#13 別れ
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side.ロー
翌朝。
今日は俺が先に起きた。
スバルはぐっすり眠っている。
…昨日激しくしすぎたか。
首筋や胸に鬱血痕がたくさんついている。
「おはよう」
スバルが目を開けて俺をぼーっと見たが、しばらくして顔を真っ赤にして布団に潜り込んだ。
「出てこいよ」
「無理です」
「可愛かったぞ」
「そういうのいいんですよ」
「スバル」
俺はスバルの隣に座って裸の肩を抱く。
「左手出してくれ」
「左手?」
俺はスバルの薬指の指輪を眺めた。
「やっぱこれにしてよかった…すげえいいな」
シルバーにブルーサファイア。
女になったスバルの青い瞳を思い出してこれにしたんだ。
「…なあ…約束させてくれないか」
「約束?」
「俺がドフラミンゴを討ったらお前に会いに行くから…結婚してくれ」
「…どうしても僕は関与させないつもりですね」
「船には乗らねえんだろ」
「あなたが実行する頃には僕は既に幹部でしょうから…こんな約束しなくても、死ぬ時は一緒です」
「俺は死なねえ」
俺はスバルの瞳をまっすぐ見つめた。
「本懐を遂げた後も、必ず生きる。だから、お前も一緒に生きてくれ」
こいつのおかげで、俺は生きようと思えた。
本懐のその先を見たいと思えたんだ。
「………その言葉、信じますよ」
「ああ…必ずまた会おう」
スバルは幸せそうに左手を窓から差し込む太陽の光にかざして見ていた。
しばらく見て満足すると、引き出しの中から大きなリングのついたチェーンのネックレスを出した。
「僕からの餞別です」
「これは…」
「僕の一番大事なお守り…ロシーが潜入捜査に行く前までずっとつけてた指輪です」
「!」
「この指輪ほど高価なものではありませんが…きっとロシーがあなたを守ってくれる」
コラさんサイズで大きいが、シンプルなシルバーのリングだ。
裏側に『ツバメ』とローマ字で彫ってある。
「『ツバメ』…?」
「僕の名前です…ロシーがつけてくれた、僕の一番大切な名前」
「いいのか?大事なモノだろ?」
「ええ。あなたが持っていてください」
「…なあ」
「なんですか」
「ツバメって呼んでいいか?」
「…二人きりの時だけですよ」
「…ツバメ」
俺がスバルにキスしようとしたら、ピンポーン、とインターホンが鳴った。