#05 聖域
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それから近くのカフェで昼食をとって、市場で晩御飯の買い物をした。
「今晩は何が食べたいですか?」
「たまにはお前が食いたいもんにしねえか」
「そうですねえ…晩ご飯食べてから散歩に行きたいので…がっつりめにビーフシチューにしましょう!」
人ごみの中を、向こうの方の肉売り場へ歩いていく。
はぐれそうになって、ローさんのコートの袖を掴んで歩いた。
「ビーフシチューか…ペンギンがよく作ってくれるな」
「ペンギンさんって料理できるんですね」
「ああ、クルーの中で一番うまいな」
「へえー、食べてみたいですねえ…」
肉売り場で鶏を見つけて、すいません、これ200gくださいとおじさんに言う。
「おい、ビーフシチューは牛だろ、なんで鶏買ってるんだ」
「ローさんは牛派なんですね」
「牛派とかあるのか?」
「ノースブルーの料理って牛肉か羊肉多いですよね。畜産業盛んだからですかね?」
「あら、スバルくんとローさんじゃない」
ふと隣を見ると、ステラさんとアンリさんがいた。
「ステラさんに、アンリさん、こんにちは」
「こんにちは…」
アンリさんは少し下を向いていた。
「今日はお出かけですか?」
「たまたまそこで会ったから、買い物ついでにお茶して明日の買い出しついてきてもらったの」
「そうだったんですね」
「スバルくんたちは?」
「ローさんに街を案内していました」
「ふうん…仲良いのね」
「そんなことないですよ」
なんて言ってみるけど、仲のいい人が今までいなかったから、ローさんと仲が良いと思われているなんて、少し嬉しい。
「今日は早めにご飯食べて、ゆっくりして、夕方ごろから湖に行くんです」
「え…」
アンリさんが顔を上げる。
「そう、素敵ね。今日は綺麗に見えるんじゃない?」
「だといいんですけど」
「スバル、湖なんてあるのか?」
ローさんが僕に訊いた。
「ええ、山の上の方にね。夜に行くとすっごく綺麗なんです。楽しみにしててください」
「そうか」
「じゃあ、僕たちはこれで…」
「ええ、楽しんできてね」
ステラさんに手を振られ、僕たちは市場を出た。