうところ大好きですよ」
「…」
「…はい、できました」
「ん」
ちゅっ
「すぐ戻る」
ローさんはそう耳元で囁いて、ジャケットを羽織って部屋を出た。
出て行った後のドアを見つめて、さっきキスされた頬を手で触れてみると、急に恥ずかしくなってきた。
「…はあー…だめだ…かっこいい………」
end.