朝食当番
主人公の名前
ツバメ・セナガキツバメ(初期設定)
21歳。元海軍中将。
今はいろいろあって麦わらの一味のクルー(戦闘要員)になっているけれど、ローに命を助けてもらったことがあり、ハートのクルー達とも仲がいいので船を行き来することが多い。
セナガキ(初期設定)
ツバメが海兵時代に使っていた偽名。
男性ということになっている。海軍暗部。
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「おはようございます、ペンさん」
「ツバメちゃん、おはよ♪」
ついにこの日が来た…!
ツバメちゃんと朝食当番!
朝食当番の何がいいって、昼飯や晩飯だと食堂でトランプしたり話してる奴もいるけど、朝早いと誰もいない。
つまりツバメちゃんと2人きりってこと!
ああ…朝からエプロンと三角巾つけてるツバメちゃんの尊いお姿を拝めるなんて…神様ありがとう!割り振ってくれたキャプテンありがとう!あんた本当に神だよ…!!
「今日は何にしましょうか」
一緒に冷蔵庫をのぞき込むと、距離が近くてドキドキする。
「そうだね、おにぎりは塩と昆布とおかかで、卵焼きと、漬物と、サンマ焼いて…上陸前だしあんまり残ってないね…小鉢どうしようか」
「ほうれん草いっぱいあるからお浸しにして、わかめときゅうりを酢の物にして、あとの残った食材をみそ汁にするのはどうでしょう?」
「天才!!」
「えへ」
「あー、でもそれだとすぐ作れちゃうなー」
「?早く作れた方がよくないですか?」
「いや、なんかさ…あ、やっぱいいや」
「え、何ですか??」
「何でもないよ!俺小鉢作るから、みそ汁作ってもらっていい?」
「?はい」
ツバメちゃんと料理する時間が減るのは嫌だなあ、なんて言いそうになって、慌てて野菜を切りはじめると、中指を切ってしまった。
「いてっ」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫、ちょっと切っただけだから」
「切ったんですか!?」
ツバメちゃんがばっと俺の左手をつかんで、指を見る。
お互い戦闘で怪我なんて慣れてるのに、こんな小さな怪我でもすっ飛んで来てくれるのは、愛されてんのかなあ、なんてバカみたいな期待をしてしまう。
「血出てるじゃないですか!」
「大した事ないって…!!!えっ!?ああ…!?」
ツバメちゃんが、中指の関節近くの血が出てるところを咥えた。
「…っ」
ちゅっと血を吸われて、丁寧に絆創膏を貼ってくれた。
「これで大丈夫ですね」
「え、あ、うん…ありがと…」
あー、もー、やばい。
触られただけでドキドキすんのに、咥えて舐められた…(意味深)。
「さて、早くしないとみんな来ちゃいますね」
ツバメちゃんが玉ねぎをリズムよく切りはじめる。
俺も横で鍋に湯を沸かしてほうれん草を切りはじめたけど、手にさっきの感覚が残ってる。
「ツバメちゃんって、好きな人いるの?」
なんだか聞きたくなっちゃって、思い切って聞いてみた。
作業しながらだと案外あっさり聞けてしまうもんだな。
「なんですか、急に」
「いやあ、どうなのかなって。モテそうだし」
「…いなかったら、どうするんですか?」
「えっ…」
一瞬ドキッとした。
ツバメちゃんは探ろうとするとこういう返しをしてくる。
天然か計算か分からないのがすごくいいんだよな~。
「うーん、どうしてほしい?」
「どうしよっかな~」
あー
かわいい。
もっと弄ばれたい。
「ペンさんは?」
「えっ?」
「好きな人。いるんですか?」
「えーっ」
「その反応はいるんですね」
「いないって言ったら?」
「え?いるんでしょ?」
「…」
「どんな人ですか?私知ってる人?」
そろそろいいよね。
年上をからかいすぎだし。ちょっと仕返ししてやろうかな。
「…亜麻色の髪に、青い瞳の、すごく綺麗な人だよ…」
ツバメちゃんの瞳をまっすぐ見て言うと、ツバメちゃんの顔が急にぼんっと赤くなった。
「えっ…?!」
♪ピーピーピーピーピー…
タイミングよく炊飯器の音が鳴った。
「ごはん炊けましたね…」
「ツバメちゃん」
ツバメちゃんは話をそらそうとするけど、今逃がしたら一生捕まえられない気がした。
「こっち向いて」
「嫌です」
「なんで」
「嫌なもんは嫌です」
「その反応は、俺、期待していい?」
「勘違いしないでください」
「っはははっ」
なんだか必死すぎて笑っちゃった。
「私ペンさん嫌いです…」
「俺はツバメちゃん好きだよ?」
「………」
「本気だよ」
「………」
全然こっち向いてくれないけど、真剣に言うと伝わったのか、黙っちゃった。
そのすぐ後にベポとシャチとキャプテンが食堂に入ってきて、一時休戦になった。
「ペンさん」
「ん?」
「………後でね」
みんなのご飯の配膳が終わってから、小声でそう言われて、俺は「うん」とだけ返事をした。
end.