#11 愛し抜く正義
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side.ロー
コンクリートの壁のだだっ広い部屋。
壁際に背の高い棚が並んで、収納ボックスが大量に入っている。
「さっさと言えよ…ゴーストマリーンと繋がっているんだろ?」
身なりのいい大男…ロビンソンの船長が、手足に海楼石の手錠をはめられた状態の俺の前でしゃがむと、俺の髪を引っ張り上げる。
「さて、いい加減吐いてもらおうか?ゴーストマリーンの居場所を」
「答える義理はない…っぐふっ」
腹を数回蹴られ、鉄パイプで殴られる。
「たかだか無名の海兵1人だぜ?テメエは海軍に弱みでも握られてんのか?」
「ぐっ…ぐはあっ…っ」
「それとも…あの小僧がそんなに大事か?えぇ?惚れた男は死んでも守るってか!?『死の外科医』があのか弱そうな小僧に手のひらで転がされてるってか!だっはっはっはっはっは!おもしれえ!!!」
「だったら…小僧には絶望してもらおうか…」
船長が懐から短剣を出して俺の胸に刺そうとした時だった。
パアン!! パリーン!!!
銃声がしたと思ったら、俺に向けられた短剣が折れていた。
「そこまでだ!!!!!」
銃弾が飛んできた方を見ると、スバルと、後ろにペンギンとシャチが立っていた。
「スバル…?!お前ら…!」
「キャプテン!無事ですか!!」
「!血が…!!!」
ペンギンとシャチは俺を木箱の後ろへ運び、その前にスバルが立つ。
「来たか!ゴーストマリーン!!」
「まずはテメエからだ!キャプテン=ノアール!神妙にして縛につけ!」
スバルは拳銃をしまって構える。
「二度とその生意気な口をきけなくしてやる…!!!」
ノアールが間合いを詰めると、スバルはノアールの腹に蹴りを貫通させてその場に膝をつかせた。
「船長!」
「おのれゴーストマリーン!!!」
スバルはノアールの手首に手錠をかけて拳銃を奪う。
「ペンさん!」
ペンギンに手錠のカギを投げると、ペンギンはキャッチして俺の錠を解いた。
「キャプテン、動いちゃダメです!」
「問題ない…」
「傷口が開きます!それに今行ったらまずいですよ!」
スバルを尾行したあの日と同じ…一気に100人以上がばたばた倒れだした。
覇王色の覇気。
スバルが歩いたと思いきや残党たちを囲うように分身を大量に作ると、一瞬にして囲った奴らが錯乱状態になり殺し合いをはじめる。
それでもスバルに立ち向かう奴は爪で心臓を貫かれ、腕を一振りした斬撃で首を斬られる。
一瞬にして地獄絵図ができあがっている。
「グロテスクすぎて見てらんねえ」
俺はスバルの後ろに立ち、鬼哭を構えた。
「怪我人はじっとしててください」
「馬鹿言うな、俺もお返ししてやらねえと気が済まねえ」
「…まったく…邪魔はしないでくださいよ?幹部の9人は生け捕りです」
「了解…」
「…っふふっ、僕、ちょっとゾクゾクしてきちゃいました♡」
頬についた血をぺろりと舐めると、スバルのオーラが急に荒々しくなる。
スバルは爪で心臓を抜き取って握り潰していき、俺は切り刻んでパーツを改造していく。
向かってくる敵の腕を取って素早く手錠にかける。
そうこうしているうちにあっという間に片付いちまった…。
「ローさん達は手当に戻ってください」
「うん、そうするよ」
ペンギンが俺を担いだ。
「シャチさんは他のクルーの人を集めて、ここから南東の港へ行って、ロビンソンの船を漁ってきてください」
「何言ってんだ?」
「後で海軍に連絡しますが、海軍が来たらお宝も全て押収されてしまいますし、あなたたちも危険ですからね…その前に船ごと全部売っぱらって金にしてさっさと逃げてください…船番に気を付けて」
「スバルくんって本当に海兵??」
「俺たちより海賊っぽいよね…」
ぷるぷるぷる…
スバルの電伝虫が鳴り響き、スバルがニヤリと意地悪く笑う。
「いつ僕が海兵だと言いましたか?」
「「「「「え…?」」」」」
ロビンソンの奴らはみんな驚いてスバルを見た。
がちゃっ
「もしもし?」
『オフィーリオか』
「ええ、今仕事中なので手短にお願いします」
『ロビンソンのアジトにSMILEがある…それをドレスローザまで輸送しろ…』
「アジトの場所は?」
『ルブニール王国のルブニール川沿いにある体育館だ…』
「なるほど?いくつそちらへ輸送しましょうか?」
『50ケースずつだ』
「承知しました…他の基地からは?」
『そうだな…聖クレア教会の裏手にある倉庫…あとはワノ国の白舞の米屋の地下と…グリーンビット港の第五倉庫と…パンクハザードの地下にあるが、今日の深夜に入荷する予定だ…そこから50ケースずつ頼もうか…こっちは急ぎじゃねえ…2日の18時までにドレスローザにあれば問題ない』
「了解しました…」
『頼んだぞ…』
がちゃっ
「貴様!ドンキホーテの人間か!!」
幹部の一人が叫んだ。
「だったら何か?」
「おのれドンキホーテ…!」
「あまりファミリーに楯突かない方がいい…うちのボスは僕より残忍ですよ?」
「なんて奴だ…!!!」
「さて…まずは残党について教えてもらいましょうかね」
スバルはその辺の死体に弾丸を打ち込んで言った。
怖すぎる…瞳孔がかっぴらいて目が爛爛と輝いているし威圧感がやべえ。
こいつ…狂ってやがる…本当に海兵か…?
ロビンソンの残党達は皆震え上がっている。
「ローさん…こいつらはこちらで処理しますから…残党にはお気をつけて…ボンボヤージュ」
パァン!
「ぎゃあああ!!!」と悲鳴が聞こえて、俺たちは吐きそうになりながらスバルだけ残してアジトを後にしたが、外に出た瞬間、俺は気を失った。