きっかけ
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side.ロー
「ねーねー、ツバメはなんでキャプテン好きになったの?」
眠れなくて食堂で何か飲もうとドアを開けようとしたら、ベポの声が聞こえてきて、思わず手が止まった。
「そんなこと聞いてどうするんですか」
「えー、だって聞いてみたいじゃん!」
「俺も興味あるなー」
「俺も!」
ペンギンとシャチものってくる。
「そんなの…なりゆきですよ、なりゆき」
「へえー?」
「早く次のゲームやりますよ」
ツバメが淡々とトランプを切る音が聞こえる。
どうやらポーカーをやっているらしい。
最近クルーの間で流行っているようだ。
「ちょっと待ってよ、おれポーカーよりツバメの恋話が聞きたいなあ」
「はあ?!」
「俺も!」
「俺も!ココア作るからゆっくり話そうよ」
「ペンギンさんきゅ!」
「いいですよそんなことしなくて…」
ベポの言葉にシャチとペンギンが乗る。
俺も気になるな…。
ツバメには好かれていると思うが、あいつは愛情表現はあまりしない方だし、どこが好きとか、なんで好きかなんて聞いたことがない。
「僕嫌ですよ人にそんなこと話すの」
「まーまー、キャプテンにも誰にも言わないし!ただの興味だよ」
「いつからだったの?やっぱ一目惚れ?」
「そんなわけないでしょう、僕は一目惚れされる側ですよ?」
「うわあ自分で言ったよ」
シャチが陽気に言う。
「でも出会った時に暴漢から助けてもらったんだよね?」
「そうですが、あの頃はまだターゲットでしかありませんでしたから」
「じゃあやっぱりアレが良かったとか?」
「アレって?」
「セックス」
「シャチさんって脳みそちんこなんですか?」
「いじり方きっつ…」
ツバメがため息をついて、ライターでタバコに火をつける音が聞こえた。
「…あの人の優しさは遅効性の毒のようなものですからね…。
照準定めて引き金引く頃にはすでに毒がまわってただけです」
「「「………」」」
「ほんとあの人性格悪いですよね」
ふーっと、煙草の煙を吐きながらそう言って、ガタッと席を立つ音が聞こえた。
…なんだよそれ。どういうことだよ。
顔がにやけるのを抑えようと悶えていると、ガラガラと扉が開いて、ツバメと鉢合わせしてしまった。
「「あ」」
俺の顔を見て、ツバメが俯く。
「…聞いてたんですか」
「………だれが性格悪いって…?」
俺はツバメの頭を撫でると、ツバメと一緒に食堂に入った。
end.
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