高嶺の花
主人公の名前
ツバメ・セナガキツバメ(初期設定)
21歳。元海軍中将。
今はいろいろあって麦わらの一味のクルー(戦闘要員)になっているけれど、ローに命を助けてもらったことがあり、ハートのクルー達とも仲がいいので船を行き来することが多い。
セナガキ(初期設定)
ツバメが海兵時代に使っていた偽名。
男性ということになっている。海軍暗部。
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「聞いてくれよ!今日女の子とデートしてきたんだぜ!」
出航前の夜の男部屋で、就寝前にシャチがみんなに自慢話していた。
「えー、いいなあー!」
「どんな子ー!?」
「お店の女の子なんだけど、めっちゃ可愛くて巨乳☆」
「おおー!」「ホテル行った!?」「うらやましー!」とか盛り上がっている後ろで、俺はキャプテンに提出する報告書を書いていた。
「そういえば今日ペンギンもデートしたんだよなー!」
「へ??」
ふとシャチに急に話を振られて振り向く。
今日はツバメちゃんと備品の買い出しで忙しかったから、デートした覚えはない。
「ツバメちゃんと2人でどっか行ってたじゃん?」
「?ただの買い出しだぞ?」
「でも2人きりだったわけでしょ?」
「まあ、そうだけど…んん???」
「え?」
「いやいやいや!ツバメちゃんはそういうのじゃないから!」
「え?ペンギンってツバメちゃん好きじゃないの?」
「人間としては好きだけどね!?違う違う違う!!」
勘違いされていることに気づいてぶんぶん手を振って否定したけど、みんなすがすがしいほど俺の言うこと聞いてない。
「慌てることなくね?みんな知ってるし」
「あれだけツバメちゃんツバメちゃんって騒いでたらバレバレだって」
「大丈夫だよペンギン、俺たち応援してるから!」
「はあ!?お前ら…何考えてんの!?」
こいつらマジで分かってなさすぎる…頭抱えるわ…。
「あんな美しい人と付き合うだなんて畏れ多すぎるだろ!立場をわきまえろ!!」
俺が声を大にして言うと、「うわあ、重症…」とか言われた。
「重症って何だよ、なに引いてるんだよお前ら!
確かに海兵だったツバメちゃんが新聞に載った時から大ファンだったけど、だからって彼女にしたいわけじゃないから!
そもそも『美しすぎる海兵』なんて世間で騒がれたレベルの美人な上に大将候補になるほど優秀だった人で、今や四皇麦わらの一味のクルーで28億の賞金首だぞ!?
その相手が俺って!どう考えても釣り合ってなさすぎるだろ!付き合えるわけないし、俺が汚していい人じゃないだろ!!」
一気にまくしたてると、一瞬だけしーんとして、それからベポが口を開いた。
「え、じゃあ、ペンギンにとってツバメちゃんは恋愛対象じゃなくてアイドルみたいなもんってこと?」
「最強の女神だよ」
「ああ、うん…まあ、そういうことね」
なに鼻で笑ってんだよ、誰がどう見ても女神だろ。
「じゃあさー、ツバメちゃんに付き合ってほしいって言われたらどうするの?」
「俺みたいな下賤の者に対してそれはないから考えるだけ無駄」
「いや、もしもの話じゃん」
「えーーー?そりゃあ俺でいいなら是非お願いしたいけど…」
「じゃあツバメちゃんが他の男と付き合っちゃっても全然いいんだ??」
「………え?どういうこと???」
言ってることがわけわかんない。
ツバメちゃんが、他の男と、付き合う??
「そのままの意味だよ。ツバメちゃんだって21でしょ?年頃じゃん」
「ツバメちゃんと釣り合う男がこの世の中に存在すると…?」
「分かんないよ?キャプテンとか仲良いし全然いけそうじゃん」
「いやキャプテンはないだろ」
「どうかなあ?そうじゃなくても一味って歳近いの多いし、なんならすでにあの中の誰かと付き合ってるかもよ?ロロノアとか黒足とか」
「ええ…?………うーーーん…」
なにこれ。
なんかすっげーもやっとする…。
ツバメちゃんが他の男のものになるなんて考えたこともなかったけど、確かにツバメちゃんって21だもんな…。
あの美しい人が、恋の一つや二つしたいなんて、思ってたりするのかな。
あー、どうしよう…。
だとしたらすごくかわいいけどすごく嫌だ…。
(めっちゃ悩みだしたぞ)
(今更かよ!)
(あれだけ好きオーラ全開で自覚ないとは思わなかったよ)
(ツバメちゃん、頑張れ…ぜんぜん伝わってないぞ…)
(でもまあ、もうそんなに時間かからないんじゃないかな…)
俺がしばらく考えこんじゃったもんで、気づいたら話題はこれからの航路の話とか、島でのそれぞれの出来事の話に変わっていた。
俺はまた報告書の続きを書こうと机に向かうけれど、ツバメちゃんのことで頭がいっぱいで、全く進まなかった。
end.