ONEPIECE短編集
主人公の名前
ツバメ・セナガキツバメ(初期設定)
21歳。元海軍中将。
今はいろいろあって麦わらの一味のクルー(戦闘要員)になっているけれど、ローに命を助けてもらったことがあり、ハートのクルー達とも仲がいいので船を行き来することが多い。
セナガキ(初期設定)
ツバメが海兵時代に使っていた偽名。
男性ということになっている。海軍暗部。
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朝。
キッチンに行くとサンジ君がネクタイを持って待っていた。
「ツバメちゃん🎵ネクタイ結んでくれない?」
「え、なんで?」
「いいからいいから🎵」
この顔は…いやらしいこと考えてる顔だな。
「…セクハラしたらすぐに大声出しますからね」
「ち、違う違う違う!そんなこと考えてないってば!」
「本当ですか〜?」
「ほんとほんと!」
期待の眼差しでこっちを見てる。
しかたないな。
私はサンジ君からネクタイを受け取って、サンジ君の首にかける。
…ああ、もしかして。
私身長低いから、首にかけたときにちょっと抱きつくみたいになるの期待してたとか?
だってほら、めっちゃ見られてる…というかすごい顔してて怖いし…そういうことか。変態。
「…できましたよ」
「ありがと♡」
サンジ君はそう言って、目を閉じて口をすぼめて立っている。
「…なんですかその顔」
「だって、ネクタイ結び終わったらさ、ネクタイを引っ張ってちゅーしてくれるもんじゃない?」
「どこの少女漫画?」
「お願い♡」
「嫌ですよ、なんで私がそんなことしないといけないんですか」
「ダメ?」
「ダメに決まってるでしょ、そういうのはナミかロビンに頼んでください。失礼します」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…ってことが今朝あったんだけど。
「ツバメちゃん、ネクタイ結べる?」
昼下がりにハートの海賊団の船に乗ったら、ペンさんが正装でネクタイを持ってきて、デジャヴだった。
「結べますけど…」
「結んで♡」
「…わかりました」
私はペンさんからネクタイを受け取って、ペンさんの首にかける。
これってもしかして、サンジくんと同じこと期待してる??
まあ、付き合ってるし、ペンさんが言うならまだ分かるけど…結び終わったら引っ張ってちゅー、だっけ…流行ってるのかな。
「…見過ぎです」
「見ちゃうでしょこんなの…抱きしめていい?」
「…軽くなら」
私がそう言うと、ペンさんはゆるく私の背中と腰に腕を回す。
「はあ、落ち着く…」
「なんでまた正装なんですか?」
「潜入捜査だよん」
「…聞いていませんが」
「あ、これツバメちゃんには言うなって言われてたんだった…」
ペンさんはしまった、と慌てはじめた。
「だって、あのパーティーにツバメちゃんみたいな綺麗な子が行っちゃったら、みんな潜入捜査どころじゃなくなるから!キャプテンだって言ってたんだよ、同盟とはいえ違う船のクルーに迷惑かけられねえって!」
「怒ってませんよ…私、船で待ってていいんですよね?」
「もちろん!待ってて、お宝がっぽり持って帰るから」
「期待してますよ…はい、できました」
ちゅっ
ネクタイを引っ張って唇を重ねる。
触れるだけのキス。
「…!」
「無事帰ってきてくださいね」
「…」
ペンさんが口元を押さえて、顔を真っ赤にして固まってる。
「あ…すみません、してほしいんだと思ったのですが…違いましたか?」
「いや、えっと、違、わない、けど…!予想外というか…えっ…ええっ?!」
「す、すみません!変なことしちゃって!ほんとごめんなさい!」
「いや、いい、いいって!今のすごくキュンときたからもう一回して!」
「嫌です!恥ずかしい!早く行ってください!」
「蹴らなくていいじゃん!もう!じゃあ帰ったらいっぱいちゅーしてよね!」
「…っ分かったから!はい、いってらっしゃい!!!」
「行ってきまーす♪」
ペンさんが能天気にそう言って部屋を出ると、私はドアにもたれかかりながらその場にしゃがみ込んだ。
「あああ…サンジ君の馬鹿…」
end.